オリジンベースド__アートシンキング__アート思考___1_

体系立てられたプロセスで新規事業開発に応用できる"オリジンベースド・アートシンキング"とは?

バズワード化してきたアートシンキング(アート思考)

最近、アートシンキングという言葉がバズワードになり始めた。
その中身は
 ・アート業界やアートに関する知識をストレートで述べているもの
 ・実際の中身はデザインシンキング(デザイン思考)で、"共感"や"問い"から始まるもの
 ・概念について言及しているもの

バズワード化することで起こる問題

デザインシンキングが出てきた時、"デザイン"の本質をあまりわかっていない人も、デザインシンキング を提供する側に回った。そのため、正しい使い方が伝わらず、「使えない」と思う人が増えた。アートシンキングも同じように正しい使い方が広がらず、その本質的魅力を多くの人が知る機会が失われてしまう可能性を、私は非常に危惧している。

バズワードを超えた先にあるアートシンキングの未来

私は、単なるブームではなく、文化にしたいと思っているし、せっかく生まれてきたこの時代を歴史に残したいと思っている。
VUCA(先行き不透明な時代)と呼ばれる現代、正解を自分で出していく力を身につけていくために、アートシンキングは大きな効果をもたらしてくれる。

そんな背景から、クリエイティブ(右脳)とロジカル(左脳)からハイブリッド型(両刀使い)で、イノベーションを創出するための思考のフレームワークとして"オリジンベースド・アートシンキング"を編み出した。同じように、アートシンキングがもたらしてくれる可能性を感じてくださっている方に向けて、Bulldozerのオリジンベースド・アートシンキングの概要をお伝えしようと思う。
(本記事は2020.2.22に執筆し、必要に応じて加筆修正行っていきます)

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まず、オリジンとは?

オリジンは、直訳すると起源となるが、哲学や美学、美意識などの固有の価値観として理解してほしい。クリエイティブの世界では、オリジンというものが大切になってくる。このオリジンは、一人一人がもつ。そして重要なのは、会社もこのオリジンを持っている。どの会社にも創業者がいて、今日この日まで生き抜いたストーリーがある。自分起点、自分たちを起点にするとは、このオリジンを起点としていく、ということである。

オリジンベースド・アートシンキングとは?

一言でいうと、「芸術家の思考回路からイノベーションの種が見つかる
脱常識思考」
である。ここでの芸術家は、演奏者や表現者ではなく、陶芸や彫刻、絵画といった自らの手で0から1を生み出す芸術家たちのことを指す。彼らは常に一般常識、先入観、固定概念に縛られない。だからこそ、ビジネスシーンが課題起点で短い時間軸になりがちなところを、長い時間軸であるべき未来を描き切ることができる。

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モノ→コト→"トキの時代"には、哲学が必要

今の時代から、歴史に残りそうなものは、どれくらい生まれているだろうか?私は、せっかく生まれてきたこの時代、後世の人が羨ましがるような面白い時代にしたいと思っている。ゆえに、この"オリジンベースド・アートシンキング"という思考のフレームワークが広がることで、Wow!というようなイノベーティブなもの、人の心を揺さぶるものが、どんどん生まれていってほしいと願っている。哲学があるからこそ、人が月に行った時のような、大きな未来は信じられるし、実行に移すことができる。そんな勇気情熱も込みの、まるっと大きなストーリー全部が、人を感動させる。すると多くの人が使うようになり、文化となる。そして、文化として扱われる期間が長いと歴史に変わっていく。

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オリジンベースド・アートシンキングのプロセスとは?

まず、このオリジンを見つけるとこからスタートする。"問い"の重要性は様々な所で語られている通りなのだ。だが、この"問い"は、いきなり生まれたり、湧いたりしない。オリジンを起点として、独自の物の見方を世界に対して向けている日々があるからこそ、常識を取っ払って世界を観察しているからこそ、ユニーク(固有)のイノベーションの種となるような"問い"が生まれるのだ。
そして、このオリジンを起点として理想の未来を想像(創造)する。そして、今の世の中を観察すると、今この時代に、まだ誰も課題だと思っていないようなポイントが、自分だけの"問い"として生まれる。
問いが生まれたら、その解決策を、プロトタイピング(試作)から始める。最初は、うまく作ろうと思わなくていい。その代わりに、プロトタイプは、デベロップメント(成長)をさせ続けていくことが大切だ。このデベロップメントのプロセスで、対象となるペルソナと対話を重ね、完成へと導いていく。

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思考回路を増やす行為には、粘り強さが必要

オリジンベースド・アートシンキング入門ワークショップをやっていて感じるのは、問いが生まれない閉塞感に困っている人が多い。ロジカルシンキング(論理的思考法)と同じように、思考回路を身につけるためには、訓練が必要である。普段、左脳をフル活用するような企業や業種の方にとっては、少しストレッチな内容かもしれない。右脳をフル活用するデザイナー等の職種の人が、ロジカルシンキングを身につけるのと同じくらいの、難しい。でも、身につけられた時の可能性を想像してみてほしい!閉塞感を感じていらっしゃる方がワークショップにくると、常識の外し方が大きな収穫で、可能性を感じたという感想を共有してくださる方が多い。今後、AI技術がさらに向上していくこれからの時代は、ハイブリット型人材の需要はさらに高まっていく。

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応用できる業務

1.新規事業開発
 自分達、自分の会社にしか生み出せない、歴史に残るイノベーティブな事業を創造する。
→アイデアが思い浮かばない、プロセスがわからない、ありきたりなアイデアしか思い浮かばず並んでいる場合

2.人材開発
 会社の仕事を自分ゴト化し、自走する社員を創出する。またイノベーションが創出する土台作りとして、チームビルディングを行う。
→新規事業開発を進めるにあたり、自分で答えを作っていく・出していくというモチベーションやフェーズまで行っていない場合(新規事業開発の土台作り)

3."働き甲斐"改革 (=SDGs アジェンダ8 「働きがいも経済成長も」)
 
時間短縮を解決策とした働き方改革を行うのではなく、自分のオリジンを起点としてワークフロー(業務プロセス)や分担の整備を行う
→会社の文化や理念が浸透しておらず、離職率やパフォーマンス(作業効率)に問題を抱えている場合

4.未来像の創造
 
業界のリーディングカンパニー(第一人者)である場合、マクロ(長期)な時間軸での未来の提案を行い、新市場を創出する
→市場が成熟していて安定しているが、次の世代に橋渡しをするに当たっての新領域を創出したい場合

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