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依存症患者との向き合い方|まずは“わたし”を大切に

久しぶりのnote更新になってしまいました。
小学1年生の息子はソフトテニスを習っているのですが、徐々に練習回数を増やし、今では月曜日以外は全て練習日です(笑)
フルタイム勤務ではとても送迎できないので、フリーランスで良かったなぁと感じています。

さて、今日は“とある座談会”に参加したときの学びや感動を記録に残しておきたいと思い、パソコンを開きました。
縁あって“依存症患者との向き合い方”について情報共有を行う座談会に参加したのです。

セルフケアの大切さ

当日は依存症患者を支えるご家族や周囲の人々の『セルフケア』を中心に、作業療法士さんや看護師さんからのお話を聞いた上で参加者が意見を共有し合う、というプログラムでした。

セルフケアは自分自身の生活を振り返り、できていることや生活の乱れに気付くことを目的としています。
例えば「朝ご飯を食べる」「洗濯物を干す」といった“当たり前だけど、できなくなると困ること”を探し、できている自分自身を労わるのです。

実は“普通の生活”がとても幸せ

何気ない日常。
ついその大切さを忘れてしまいがちですが、実はとても幸福なことです。

今回の座談会には、ギャンブルやアルコール、薬物の依存症患者を支える人々が集まっていました。
「なんとかしてあげたい」「依存行動を見ているのが辛い」など、頭の中は依存症患者のことでいっぱいです。

依存症患者と深く関わるとき、当たり前にできていたことができなくなる恐れがあります。
例えば「ギャンブル依存症患者が借金を作り、生活できなくなった」「薬物依存症患者が医薬品に手を出さないよう、目を見張っていなければならない」といった問題が発生するからです。

だからこそ普段の生活を振り返り、その大切さを実感することが重要だとこの会で教わりました。

心身が安定しているからこそ、依存症患者に関わることができる

依存症患者を支えることばかりに気を取られると『共依存』に陥る恐れがあります。
自分の時間やほかの人間関係を犠牲にしてでも依存症患者と行動を共にすることで、自己を見失ったり精神的に疲弊したりしてしまうのです。

このような事態を防ぐためには、依存症患者を支える自分自身が心と体の安定をはかることが大切だと教わりました。
まずは自分自身を振り返り、これからの生活について具体的に考えてみること。
大きな目標だけではなく、簡単に達成できそうなことを見つけるのも効果的で、今後の行動や修正がしやすくなるそうです。

現場で働く作業療法士さんが教えてくれたこと

「側にいるのですから、あなたは依存症患者に影響を与えているでしょう。だからといって、あなたが責任を感じる必要は一切ありません。」

この日、作業療法士さんははっきりとそう言いました。
「自分自身を第一に」「どうしてもだめなときは見捨てたっていいんだ(それぞれの距離感で)とも教えてくれました。

意見交流の際には、依存症患者のご両親や兄弟、子どもといった立場の方々が、患者をサポートする上で苦しいことや悩んでいることを語り合いました。
互いに胸の内を吐き出し、そしてともに涙することで心の整理ができているように感じました。
これもセルフケアの一環で、座談会の意義なんだなと。

あるいは患者がアルコール依存症から回復し、数年ものあいだ断酒に成功していても不安が拭えない方もいらっしゃいました。
周りを見渡せば、お酒のCMやカードローンの案内、ドラッグストアなど依存症患者には生涯誘惑が待っているのだな、と怖くなりました。

どのご家族も依存症患者のためにできることを考えられていて、でもその裏では壮絶な生活があるのだろうと感じさせます。
けれど作業療法士さんの「頑張りすぎなくていい。自分自身を大切に。」という言葉が参加者の未来に小さな光を灯してくれました。

さいごに

さいごまでご覧いただきありがとうございました。
ご察しの通り、私にはアルコール依存症で苦しむ家族がいます。

そもそも依存症であることを自覚して外来を受診するまでが長い道のりでした。
減酒を目標に治療をスタートしましたが、そう簡単にはいきません。
最終的には依存症治療で入院もしましたが、2週間ほどで退院するとすぐにお酒を飲み始めました。
お酒以外のものを口にしないため、体調を崩しては入退院を繰り返す日々です。

「もう何をすれば良いか分からない」「見識者からの視点を取り入れたい」と思い、恐る恐る座談会へ参加したところ、温かい雰囲気に癒され、ほどほどに頑張ろうと思えました。

『まずは“わたし”を大切にする。』
ーーー分かっていてもなかなか難しいものですね。

今後も一喜一憂する日々が続きそうですが、大好きなランチや日課のピラティスなど、リラックスを心がけていきたいです(*^^*)


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