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エキシビジョンレポート killdisco 個展『Tiny fete』 @ギャラリー・ルモンド
水と塩と酸味のあるサワー種の小麦だけで作る『サワードウ』という生地で作るピザが食べられるということで赤坂の『サバス』というピザ屋さんに行ってきた。このサワードウ、パンで使うことはあるらしいけれどピザ生地で使うのは珍しいとのことで、口に入れた瞬間の感動はひとしお。まずさわやかな麦の酸味がトマトソースやチーズの旨味を最大限に引き出してくれる。その次に噛めば噛むほど、今度は奥の方からシンプルな小麦の香りが遅ればせながらやってくる感じ。濃厚なソースに負けない力強い香り。それを昼呑みの背徳感と一緒にワインで流し込む。その繰り返し。最高。
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何ヶ月かに一回集まって、近況を語ったり雑談をしたりする定例のごはん会。ウェブを作れるひとはいないかということで2018年くらいから誘ってもらって参加してる。ここで何かを決めたり正解を導いたりするわけではないけれど、ただ集まって顔を合わせて話すことが大事なんだなとしみじみ思った。雑談から思わぬアイデアが出たりする。雑談からしか生まれないアイデアも存在している。
その後、ほろ酔いの足取りで原宿へ移動し、現在開催中の killdisco さんの個展『Tiny fete』を見にギャラリー・ルモンドへ。いつ言葉にしてもすごい名前だなと思う。キル・ディスコ。この名前でいろいろなクライアントや案件を渡り歩く人気イラストレーターだからおもしろい。
キルディスコさんはこんなひと
killdiscoさん × Sanrio
「かく、おもう、めぐる」
イラストが紡ぐ、大切な人を想う時間。
https://shop.sanrio.co.jp/greetingcards/columns/475
サンリオの担当者さんも「キル」とか言ったりするのだろうか。
展示のテーマは『Tiny fete』=『ささやかな祝祭』。それぞれのイデオロギーをお互いに認め合い、誰も萎縮することなくそれぞれの声を発することのできる場、空間を祝祭と捉え、そこで生まれる対話や気づきを大切にしていこうというメッセージが込められた展示だ。
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並んだ男の子と女の子、おじさんとおばさん、犬と猫、そのほか様々なモチーフがポリフォニックに対話をしているように絵が並んでいる。とはいえそれぞれが向き合っているわけではなく彼ら彼女らはぼくら(鑑賞者)の方を向いている。「やぁきみはどうだい?」と優しく語りかけてくる絵たち。
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純粋無垢でまっすぐな瞳に、目を背けたくなるひともいるかもしれないし、さまざまな言葉が浮かんでくるひともいるかもしれない(そんなひとのために感想用のメモが会場に置いてある)。例えるならば神社の入り口の両脇にいる狛犬のよう。あ・うん。対になっていて、対峙する存在。そんな考察が、モノクロームなのに色鮮やかな不思議な空間で浮かび上がってくる。
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今回の作品の中でいちばん好きだったのは『灯台』の絵。これは勝手ながら今回の展示の中ですごく重要なんじゃないかと想像したりした。誰かが路(みち)に迷ってしまわないようにするための光。この光を追っていけば「だいじょうぶ」だよ、という対話が、いちばん心をほぐしてくれた。ぼくがいま話したい相手はひとじゃなく光なのかも。
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灯台の絵を寝室に飾ってぼーっと向き合っていたい。こういう感情が「作品を買う」という行為につながるんだろうな。ただ最近金欠なのでなくなく我慢。うううう。
最近強く意識して、大事にしている「声」を投げかけて「コトバ」にするということを、キルさんも大事にしててなんだかうれしくなった。ぼくは40年以上生きてきて、実はあんまりひとと向き合って来なかった。その分を、ここ最近で取り戻そうとしているような気さえする。対峙。帰り道はすっかり酔いも覚め、誰でもいいから、なにか話したいと思った。
展示は明日まで(最終日は17時まで)。お見逃しなく。
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killdisco solo exhibition
『Tiny fete』
@ galerie_lemonde
2024年1月9日(火)~21日(日)
12:00 - 20:00 日曜日は17:00まで
galerielemonde.com
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