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MB『もっと幸せに働こう』について考える
noteを毎日更新し始めて185日経ちました。毎日続けている理由はいくつかありますが、特にMBさんのある1冊の本に強く影響を受けています。
MBさんはメンズファッションをロジックで解説した第一人者です。これまでに20冊以上の著書を出版、月額500円の有料メルマガには1万2千人ほどの読者がおり、月額5千円のオンラインサロンには800人ほどの会員が在籍しています。年商は億を超えています。
私が強く影響を受けた1冊が今回紹介する『もっと幸せに働こう』です。
どんな自己啓発書もビジネス本も、ほぼ例外なく著者や監修者のプロフィールを見れば、輝かしい職歴や学籍が記載されています。(中略)しかし、本書は違います。学歴も職歴も何もない「持たざる者」がいかに成長し、発展していったのかを記したものです。(本書「はじめに」より抜粋)
MBさんには特別な才能も学歴も何もありませんでした。地方大学の経済学部出身、地元のアパレル企業のショップスタッフに出身、資格は普通自動車免許のみ。しかし、現在では年商億を超える会社を経営しています。
私のような一介のサラリーマンがこういう人から学ぶべきだと個人的に思います
何もない人がどうして年商億を稼ぐほど成功したのでしょうか。
どのようなメソッドを用いたのでしょうか。
どのような思考法を得て、幸せを獲得したのでしょうか。
本書から特に心に響いたポイントを10個!
私の経験たっぷりに紹介させていただければと思います。
◆◆◆
①人間は基本怠け者であり、消極的である
社会人2年目になった私は少しずつ仕事にも会社の人間関係にも慣れてきました。
でも、その頃から急に毎日をなんとなくつまらなく感じていました。平日は朝から夜まで仕事に明け暮れ、家に帰って少しだけオンラインのサッカーゲームをして、明日に備えて寝る・・・普通のサラリーマン生活。
これでいいのだろうか。
もっと自分の人生を賭してやりたいことはないのだろうか。
考えるまでもなく頭に浮かびました。
もっと世界を旅してみたい
でも、、、
今の仕事を辞めてでもやりたいのか?
安定した生活を捨てていいのか?
そもそもそんなお金をどうするのか?
ただ単純に他人にアピールしたいだけじゃないのか?
人間は基本怠け者であり、消極的である
どんな人間も基本的に怠け者です。
だから変化を恐れます。
今のままでいいや、周りと同じでいいやと思います。
でも、やりたいと思うことなら、実現するための努力をした方がいい。
不思議な話ですが、目的を持って生きる日々は充実します。
今の私の日課は「noteを毎日更新すること」です。
「世界を旅する大人」になるために、自分が学んだことや考えたことをアウトプットして発信する経験が必要だと感じているからです。
理想のために生きることは、日々に満足感を与えてくれます。
②諦めなければ「失敗」は「成功へのフロー」となる
よく聞く言葉ですが、本当にそうだと思います。
私はこれまでに多くの失敗をしてきました。小学生の頃は記憶力が悪く、クラスでただ一人同じ漢字テストを計3回も受けました。中学生の頃は髪が薄いことを馬鹿にされたり、テニス部ではその下手さのために幽霊部員になりました。大学受験の時には毎日3時間睡眠の勢いで勉強した結果、肺炎にかかり受験失敗。まだまだありますね・・・笑
でも、そんな数多くの失敗は今の私を作ってくれたと感じます。
記憶力が悪い私はどうすれば覚えられるのか考え、睡眠によって記憶が定着することに気づきました。髪が薄いから髪の生えるサイクルについて勉強して増毛に効果のある薬を服用し始めました。中学時代にテニス部で失敗していた私は高校ではハンドボール部を選んで苦手なスポーツに再度挑戦しました。大学受験での失敗からガムシャラな努力では成功しないことと成功には努力の積み重ねが必要なことを学びました。
諦めなければ「失敗」は「成功へのフロー」となる
厳密に言えば失敗なんて存在しないと思います。そして、失敗と思わなければどんなことでも積極果敢にチャレンジできるものです。
どんな力のある経営者でも例外なく失敗しています。MBさんも今の成功までには数多くの失敗をしてきました。ユニクロも農業の失敗や低価格路線での失敗があります。無印良品も一時期は販売不振に陥りました。
何も持たない私のような人間が失敗しないはずがないのです。
むしろ失敗しないままの人生の方が怖いくらいです。
何も持たないからこそ失敗を恐れずに挑戦できるものです。
③全てのコンテンツメーカーよ、同じものをひたすら繰り返せ
私はMBさんの書籍をほぼ全て読んでいますが、正直なところ主張していることはいつも同じです。ただ動画や文章や漫画などなど表現方法が異なるだけです。でもこれでいいんです。
「何か新しいことを提案しないと顧客に飽きられてしまう」
「新しいことを書かないと顧客が離れてしまう」
それは作り手のエゴです。
作り手が信じ、顧客を満足させられる何かがあれば、それを何度も何度も発信し続けることが重要です。
ユニクロは毎年ヒートテックを生産しています。バーバリーはいつもチェックのトレンチコートを生産しています。ドラえもんはいつものび太を助けます。さんまさんはいつもベタなオチを好みます。紳助さんのトークはいつも一定のリズム感があります。
全てのコンテンツメーカーよ、同じものをひたすら繰り返せ
もし自分がコンテンツを生み出す側になり、多くの大衆に受け入れられる唯一のものを見つけたなら、特別なことをしなくていい。同じことを何度も繰り返し発信し続けるだけでいいんですね。
④強い目標や欲求を持っている人に目標は必要ない
私は海外旅行が好きで2ヶ月に1回ぐらいのペースで行くのですが、それを自分にルールとして課しているわけではありません。ただ行きたいという強い欲求があるからわざわざルールとする必要がないんです。
でも、仕事には目標があります。
年間あたりの売上、月ごとの売上、日々の行動目標などですね。
一方でMBさんは仕事に目標を持っていないと言います。目標を持たないことが素晴らしいと言っているわけではもちろんありません。ただ目標を持たなくても良いと言います。なぜなら、現在のMBさんの仕事は、好きな洋服についてとことん追求して、そこから得た知識を提供することです。
好きなことだからわざわざ目標で縛り付ける必要はないんです。
ゲームが好きな人が「今週までにRPGを全クリする」とか、漫画好きな人が「明日までにこの漫画を全て読み切る」なんて目標設定しないですよね。
強い目標や欲求を持っている人に目標は必要ない
現状の私にはまだまだ目標が必要ですし、会社勤めしている人も嫌が応にも目標は付きまとってくると思います。
だから、私のような会社勤めのサラリーマンが目指すべきは「目標を持たずに生きられる仕事」だと思います。好きなことを仕事にする、好きなことだから目標がなくても勝手に頑張る、気付いた時には顧客の欲求を満たして、利益が出ている、なんて状態ですかね。
⑤水は低きに流れ、人は易きに流れる
なぜ目標を立てる必要はあるのでしょうか。
「目標」とは、嫌なことでも面倒なことでも達成できるように自分を律するためのものです。私が初めてちゃんと目標を立てたのは大学受験です。勉強は面倒でしたが、目標とする大学に行くためには毎日勉強することが必要だったんです。
そもそも人は楽な方へ楽な方へと進んでいく生き物です。誰だってしんどい思いをしたくなんかありません。だから目標が必要なんです。
水は低きに流れ、人は易きに流れる
今の私の目標はドラッカーの『マネジメント』に時間をかけて向き合うことです。そのために手段としてnoteでドラッカーに関することを発信しています。
⑥物事を達成しやすくする秘訣は「未来の記憶」
MBさんはあるとき、未来から物事を考えてみたと言います。
現状を忘れ、条件や環境を忘れ、何もかも取り払って「自分の理想」だけを思考実験的に考えてみました。すると出た答えは「大好きな洋服の仕事をしながら、家族を幸せにしたい」というもの。
現状できるできないは一旦無視する。理想である「洋服の仕事をしながら年収1000万を実現する方法」を考えたと言います。
設定した未来から現実を組み立てることで、今すべきことが見えてくる。
私も同じようにやってみました。
出た答えは、「世界を自由に旅しながら生活する」です。
そのためにはまだまだ知識や経験が不足しています。今、ドラッカーの『マネジメント』に向き合っているのは、自分に不足しているビジネススキルを学ぶためです。
物事を達成しやすくする秘訣は「未来の記憶」
ただがむしゃらに知識を吸収しているわけではない。日々の行いは自分の理想のために欠けているピースを埋めている作業なんです。そう思えば頑張れるものです。
⑦「客数重視型」でいくか「客単価重視型」でいくか、それが問題だ
売上は客数×客単価で決まります。
これはどんなビジネスでも共通します。
また、言い換えれば全てのビジネスは、大雑把ではあるが「客数」を重視するのか、「客単価」を重視するか、で区分できます。
ファッションの世界で言えば以下のイメージです。
・客数重視型:多くの人から少しずつ利益を集めること。
(ユニクロ、GU、無印良品…etc)
・客単価重視型:少ない人から多くの利益を集めること。
(グッチ、ルイヴィトン、マルジェラ…etc)
「客数」か「客単価」か、どちらを狙うかによって戦略は大きく異なります。公式サイトのデザインから店頭でのアピールの仕方から全然違います。
試しにトヨタの車種「プリウス」と「レクサス」の公式サイトを比べてみてください。まるで表現方法が異なります。
何かビジネスを始めようと思うなら、「客数」か「客単価」かどちらを重視するのか予め決めておいた方が良いかもしれません。
⑧強い感情を生み出せば生み出すほど、ビジネス的には対価を得られる
根本的な構造としてビジネスは「どれだけの人々にどれだけ幸せな感情を与えたか」で対価が決定されます。
洋服は布と糸にお金を払っているのではなく、「着用した時の感情」にお金を払っています。車はエンジンと車体にお金を払っているのでなく「運転している時の感情」にお金を払っています。
だから、強い感情を与えれば与えるほど対価を得られる仕組みになっています。
MBさんは当初、資金力も大手企業との繋がりもありませんでした。
「集客」には大抵お金が必要でしたから、集客も望めません。
その現状を受け入れた上で、個人がどう事業を構築すべきか…。
「客単価」という答えしかありませんでした。
「客単価」はどのように上げられるのか。
答えは「強い感情を与えること」でした。
実際、MBさんが提供する情報は強い感情を与える仕組みになっています。
私のような普通の人が何かビジネスを始めるなら、大企業と同じ土俵である「集客」で戦っても勝ち目がありません。だから「客単価」を目指すべきです。そして(繰り返しになりますが)「客単価」をあげるためには「強い感情」を与える工夫が必要なのです。
⑨価値のない10万人より、価値のある100人
ビジネスでも趣味でも「何らかの目的」があって始めるからには「人を集める理由」が存在するはずです。その上位目標を無視して、手段である「人を集める」ことに終始しても意味がない
私はnoteを始めたばかりの頃、どうすればより多くの人に見てもらえるのだろうかと考えてふと「noteのフォロワーを集める方法」を調べたことがあります。
多くの人にいいねをする、自ら積極的に多くの人をフォローする。
影響を受けやすい私は早速実践してみましたが、ふと思ったのです。
「こんなことをしていて何の意味があるのだろうか…」
不特定多数の読者を集めても何の意味もありません。
集客はあくまで手段です。何か目的があって人を集めるのです。
人集めのためにnoteを書くのであれば、もっと大衆受けすることを書けばいい。でもそうしないのは、自分の書きたい内容がそうではなく、仮にそんな内容で集まった読者に喜んでもらう記事を書き続けることができないからです。
余談ですが、集客が目的になっているのは個人だけでなく法人も同様です。
例えば、就活人気ランキング上位になるために就活生に積極的アピールしている企業。本来は会社に適した人材を少数集めることが目的なはずです。そうであれば、多くの人を集めて多くの面談時間をかけるよりも、ごく少数の優秀な人数だけを集めるような工夫をすべきです。
MBさんの言葉を借りて重要なポイントを2つ。
・目的なき行動は意味をなさない
・価値のない10万人より、価値のある100人
⑩ビジネス・顧客にとって何より大切なのは「顧客の定義」である
「企業の目的は顧客を創造すること」です。
だからこそ、顧客が誰なのかを知らなければいけません。
自分が相手にしている人は誰なのか?
どこに住んでいるのか?
どんな思考を持っているのか?
どんな環境にある人間なのか?
人生も恋愛もファッションも全て「相手」がいて成立するものです。相手が誰かわからないのに恋愛を始める人がいるでしょうか?
「誰」を定義しないまま「女子にモテたい」なんて言う男性は、たいがいいつまでたっても彼女はできないし、結婚もできません。自分が相手にすべき人はどんな人なのか、それを定義するから、その人がいる場所に行き、その人が好むアプローチをおこない、その人が喜ぶデートに連れていけるわけでしょう。相手も定まらないまま希望や願望だけを想像しても、それは夢のままで終わるでしょう。
ビジネスも同じです。誰が相手なのかを定義しなければ、仕事などできるわけもありません。
なぜなら物事には「誰もが喜ぶ絶対的価値」など存在しないのだから。
どんな商品でもどんなサービスでも「ある側面では喜ばれるけど、またある側面では嫌われる」のだから。
ビジネスは喜ばれることを目的に展開しなくてはいけません。
でも、「誰もが喜ぶ絶対的価値」はありません。
だからこそ、「誰」が相手かを決めないといけないんです。
トヨタの「プリウス」の顧客と「レクサス」の顧客は全く異なります。それぞれの顧客が求めているものが異なるからです。前者は快適な車を、後者はステータスとしての車を求めています。
顧客が何を求めているのかを考え抜くことこそ、ビジネスの最初の第1歩です。
◆◆◆
私は紙の本を2冊しか持っていません。
1冊目はドラッカー先生の『マネジメント』。
そしてもう1冊がMBさんの『もっと幸せに働こう』です。
私が本書を紙で持つ理由は、、タイトルにもなっている通り「何も持たない人」が幸せに働くための方法を論理立ててわかりやすく紹介していることはもちろんですが、読んでいて「ついつい自分も動きたくなる」「何か始めたくなる」気持ちにさせる力があるからです。
「働く=辛い、しんどい」という固定観念に疑問を投げかけている本書は、何も持たない普通の人こそ読んで欲しい1冊です。
そして一度読んで終わりではなく、何度も何度もボロボロになるくらい読み込んでもいいかもしれません。
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