自分ノート #03 | 個展のタイトル 『流体から擬態へ』 のこと | 藤本将綱
流体とは気体や液体のことです。
物理学的にはもっと別の意味もあるらしいですが今回はそれは無しで。(根っからの文系人間なのでくわしくはわかりません)
設定としては、気体や液体が意思を持ち始めて人間や動物、モノに擬態する(なりすます)能力を身につける。そして世界そのものに擬態していく様子を絵として表現しています。
ターミネーターで液体金属から人間に変身するロボットみたいな感じです。でも実際にはあんな映画みたいに完璧に擬態できるとは限らないかもしれません。
人間がミスしたり失敗したりするように流体たちも苦戦するのかもと。だからそういった擬態に失敗している不思議な状態を絵にしたら面白いんじゃないかなと思いました。
AI が合成や画像生成に失敗したときに起こる奇妙でおかしな感じをもっとポップな感じにしたい。そういった想像を膨らませながら制作をつづけていきました。
これは「もしも」の世界を描いています。
ただそれに近いことは実際に起こり始めているのではと思っています。
コンピュータの技術が進歩して写真や動画の合成や加工がかんたんに誰でもできるようになりました。VR などで本来そこには無い風景を見ることもできます。
アニメやゲームに没頭して時間を忘れて楽しんでいるひとも多いです。たしかにそれらは見たり聴いたりはできますが、実際に存在しているかと言われたらどっちだろうと考えてしまいます。
なにが本物でなにが偽物かわからない混沌とした世界。いま僕たちは面白い時代に生きているのかもしれません。
そういうことを想像しながら作品を見ていただけるともっと楽しんでもらえると思います。
次回は作品のサイズについてお話しますね。
それでは、また。
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