05_体表からみる人体の構造【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【体表からみる人体の構造】
矢状軸と矢状面
矢状軸: 体の上下を通る想像上の線で、縦軸と横軸に直角に交わります。
矢状面: 体を左右に分ける面で、矢状軸と縦軸で形成されます。
外転と内転: 肢体が体の中心線から遠ざかる運動を外転、近づく運動を内転と呼びます。
2. 体表と骨格
デルマトーム
デルマトーム: 各脊髄神経が皮膚の特定の領域を支配することを示し、皮膚の感覚分布をマッピングします。
デルマトームの高さの目安
• C6: 上腕の外側、親指側
• C7: 中指
• C8: 小指、前腕の内側
• T4: 乳頭の高さ
• T6: 剣状突起(胸骨下端)
• T10: 臍(へそ)の高さ
• L1: 鼠径部(股の付け根)
• S4, S5: 肛門周囲
ヤコビー線
ヤコビー線: 腰部のランドマークで、第4腰椎棘突起あるいは第4〜5腰椎間を通る線です。
後頸三角
後頸三角: 頸部の解剖学的な領域で、胸鎖乳突筋、僧帽筋、鎖骨に囲まれています。
頸椎
環椎: 頸椎の第1番目に位置する骨で、環椎は、頭蓋骨と脊椎をつなぐ役割を果たしており、頭部の前後の動き(うなずく動作)を可能にします。
軸椎: 頸椎の第2番目に位置する骨で、軸椎は、頭部と頸部の回旋(左右への回転)を可能にする重要な構造を持っています。
隆椎: 第7頸椎の棘突起で、これが最も突出しているために簡単に触診できます。
大泉門
大泉門: 新生児の頭蓋骨の結合組織部分で、成長に伴い閉じます。
3. 体表から触れやすい動脈
体表動脈
体表から触れやすい動脈には、浅側頭動脈、顔面動脈、総頸動脈、腋窩動脈、上腕動脈、橈骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈があります。
4. 体の区分と機能
前腹部の区分法
4分画法: 上部右、上部左、下部右、下部左に区分されます。
9分画法: 右季肋部、中季肋部、左季肋部、右鼠径部、中央部、左鼠径部など、より詳細に分けられます。
肘正中皮静脈
肘正中皮静脈: 静脈穿刺に一般的に使用される表層静脈です。
甲状軟骨
甲状軟骨: 喉頭の大部分を形成し、発声に関与します。
5. 体腔と臓器
大きな体腔
頭蓋腔と脊柱管: 脳と脊髄を保護します。
胸腔: 心臓、肺、大血管を含みます。
腹腔: 多くの消化器官と腹部臓器を含みます。
後腹膜腔の臓器
後腹膜腔: 膵臓、腎臓、尿管、大血管、十二指腸、副腎です。
骨盤腔の臓器
男性: 膀胱、前立腺、精嚢、直脸を含みます。
女性: 膀胱、子宮、卵巣、直脸が含まれます。
問題
矢状軸は縦軸と横軸にそれぞれ__________に交わる。
矢状面は縦軸と矢状軸とで作られる__________である。
皮膚感覚帯は神経の支配領域を体表の皮膚に示したもので、__________という。
ヤコビー線は両腸骨稜を結ぶ線で、第4腰椎棘突起あるいは第4〜5腰椎間を通る__________の線。
前頭面上を正中矢状面から遠ざける運動を__________、近づける運動を内転という。
後頸三角を作っているのは、胸鎖乳突筋、僧帽筋、__________である。
前腹部は、__________と9分画法の2つの区分法がしばしば用いられる。
表層にある肘正中皮静脈は__________によく用いられる。
甲状軟骨は、喉頭を形成する軟骨の1つで「のど仏」あるいは「________________」といわれる。
隆椎とは第7頸椎(__________)である。
大泉門は、頭蓋冠の一部が結合組織のまま残ってる部分で__________、乳幼児に認められる。
体表から触れやすい動脈には、__________、顔面動脈、総頸動脈、腋窩動脈、上腕動脈、橈骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈がある。
口腔は食物の__________、嚥下の機能をもつ。
人体の大きな3つの体腔は、__________とそれに続く脊柱管、胸腔、腹腔である。
後腹膜腔に入っている臓器や器官は、__________、腎臓、尿管、大血管、十二指腸、副腎である。
男性の骨盤腔に入っているのは、膀胱、__________、精嚢、直腸である。
女性の骨盤腔に入っているのは、膀胱、__________、卵巣、直腸である。
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解答
矢状軸は縦軸と横軸にそれぞれ直角に交わる。
矢状面は縦軸と矢状軸とで作られる平面である。
皮膚感覚帯は神経の支配領域を体表の皮膚に示したもので、デルマトームという。
ヤコビー線は両腸骨稜を結ぶ線で、第4腰椎棘突起あるいは第4〜5腰椎間を通る横の線。
前頭面上を正中矢状面から遠ざける運動を外転、近づける運動を内転という。
後頸三角を作っているのは、胸鎖乳突筋、僧帽筋、鎖骨である。
前腹部は、4分画法と9分画法の2つの区分法がしばしば用いられる。
表層にある肘正中皮静脈は静脈内注射によく用いられる。
甲状軟骨は、喉頭を形成する軟骨の1つで「のど仏」あるいは「アダムのリンゴ」といわれる。
隆椎とは第7頸椎(棘突起)である。
大泉門は、頭蓋冠の一部が結合組織のまま残ってる部分で新生児、乳幼児に認められる。
体表から触れやすい動脈には、浅側頭動脈、顔面動脈、総頸動脈、腋窩動脈、上腕動脈、橈骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈、後脛骨動脈、足背動脈がある。
口腔は食物の咀嚼、嚥下の機能をもつ。
人体の大きな3つの体腔は、頭蓋腔とそれに続く脊柱管、胸腔、腹腔である。
後腹膜腔に入っている臓器や器官は、膵臓、腎臓、尿管、大血管、十二指腸、副腎である。
男性の骨盤腔に入っているのは、膀胱、前立腺、精嚢、直腸である。
女性の骨盤腔に入っているのは、膀胱、子宮、卵巣、直腸である。
練習問題
問題 1
矢状軸はどの軸に直角に交わるか?
A) 縦軸のみ
B) 横軸のみ
C) 縦軸と横軸
D) 斜軸
E) 骨軸
答え: C) 縦軸と横軸
問題 2
矢状面はどの2つの軸で作られる平面か?
A) 縦軸と横軸
B) 縦軸と矢状軸
C) 横軸と斜軸
D) 縦軸と前後軸
E) 縦軸と肩軸
答え: B) 縦軸と矢状軸
問題 3
神経の支配領域を体表に示した皮膚感覚帯のことを何と呼ぶか?
A) デルマトーム
B) セグメント
C) ミオトーム
D) リンパ節
E) 神経帯
答え: A) デルマトーム
問題 4
ヤコビー線はどの部分を結ぶ線か?
A) 両肩甲骨
B) 両腸骨稜
C) 頸椎と腰椎
D) 胸骨と肋骨
E) 腰椎と肋骨
答え: B) 両腸骨稜
問題 5
前頭面上で正中矢状面から遠ざける運動を何と呼ぶか?
A) 内転
B) 外転
C) 伸展
D) 屈曲
E) 回旋
答え: B) 外転
問題 6
後頸三角を作る筋肉に含まれないものはどれか?
A) 胸鎖乳突筋
B) 僧帽筋
C) 舌骨筋
D) 大胸筋
E) いずれも含まれる
答え: D) 大胸筋
問題 7
前腹部の区分法に含まれないものはどれか?
A) 4分画法
B) 9分画法
C) 6分画法
D) いずれも含まれる
答え: C) 6分画法
問題 8
静脈路確保の成功率が高く、アドレナリンの静脈内投与にしばしば用いられる表層の静脈はどれか?
A) 肘正中皮静脈
B) 橈骨動脈
C) 大腿動脈
D) 足背静脈
E) 総頸動脈
答え: A) 肘正中皮静脈
問題 9
喉頭を形成する軟骨で「のど仏」とも呼ばれるものはどれか?
A) 甲状軟骨
B) 舌骨
C) 輪状軟骨
D) 喉頭蓋軟骨
E) 気管軟骨
答え: A) 甲状軟骨
問題 10
隆椎とはどの椎骨を指すか?
A) 第5頸椎
B) 第6胸椎
C) 第7頸椎
D) 第2腰椎
E) 第12胸椎
答え: C) 第7頸椎
問題 11
新生児や乳幼児に見られる頭蓋冠の結合組織部分を何というか?
A) 小泉門
B) 大泉門
C) 側頭門
D) 冠状縫合
E) 前頭縫合
答え: B) 大泉門
問題 12
体表から触れやすい動脈に含まれないものはどれか?
A) 浅側頭動脈
B) 総頸動脈
C) 腋窩動脈
D) 肝動脈
E) 橈骨動脈
答え: D) 肝動脈
問題 13
口腔の機能に含まれないものはどれか?
A) 咀嚼
B) 嚥下
C) 味覚
D) 呼吸
E) 唾液分泌
答え: D) 呼吸
問題 14
人体の体腔のうち最も小さいのはどれか?
A) 頭蓋腔
B) 胸腔
C) 骨盤腔
D) 腹腔
E) いずれも含まれる
答え: A) 頭蓋腔
問題 15
後腹膜腔に入っていない臓器はどれか?
A) 膵臓
B) 十二指腸
C) 副腎
D) 大動脈
E) 肝臓
答え: E) 肝臓
問題 16
男性の骨盤腔に含まれない器官はどれか?
A) 膀胱
B) 前立腺
C) 精嚢
D) 子宮
E) 直腸
答え: D) 子宮
問題 17
女性の骨盤腔に含まれるものはどれか?
A) 尿道
B) 精巣
C) 卵巣
D) 精管
E) 精嚢
答え: C) 卵巣
問題 18
頭蓋腔に続く部分はどれか?
A) 胸腔
B) 脊柱管
C) 後腹膜腔
D) 骨盤腔
E) 大腿動脈
答え: B) 脊柱管
問題 19
頸椎の触れやすい部分を指すのはどれか?
A) 第5胸椎
B) 第7頸椎
C) 第2腰椎
D) 仙骨
E) 尾骨
答え: B) 第7頸椎
問題 20
胸腔に含まれないものはどれか?
A) 肺
B) 心臓
C) 食道
D) 腎臓
E) 横隔膜
答え: D) 腎臓
参考文献:救急救命士標準テキスト
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講義の復習
授業で強調された内容をメモし、理解できなかった部分は講師に質問!参考書や資料を活用して理解を深めましょう。問題を解く
問題を解くことで理論を実践に結びつけ、時間制限を設けることで試験本番への準備が整います。特に間違えた問題を重点的に復習することが重要です。解答と選択肢を見直す
間違えた問題を振り返り、なぜ間違えたのかを理解して次に活かしましょう。微妙な選択肢の違いにも注目し、落とし穴に気づく力をつけていきます。
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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト
05_体表からみる人体の構造
①音声解説
②聞き流し1問1答
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