7. 月陽の石
ゆ
ら
り
取るに足らない足元が、いくら揺れようと歩いた
このまま
どこに辿り着こうか
高台で
空を見上げる人々は、太陽が泣いていると心配そうに声をあげる
太陽は
群れを愛しているだろうか?
人々は、太陽を愛した誰の涙も知りはしない
向かいの月は
涙どころか誰がいて、誰が去ったのかも知り得ない
すると地面は、なお揺れた
だから私は、取るに足らない者のまま
それは、"ひずみ"
太陽と月と人々
人知れず泣いたあの子の狭間で私の地面は
ゆらり、割れた
悲観も動揺も
降り続いた今夜
私は
地図にない石を探す
その石は
太陽と月を混ぜたように辺りをきっと照らすだろう
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