だけど、良い日。(前編)
雨だ。ジーパンが履けない。
雨の日のジーパンはとても気持ち悪い。湿気を物質化させて身にまとっている感じ。
せっかく涼しくなってきたのにな。
少し電車乗るのを躊躇うようになった。理由は言いたくないが、いわゆるトラウマ的な。
なので最近は車で大学まで通っている。1人無心で運転する時間が性に合いすぎている。本当に気持ちが良い。
その日、諸事情があり近所のパーキングに車を置いていた。駐車場料金は4,000円だった。かなり痛い。でも自分のせい。財布からお札を取り出し、千円札を入れていく。
千円札が1枚足りなかった。一万円も使用できない。クレジットカードを使おう。すぐに返金のレバーを下げ。二千円しか出てこない。え!!!!なんで!!こわいこわいこわい。
どうやら返金上限額があるらしい。なんてこったい。千円を取り返すにはコールセンターに電話しなければならない。なんてこったい。
もう考えるのをやめた。とりあえずクレジットカードで支払いを済ませ、中央大学へ出発した。ずっと下道を走っていく。
ドライブのお供はオードリーのオールナイトニッポンである。いつもは電車で笑いを堪えながら聴いているが、車内では心置きなく笑える。幸せ。
若林さんの「こんばんは」に「こんばんは」を返す。
渋滞に次ぐ渋滞。今日はあれだな、俗に言うダメ日だ。覚悟を決めよう。
授業もきちんと受けて、あまり目立ったことはぜずに大学を去ろう。
最寄りやすいパーキングが履いているはずもなく、少し遠いパーキングに駐車し、大学まで歩く。
そういえば寒すぎる。秋はどこへ行ったんだ、秋は!!せっかく秋コーデしてきたのに。
今日は100分授業が3コマある。3コマ目はしっかり板書をしたい授業だが、1、2コマ目はそこまで集中しなくても大丈夫。帰ってからノートさえまとめておけば。
ダメ日だけど、そんな日だからか、あえていつもと違うことがしたくなってしまった。
そうだ。パルプ・フィクションを鑑賞しよう!!!私は行動が早い。学校のWI-fiに繋げ、パルプ・フィクションをダウンロードする。中央大学Wi-fi側もびっくりだろう。まさかタランティーノ作品をダウンロードするWi-fi人生があるとは思わなかっただろう。
この映画、最初は正直よくわからない。
しかし、体が、血が、先にこの雰囲気の虜になっているのだ。何か知見を得るわけでもなければ、思想を感じるわけでもない。
でも見終わった時に、絶対に最高だと言える。
途切れ途切れのパルプ・フィクションとともに、私は最初の2コマをやり過ごした。すこし友達とのやりとりの際の自分にアメリカンテイストを感じる。
影響を受けやすい人間だ。
3コマ目は真面目に受けたが、ずっとお腹が痛かった。胃もたれだ。食堂ででっかい唐揚げを食べたからだろう。最近、油モノがだめだ。唐揚げは母の唐揚げしか食べれないのかもしれない。
さて、授業が終わった。
ダメ日にしては上手くやっている。割と心は重く無い。なんならパルプ・フィクションの主人公ヴィンセントになり切っている、くらいの感じ。車のハンドル捌きも様になっているような気すらしてくる。
しかしまだ、今日のイベントは終わっていない。と言うより、これからなのだ。
私は今から、昨日失恋した親友ともんじゃを食べに行く。
パルプ・フィクション、今日じゃ無かったかなぁ、、。何も考えず再生していた。あと20分ほど残っている。
友人とご飯を食べた後、私にその20分を観きる体力はあるのかな。一度で見れないとしても、映画は1日以内には見切りたい、というこだわりがある。
集合場所へ、どんな顔をして親友と会えば良いか想像しなら車を走らせる。
コーシ しそとツナ缶。
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