13_生命の維持・疾患【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【生命の維持・疾患】
1. 栄養素とエネルギー
栄養素の分類: 糖質、脂質、蛋白質、ビタミン、ミネラルの5種類。
三大栄養素: 糖質、脂質、蛋白質。
エネルギー量:
糖質 1gあたり 4kcal
脂質 1gあたり 9kcal
蛋白質 1gあたり 4kcal
必須アミノ酸: 体内で合成できないアミノ酸。
糖質の代謝: ブドウ糖1分子が2分子のピルビン酸になる過程を解糖という。
基礎代謝量:
女性:1,200kcal/日
男性:1,500kcal/日
2. 体液・体温
細胞外液: 主な電解質はナトリウム。pHは血液、肺、腎臓によって調節される。
体温の分類:
高体温:40℃以上
低体温:32℃以下
体温維持の主な熱源: 骨格筋。
3. 疾患の原因と種類
主因: 疾患を引き起こす不可欠な病因。
誘因: 主因の作用を増強する病因。
素因: 疾患の発生に関連する生まれつきの性質。
例: 結核の主因は結核菌感染、誘因は栄養障害、素因は虚弱体質。
内因と外因:
内因: 生体自身にある病因。
外因: 外的環境にある病因。
4. 遺伝性疾患と後天性疾患
遺伝性疾患: 染色体異常、単一遺伝子疾患、多因子遺伝疾患の3つに分類。
例: フェニルケトン尿症は常染色体劣性遺伝病。
後天性疾患: 出生後に病因が作用し発生する疾患。
5. 症状や疾患の経過
急性増悪: 症状や病状が急激に悪化すること。
続発症: 一つの疾患に続いて、別の疾患による症状が発生すること。
心身症: 身体疾患の発症や経過に、心理的・社会的ストレスが関与する疾患群。
6. 代謝の分類
同化: 栄養素が身体の構成成分になること。
異化: 身体の構成成分が分解され、簡単な物質になること。
7. 予防の分類
一次予防: 生活習慣改善や健康増進により生活習慣病などを予防する。
二次予防: 疾病の早期発見・早期治療(例: 健康診断)。
三次予防: 疾病発症後、治療を受け機能障害の回避や再発防止を図る。
問題
栄養素は __________ 、脂質、蛋白質、ビタミン、ミネラルの5種類に分類される。
食品に含まれるほとんどすべての炭水化物は、多糖類や二糖類として存在するが、吸収されるものは __________ 類である。
人の体内で合成することができないアミノ酸を __________ という。
1gあたりのエネルギーは糖質は __________ kcal、脂質は __________ kcal、蛋白質は __________ kcalである。
三大栄養素と呼ばれている物は、糖質、脂質、 __________ である。
糖質の代表であるブドウ糖の場合、1分子が細胞内で分解されて2分子の __________ となる。この過程を __________ という。
成人の1日の基礎代謝量は女性が __________ kcal/日、男性が __________ kcal/日である。
細胞外液のpHは、血液自体が持つ __________ 能力、肺、腎臓により調節される。
細胞外液に含まれる主要な電解質は __________ である。
体温を維持するための熱源は主に __________ である。
人の体温は __________ ℃以上を高体温、 __________ ℃以下を低体温という。
ある疾患を引き起こすのに不可欠な病因を __________ といい、主因の作用を増強する病因を __________ という。
その人が生まれつきもった、疾患の発生に関連する性質を __________ という。
結核の主因は __________ の感染であり、栄養障害が誘因、虚弱な体質が素因ということになる。
病因が生体自身にある場合を __________ といい、外的環境にある場合は __________ という。
子や孫にその素因が受け継がれる可能性のある疾患を __________ という。
遺伝性疾患は主に、 __________ 異常、単一遺伝子疾患、多因子遺伝疾患の3つに大きく分けられる。
新生児集団検診の対象であるフェニルケトン尿症は __________ 性遺伝病であり、両親が保因者である場合は、 __________ の確率で発症する。
出生後に病因が作用し、疾患が発生するものを __________ という。
急に症状や検査値など病状が悪くなることを __________ と呼ぶ。
疾患の経過中には、その疾患に引き続き別の疾患による症状や病態が起こることがある。これを __________ という。
身体疾患の発症や経過に、心理的・社会的ストレスが密接に関与した疾患群を __________ と呼ぶ。
栄養素が身体の構成成分になることを __________ といい、反対に身体の構成成分が分解されて簡単な物質になることを __________ という。
生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病などを予防することを __________ 予防という。
疾病の早期発見・早期治療をいい健康診断などが含まれる予防を __________ 予防という。
疾病が発症した後に、必要な治療を受け、永続的な機能障害の回避と再発防止を図ることを、 __________ 予防という。
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解答
栄養素は糖質、脂質、蛋白質、ビタミン、ミネラルの5種類に分類される。
食品に含まれるほとんどすべての炭水化物は、多糖類や二糖類として存在するが、吸収されるものは単糖類である。
人の体内で合成することができないアミノ酸を必須アミノ酸という。
1gあたりのエネルギーは糖質は4kcal、脂質は9kcal、蛋白質は4kcalである。
三大栄養素と呼ばれている物は、糖質、脂質、蛋白質である。
糖質の代表であるブドウ糖の場合、1分子が細胞内で分解されて2分子のピルビン酸となる。この過程を解糖という。
成人の1日の基礎代謝量は女性が1200kcal/日、男性が1500kcal/日である。
細胞外液のpHは、血液自体が持つ緩衝能力、肺、腎臓により調節される。
細胞外液に含まれる主要な電解質はナトリウムである。
体温を維持するための熱源は主に骨格筋である。
人の体温は40℃以上を高体温、32℃以下を低体温という。
ある疾患を引き起こすのに不可欠な病因を主因といい、主因の作用を増強する病因を誘因という。
その人が生まれつきもった、疾患の発生に関連する性質を素因という。
結核の主因は結核菌の感染であり、栄養障害が誘因、虚弱な体質が素因ということになる。
病因が生体自身にある場合を内因といい、外的環境にある場合は外因という。
子や孫にその素因が受け継がれる可能性のある疾患を遺伝性疾患という。
遺伝性疾患は主に、染色体異常、単一遺伝子疾患、多因子遺伝疾患の3つに大きく分けられる。
新生児集団検診の対象であるフェニルケトン尿症は常染色体劣性性遺伝病であり、両親が保因者である場合は、1/4の確率で発症する。
出生後に病因が作用し、疾患が発生するものを後天性疾患という。
急に症状や検査値など病状が悪くなることを急性増悪と呼ぶ。
疾患の経過中には、その疾患に引き続き別の疾患による症状や病態が起こることがある。これを続発症という。
身体疾患の発症や経過に、心理的・社会的ストレスが密接に関与した疾患群を心身症と呼ぶ。
栄養素が身体の構成成分になることを同化といい、反対に身体の構成成分が分解されて簡単な物質になることを異化という。
生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病などを予防することを一次予防という。
疾病の早期発見・早期治療をいい健康診断などが含まれる予防を二次予防という。
疾病が発症した後に、必要な治療を受け、永続的な機能障害の回避と再発防止を図ることを、三次予防という。
練習問題
問題 1
栄養素に含まれないものはどれか?
A) 糖質
B) 脂質
C) ビタミン
D) 水
E) ミネラル
答え: D) 水
問題 2
吸収される炭水化物の形態はどれか?
A) 多糖類
B) 二糖類
C) 単糖類
D) ペプチド
E) アミノ酸
答え: C) 単糖類
問題 3
体内で合成できないアミノ酸を何というか?
A) 非必須アミノ酸
B) 必須アミノ酸
C) 分岐鎖アミノ酸
D) グルタミン酸
E) アスパラギン酸
答え: B) 必須アミノ酸
問題 4
1gあたりの糖質が持つエネルギーはどれか?
A) 2kcal
B) 4kcal
C) 6kcal
D) 8kcal
E) 9kcal
答え: B) 4kcal
問題 5
三大栄養素に含まれないものはどれか?
A) 糖質
B) 脂質
C) タンパク質
D) ビタミン
E) いずれも含まれる
答え: D) ビタミン
問題 6
糖質の代謝で、ブドウ糖が分解されてできるものはどれか?
A) アセチルCoA
B) ピルビン酸
C) クエン酸
D) フマル酸
E) ATP
答え: B) ピルビン酸
問題 7
成人男性の1日の基礎代謝量はおよそどれか?
A) 800kcal
B) 1000kcal
C) 1200kcal
D) 1500kcal
E) 1800kcal
答え: D) 1500kcal
問題 8
細胞外液に含まれる主要な電解質はどれか?
A) カリウム
B) カルシウム
C) ナトリウム
D) マグネシウム
E) 硫酸
答え: C) ナトリウム
問題 9
体温を維持するために最も多くの熱を発生させる器官はどれか?
A) 脳
B) 肝臓
C) 骨格筋
D) 脾臓
E) 腎臓
答え: C) 骨格筋
問題 10
人の体温が40℃以上になった状態を何というか?
A) 低体温
B) 発熱
C) 高体温
D) 低血糖
E) 低血圧
答え: C) 高体温
問題 11
ある疾患を引き起こす病因を何というか?
A) 素因
B) 誘因
C) 内因
D) 主因
E) 外因
答え: D) 主因
問題 12
生まれつき疾患の発生に関連する性質を何というか?
A) 誘因
B) 内因
C) 主因
D) 素因
E) 外因
答え: D) 素因
問題 13
結核の主因となるものはどれか?
A) 栄養障害
B) 寄生虫
C) ウイルス
D) 結核菌
E) 体質
答え: D) 結核菌
問題 14
病因が外的環境にある場合、これを何と呼ぶか?
A) 内因
B) 誘因
C) 外因
D) 素因
E) 主因
答え: C) 外因
問題 15
フェニルケトン尿症は何遺伝病か?
A) 常染色体優性
B) 常染色体劣性
C) 伴性劣性
D) ミトコンドリア
E) 伴性優性
答え: B) 常染色体劣性
問題 16
出生後に発生する疾患を何というか?
A) 遺伝性疾患
B) 先天性疾患
C) 後天性疾患
D) 精神疾患
E) 感染性疾患
答え: C) 後天性疾患
問題 17
急に症状や検査値が悪化することを何というか?
A) 急性炎症
B) 続発症
C) 急性増悪
D) 亢進反応
E) 慢性増悪
答え: C) 急性増悪
問題 18
心理的・社会的ストレスが関与する疾患群を何と呼ぶか?
A) 心身症
B) 精神障害
C) 神経症
D) 心因性疾患
E) 自律神経失調症
答え: A) 心身症
問題 19
栄養素が身体の構成成分になる過程を何というか?
A) 異化
B) 同化
C) 解糖
D) 酸化
E) 代謝
答え: B) 同化
問題 20
生活習慣病の予防に関与する一次予防の例はどれか?
A) 健康診断
B) 運動習慣の改善
C) 早期治療
D) 手術
E) 予防接種
答え: B) 運動習慣の改善
参考文献:救急救命士標準テキスト
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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト
13_生命の維持・疾患
①音声解説
②聞き流し1問1答
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