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第2章:公的機関の成果
学校はオンライン授業の導入に苦戦している。
市役所に住所変更を連絡するときは紙で直接行かないといけない。
「こうなったら便利なのに」と人々は思いますが、学校や病院や役所などの公的機関は時代の変化の波を無視し続けています。
公的機関が成果をあげないのはなぜでしょうか。
公的機関が成果をあげるために必要とするものは何なのでしょうか。
公的機関は、その成長と重要さに伴う成果をあげていない。不振の原因は何か。公的機関が成果を上げるうえで必要なものは何か。
◆◆◆
6:多元社会の到来
多元社会とは、極端に言えば企業と公的機関で構成される社会です。
企業は顧客の欲求を満たし、企業同士で競争をすることで大きく成長してきました。一方、学校や役所などの公的機関はどうでしょうか。彼らの多くは十分な成果をあげておらず、企業と比べて成長スピードは格段に遅いです。
成果をあげないからといっても、公的機関は必要不可欠な存在です。
学校がなければ子供の教育問題が発生し、病院がなければ医療問題のある患者は途方にくれます。企業の中でも総務部やシステム部がないと企業は存在が危ぶまれてしまいます。
だから、我々は公的機関が成果をあげる方法を学ぶ必要があるのです。
7:公的機関不振の原因
公的機関が成果をあげない理由は大きく二つあります。
一つ目の原因は、我々が公的機関に対して3つの誤解をしているからです。
①企業と公的機関は仕組みが異なります。公的機関に対して、企業と同じマネジメントは効果的ではありません。
②人材の質は、企業と公的機関で大きな違いがありません。人材の差を不振の原因にするのはただの言い訳です。
③公的機関だけ目的や目標が抽象的と言うのも間違いです。企業も公的機関も目的は抽象的であり、目標は具体的です。
もう一つの原因は、公的機関が予算から支払いを受けているからです。
公的機関の関心ごとは「いかに多くの予算を手に入れられるか」です。彼らは本来の目的を忘れてしまっているんです。
8:公的機関成功の条件
公的機関が成果をあげて成功するために必要なことは、彼らに本来の目的を思い出させることです。
具体的には、六つの規律を課すことが必要です。
①事業の定義を決める
②目標を設定する
③優先順位を設ける
④成果の尺度を決める
⑤フィードバックを行う
⑥監査する
この六つの規律を課すこと、そしてこのサイクルを繰り返すことが必要です。
また、公的機関の種類も考慮しなくてはなりません。
公的機関はその構造上、大きく3種類に分別されるからです。
①自然的独占企業(電力、ガスなど)
②公的機関(学校、病院など)
③行政組織(司法、立法など)
今一度、「われわれの組織は何なのか」を問い、予算に依存するだけの存在から脱却すること。公的機関に必要なのは初心を思い出すことです。
◆◆◆
多元社会において、公的機関の存在は欠かせません。
しかし、企業に比べて公的機関は予算に依存する性質上、成果をあげにくい構造になっています。だから、公的機関が不振な理由を理解し、どうすれば成果を出すことができるのかを理解する。そしてそれを実行することが必要です。
「本来の目的を思い出してもらうこと」
それが何よりも重要なのです。
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