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パニック障害者あるある
本人が「パニック障害である」という状態を心理的な逃げ場や安心材料として使っていること。
そんな「自分を制限するラベルから自由になるために」
物語:「ラベルの向こう側」
1. 主人公の名前はミカ
ミカは数年前にパニック障害と診断された。最初は何もできなくなり、家から出るのも怖かった。しかし、治療を続けるうちに症状は徐々に改善し、今では発作もほとんど起きなくなっていた。それでも、ミカは周囲に「私はパニック障害だから」と言い続けていた。
それを言うことで、仕事の責任を軽くしてもらえたり、友人たちも無理に誘うことを控えてくれた。ミカにとって「パニック障害」というラベルは、自分を守るための鎧のようなものだった。
2. 友人ナオの言葉
ある日、親友のナオが真剣な表情で言った。
「ミカ、もう症状出てないよね?それなのに、どうしてまだパニック障害だって言うの?」
ミカは少しムッとした。「だって、本当に発作が起きたら困るし…完全に治ったなんて言い切れないじゃない。」
ナオは優しく微笑んで答えた。「それは分かるけど、今のミカを見てると、そのラベルに頼りすぎて自分を制限してる気がするんだよ。せっかく克服したのに、そのことに気づいてないのがもったいないよ。」
3. 新しい挑戦
その後、ナオが一緒に旅行に行こうと誘ってきた。ミカはいつものように「パニック障害だから無理」と断ろうとしたが、ナオが言った。
「発作が起きたらその時考えよう。でも、それ以上に楽しい経験ができるかもしれないよ。」
悩んだ末、ミカは思い切って参加することにした。久しぶりの長距離移動に最初は不安だったが、ナオがそばにいてくれたおかげで、少しずつリラックスできた。そして、旅行先では新しい景色や美味しい食べ物を心から楽しむ自分がいた。
4. 気づきの瞬間
旅の帰り道、ミカはふと気づいた。
「私、発作が起きるかもしれないって心配ばかりしてたけど、何も起こらなかった。むしろ、こんなに楽しい時間を過ごせたのって久しぶりだな…。」
その時、ミカはナオに言われた言葉を思い出した。「ラベルに頼ることが自分を制限している」という意味がようやく分かった気がした。
5. ラベルを手放す決意
旅行から帰ったミカは、自分の中で大きな決断をした。「もう『パニック障害だから』を言い訳にしない。」これからは、そのラベルを使わなくても大丈夫だと感じた。自分にはもう、パニック障害を克服したという力があるのだと。
それからミカは、少しずつ新しい挑戦を増やしていった。職場では責任のあるプロジェクトに手を挙げ、友人たちと積極的に外出するようになった。そして、自分の中に生まれた自信と自由を楽しめるようになった。
結び
ミカは気づいた。「パニック障害」というラベルに縛られ続けていたことで、どれだけの可能性を見逃していたのかと。でも、そのラベルを手放した先には、もっと広い世界と新しい自分が待っていたのだ。
これからも不安になることはあるだろう。でもミカはもう、その不安に飲み込まれることはない。「私は自由だ」と、自分の力で新しい道を歩き始めたのだから。
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