シンドラーのリストからユダヤ人について考える
先日、スティーブン・スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」を初めて観ました。映画は、第2時世界大戦中のポーランド国内でドイツ軍によって排斥されていくユダヤ人の生活を描いています。この映画の人々の表情や行動はあまりにも生々しく、それが脳裏に焼き付いてしまいます。
この映画をきっかけにユダヤ人について調べていると、「ユダヤ人の人口推移」という統計を見つけました。1900年から2010年にかけてのリストです。このリストを見て気づいたことを記していこうと思います。
・1900年から1939年にかけて、旧ソ連のユダヤ人人口が減少する。
この原因はポグロムと呼ばれるユダヤ人に対する集団的迫害行為によるものです。極貧になった旧ソ連の住民がユダヤ人に対して差別、破壊、殺戮、強奪を行いました。1900年以前にもポグロムは日常的に発生しており、1884年にアレクサンドル3世が公布した法令では、「ユダヤ人の3分の1は国外追放、3分の1はキリスト教に改宗、残りのユダヤ人に死を」という過酷なものだったそうです。
・1900年から1939年にかけて、北米のユダヤ人人口が増加する。
東欧でのユダヤ人迫害の影響によって、1881年から1920年までの40年間に200万人のユダヤ人がアメリカに入国しました。これらの移民は70%はロシアから、25%はオーストリア・ハンガリーとルーマニアからそれぞれ移住してきました。
・1939年から1948年にかけて、東欧のユダヤ人が激減する。
ドイツ人によるユダヤ人ホロコーストの結果、600万人ものユダヤ人が殺されたと言います。ゲットーと呼ばれるユダヤ人居住区にユダヤ人が押し込められ、いずれそのゲットーも取り壊され、ユダヤ人は皆強制収容所に収監されます。
・1948年から2010年にかけて、イスラエルのユダヤ人が激増する。
ユダヤ人のホロコーストが世間一般に知られるようになったのは、戦争終結後だそうです。そこに同情する世界中に人々がユダヤ人に聖地イスラエルに居住させようという風潮が広がりました。結果イスラエルに住むユダヤ人は増加していくのです。ただしこれが現在にも続くイスラエルとパレスチナの抗争につながるのです。
ユダヤ人は職人気質な人間が多く、裕福な人物が多かった。貧乏人と金持ちは常に対峙するのは歴史の常で、ロシア人やドイツ人はユダヤ人に対して憎悪を募らせていった。それを政府が後押しすることでユダヤ人排斥が過激になっていったのだろう。
もし私がこんな時代に生まれていたら、ユダヤ人排斥にNOと言えるだろうか・・・と考えてしまいます。
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