10_消化系【救急救命士国家試験対策】
国家試験定期試験出題内容のまとめ
【消化系】
1. 消化器系の主要部位と機能
歯と唾液
歯は食物の初期の物理的消化に関与します。生後6ヶ月頃に最初の乳歯が生え始め、2歳で乳歯が20本揃います。
唾液はpHが6.3〜7.0で、アミラーゼとリパーゼを含み、炭水化物と脂肪の消化を開始します。
食道
食道は約25cmの長さで、食物を口から胃へ運ぶ管です。生理的狭窄部位が食道起始部、気管分岐部、食道裂孔部に存在します。
胃
胃液は強酸性でpHは1.2〜2.5、ペプシンと塩酸を含んでおり、タンパク質の消化を助けます。食物は胃内で2〜4時間滞留します。
小腸
栄養素の90%以上が吸収される主要な消化器官です。腸内でビリルビン、膵液、腸液が分泌され、消化と吸収が進行します。
大腸
主に水分と塩類の吸収を行います。未消化の残留物は大腸を通じて体外へ排出されます。
総胆管と膵管
ファーター乳頭で合流し、十二指腸に胆汁と膵液を分泌します。これにより脂肪の消化が助けられます。
2. 胃の機能とホルモン
G細胞: ガストリンを分泌し、胃酸の分泌を促進します。
D細胞: ソマトスタチンを分泌し、ガストリンの作用を抑制し、胃酸の過剰分泌を防ぎます。
3. 肝臓の構造と機能
糖代謝: グリコーゲンの合成・分解と血糖値の調節を行います。
蛋白質代謝: 血液凝固因子やアルブミンなどのタンパク質を合成します。
脂質代謝: 脂肪酸の分解、ケトン体の生成を行います。
解毒作用: 有害物質を無毒化し、排出を促します。
胆汁の生成: 消化に必要な胆汁を生成し、脂肪の消化を助けます。
4. 膵臓の構造と機能
膵臓は消化酵素を分泌する外分泌機能と、血糖調節ホルモンを分泌する内分泌機能を持ちます。
ランゲルハンス島: 内分泌機能を担い、α細胞からはグルカゴン、β細胞からはインスリンが分泌されます。
5. 消化酵素とホルモン
アミラーゼ: 炭水化物を糖類に分解します。
リパーゼ: 脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解します。
グルカゴン: 血糖値を上昇させる作用があります。
インスリン: 血糖値を下げる作用があります。
問題
歯は生後 __________ 頃から生えはじめ、乳児は、 __________ 歳で20本が生え揃う。
唾液のpHは __________ 〜 __________ である。
口側から食道起始部・気管分岐部・ __________ の3ヶ所が食道の生理的狭窄部として知られている。
D細胞は __________ を分泌し、ガストリンと胃酸分泌を抑制する。
G細胞は __________ を分泌し、その刺激により胃液(胃酸・ペプシノゲン・粘液)を分泌する。
食道の長さは約 __________ cmである。
食物の胃内停滞時間は __________ 〜 __________ 時間である。
胃液はpH __________ 〜 __________ の強酸性である。
総胆管と膵管が合流して流入し、 __________ 乳頭と呼ばれている。
小腸では消化された食物の栄養素の __________ %以上が吸収される。
膵液中には __________ とリパーゼの消化酵素が含まれている。
大腸の主な機能は __________ と塩類の吸収である。
心拍出量の約 __________ %が肝臓に流入する。
胆嚢は肝臓から分泌された胆汁を貯蔵・ __________ するひょうたん型の袋である。
肝臓の機能は糖代謝、蛋白質代謝、脂質代謝、ビタミン・ホルモン代謝、解毒、 __________ の生成がある。
肝臓はグリコーゲンの合成、分解、貯蔵を行い、必要に応じて __________ を血中に供給して血糖値を調節している。
肝臓は __________ 、プロトロンビン、フィブリノゲンなどの蛋白質を生成する。
肝臓は脂肪酸の分解、ケトン体の産生、リポイドの __________ や分解を行っている。
肝細胞は胆汁酸を合成し胆汁の生成を行っている。胆汁は1日 __________ mL~ __________ mL生成される。
十二指腸に分泌される胆汁は1日約 __________ mLである。
脂肪が十二指腸を通過する際に __________ 乳頭括約筋が弛緩し、胆嚢が収縮することにより胆汁が十二指腸に分泌される。
門脈に流入する三大枝は、脾静脈、上腸間膜静脈および __________ である。
門脈は肝臓全体の血流の __________ %を占めている。
膵臓は第 __________ 、 __________ 腰椎の高さで後腹膜に密着し固定されている。
膵臓の内分泌機能を担う細胞集合体を __________ という。
膵液は1日に __________ ~ __________ mL分泌される。
ランゲルハンス島のα細胞から __________ が、β細胞からインスリンが分泌され血糖を調整している。
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解答
歯は生後6ヶ月頃から生えはじめ、乳児は、2歳で20本が生え揃う。
唾液のpHは6.3〜7.0である。
口側から食道起始部・気管分岐部・食道裂孔部の3ヶ所が食道の生理的狭窄部として知られている。
D細胞はソマトスタチンを分泌し、ガストリンと胃酸分泌を抑制する。
G細胞はガストリンを分泌し、その刺激により胃液(胃酸・ペプシノゲン・粘液)を分泌する。
食道の長さは約25cmである。
食物の胃内停滞時間は2〜4時間である。
胃液はpH1.2〜2.5の強酸性である。
総胆管と膵管が合流して流入し、ファーター乳頭と呼ばれている。
小腸では消化された食物の栄養素の90%以上が吸収される。
膵液中にはアミラーゼとリパーゼの消化酵素が含まれている。
大腸の主な機能は水分と塩類の吸収である。
心拍出量の約25%が肝臓に流入する。
胆嚢は肝臓から分泌された胆汁を貯蔵・濃縮するひょうたん型の袋である。
肝臓の機能は糖代謝、蛋白質代謝、脂質代謝、ビタミン・ホルモン代謝、解毒、胆汁の生成がある。
肝臓はグリコーゲンの合成、分解、貯蔵を行い、必要に応じてブドウ糖を血中に供給して血糖値を調節している。
肝臓はアルブミン、プロトロンビン、フィブリノゲンなどの蛋白質を生成する。
肝臓は脂肪酸の分解、ケトン体の産生、リポイドの合成や分解を行っている。
肝細胞は胆汁酸を合成し胆汁の生成を行っている。胆汁は1日500mL~1000mL生成される。
十二指腸に分泌される胆汁は1日約500mLである。
脂肪が十二指腸を通過する際にファーター乳頭括約筋が弛緩し、胆嚢が収縮することにより胆汁が十二指腸に分泌される。
門脈に流入する三大枝は、脾静脈、上腸間膜静脈および下腸間膜静脈である。
門脈は肝臓全体の血流の80%を占めている。
膵臓は第1、2腰椎の高さで後腹膜に密着し固定されている。
膵臓の内分泌機能を担う細胞集合体をランゲルハンス島という。
膵液は1日に500~800mL分泌される。
ランゲルハンス島のα細胞からグルカゴンが、β細胞からインスリンが分泌され血糖を調整している。
練習問題
問題 1
歯が生えはじめるのは生後どれくらいですか?
A) 1ヶ月
B) 3ヶ月
C) 6ヶ月
D) 9ヶ月
E) 12ヶ月
答え: C) 6ヶ月
問題 2
乳歯がすべて生え揃うのは通常何歳頃ですか?
A) 1歳
B) 2歳
C) 3歳
D) 4歳
E) 5歳
答え: B) 2歳
問題 3
唾液のpH範囲はどれですか?
A) 5.0〜5.5
B) 5.5〜6.0
C) 6.3〜7.0
D) 7.0〜7.5
E) 7.5〜8.0
答え: C) 6.3〜7.0
問題 4
食道の生理的狭窄部はどれですか?
A) 胃底部
B) 食道裂孔部
C) 幽門部
D) 大腸曲部
E) 十二指腸
答え: B) 食道裂孔部
問題 5
D細胞が分泌するものはどれですか?
A) ガストリン
B) ソマトスタチン
C) セロトニン
D) アドレナリン
E) ドーパミン
答え: B) ソマトスタチン
問題 6
G細胞が分泌するものはどれですか?
A) ソマトスタチン
B) ガストリン
C) セロトニン
D) アドレナリン
E) ノルアドレナリン
答え: B) ガストリン
問題 7
食道の長さはどれくらいですか?
A) 10cm
B) 15cm
C) 20cm
D) 25cm
E) 30cm
答え: D) 25cm
問題 8
食物が胃内に停滞する時間は通常どれくらいですか?
A) 1〜2時間
B) 2〜4時間
C) 4〜6時間
D) 6〜8時間
E) 8〜10時間
答え: B) 2〜4時間
問題 9
胃液のpH範囲はどれですか?
A) 1.2〜2.5
B) 2.5〜3.5
C) 3.5〜4.5
D) 4.5〜5.5
E) 5.5〜6.5
答え: A) 1.2〜2.5
問題 10
総胆管と膵管が合流して流入する部位はどれですか?
A) 小腸
B) ファーター乳頭
C) 胃底部
D) 十二指腸球部
E) 胆嚢管
答え: B) ファーター乳頭
問題 11
消化された食物の栄養素の何%以上が小腸で吸収されますか?
A) 50%
B) 60%
C) 70%
D) 80%
E) 90%
答え: E) 90%
問題 12
膵液に含まれる消化酵素は次のうちどれですか?
A) アミラーゼとリパーゼ
B) ペプシンとアミラーゼ
C) リパーゼとプロテアーゼ
D) プロテアーゼとペプシン
E) プロテアーゼとアミラーゼ
答え: A) アミラーゼとリパーゼ
問題 13
大腸の主な機能はどれですか?
A) 胆汁の分泌
B) ビタミンの合成
C) 水分と塩類の吸収
D) 蛋白質の分解
E) 糖質の代謝
答え: C) 水分と塩類の吸収
問題 14
心拍出量の約何%が肝臓に流入しますか?
A) 10%
B) 15%
C) 20%
D) 25%
E) 30%
答え: D) 25%
問題 15
胆嚢はどのような機能を持っているか?
A) 胆汁の生成
B) 胆汁の貯蔵と濃縮
C) 胆汁の分解
D) ビリルビンの生成
E) 胆汁の排泄
答え: B) 胆汁の貯蔵と濃縮
問題 16
肝臓で行われない機能はどれですか?
A) 糖代謝
B) 脂肪酸の分解
C) ビタミンの生成
D) 蛋白質の合成
E) 解毒
答え: C) ビタミンの生成
問題 17
肝臓が生成する蛋白質は次のうちどれですか?
A) プロテアーゼ
B) アルブミン
C) ペプシン
D) セロトニン
E) アドレナリン
答え: B) アルブミン
問題 18
胆汁は1日にどれくらい生成されますか?
A) 100~300mL
B) 300~500mL
C) 500~1000mL
D) 1000~1500mL
E) 1500~2000mL
答え: C) 500~1000mL
問題 19
心房細動と突然の腹痛により発症する疾患はどれか?
A) 急性大動脈解離
B) 膵炎
C) メニエール病
D) 脳梗塞
E) 上腸間膜動脈閉塞症
答え: E) 上腸間膜動脈閉塞症
問題 20
膵臓の内分泌機能を担う細胞集合体を何というか?
A) ソマトスタチン細胞
B) グルカゴン島
C) インスリン集合体
D) ランゲルハンス島
E) ペプチド細胞
答え: D) ランゲルハンス島
参考文献:救急救命士標準テキスト
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効率的な学習の3ステップ
講義の復習
授業で強調された内容をメモし、理解できなかった部分は講師に質問!参考書や資料を活用して理解を深めましょう。問題を解く
問題を解くことで理論を実践に結びつけ、時間制限を設けることで試験本番への準備が整います。特に間違えた問題を重点的に復習することが重要です。解答と選択肢を見直す
間違えた問題を振り返り、なぜ間違えたのかを理解して次に活かしましょう。微妙な選択肢の違いにも注目し、落とし穴に気づく力をつけていきます。
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「聴いて学ぶ」救急救命士標準テキスト
10_消化系
①音声解説
②聞き流し1問1答
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