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水泳とメディシンボールは深く関係する

日常のトレーニングでよくメディシンボールを使用する姿を見かけませんか?
なぜ水泳選手はメディシンボールを使ってトレーニングをするのかを理解しておくだけで、その効果はより向上すると思われます。

メディシンボールのトレーニング➀
メディシンボールのトレーニング②

知らない方はぜひ最後までご覧ください!



➀水泳×メディシンボール:なぜトップスイマーが注目するのか?

一見すると「水」と「ボール」という異なる要素が結びつかないように感じますが、その背景には科学的な理由があります。

結論から言うと、
メディシンボールは水泳動作に近い形でパワーを評価・向上させるための有効な練習方法なのです。

➁速く泳ぐために必要な“2つのこと”とは?

スイマーが速く泳ぐためには、次の2つのことが重要になります。

  1. 抵抗する力を少なくする(抵抗の軽減)
    水中での摩擦や抵抗を最小限にすることで、効率的に進むことが可能です。

  2. 推進する力を高める(推進力の増加)
    前方へ進むための力を、いかに大きく、そして効率的に生み出せるかが勝負の分かれ目です。

そして、この「推進力」を生み出すためには、
“力”と“スピード”を掛け合わせたパワーが鍵となります。

メディシンボールは陸上でこの「パワー」を効率よく鍛えるための優れたトレーニングツールなので、皆さんが取り入れているということなのです。

③エビデンスに基づくメディシンボールの活用

ここからは論文を引用してメディシンボールの活用方法やどの泳ぎのパワーを向上させるかを紹介します。

スプリント水泳パフォーマンスと筋力・パワーテストの関係性は?

Journal of Human Sport and Exercise online (2010)
https://www.redalyc.org/pdf/3010/301023512012.pd

研究により、クロールの25m・50mのレースタイムは、1kgと3kg
メディシンボール投げのどちらの成績とも良好な関係性がある
ことがわかっています。
※ただし座って背中は壁につき前方へチェスト投げをする投げ方

また補足として、この研究はクロールの25m・50mのレースタイムと以下の体力テストの関連も調査しています。

  • 6RMレッグエクステンション

  • 6RM ベンチプレス

  • 垂直跳びジャンプ

その中で1kgと3kgのメディシンボール投げがクロールの25m・50mと最も関連性が高いことが分かっています。

6RMレッグエクステンション、6RM ベンチプレスもクロールの25m・50mと関連はあります。

メディシンボールはどのスプリント泳と相性が良いのか?

メディシンボールダウンスローのリリース速度と上肢スプリント泳パフォーマンスの関係https://www.juntendo.ac.jp/assets/2021-M-1202a.pdf


研究により、メディシンボールを使った「ダウンスロー」(両手でメディシンボールを頭上から下方へ全力で投げる動作)が、バタフライやクロールの上肢推進動作と関連していることが示されています。

研究で使用したメディシンボールは3kg、4kg、5kgで

  • クロール

  • バタフライ

  • 背泳ぎ

が上肢動作のみの15m泳や牽引のパワー評価(錘をひっぱる)と関連するか調査しています。

結果として、クロール、バタフライ、背泳ぎのタイムと4kgボールのダウンスローには正の相関が見られました(タイムが良い選手ほど高いパワーを発揮)。

また面白い結果としてはその中でも
バタフライが一番メディシンボール投げと関連が強いことが分かっています。

ダウンスローは、クロールやバタフライの水中ストロークにおける牽引力と類似した動作です。
つまり、バタフライを得意とするスイマーの特異的なパワー評価として有効です!

泳ぎの動作に近い筋パワー評価にも使える!?

クロール泳のパフォーマンスと筋力テストの関係性
https://tokorozawa.w.waseda.jp/kg/doc/50_ronbun/2010/5009A041.pdf

4Kgメディシンボールを足もとへ全力で放り投げるだけで筋パワーを評価できます!
以下のテストを実施してみてください。

  1. メディシンボール投げを軽い負荷で練習する(数回)

  2. 試技は3回(最大値を記録)

  3. 各試技間は60秒以上の休息

  4. 記録は踵からメディシンボールが地面に接地した箇所とする

クロールの全力泳とテストの結果は相関します。
論文には50mクロールのタイムとメディシンボール投げの飛距離も載っています。POTがメディシンボール投げテストになります。

例えば男性で50mクロールを25秒台で泳ぐ選手は、4㎏メディシンボールを4.5~5.4m飛ばしています。
ご参考にしてみてください!

まとめ

メディシンボールを使ったトレーニングは、単なる筋力強化ではなく、スイマーの特異的な動作に基づいたパワー向上と評価が可能です。

特にバタフライとクロールのスプリント力を高め、さらなる記録更新を目指す選手にとって、メディシンボールは欠かせないツールとなるでしょう。

陸上でのトレーニングが水中の未来を変える!

さあ、あなたもメディシンボールを取り入れたトレーニングを試してみませんか?


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