猫の日に… 幸ちゃんの思い出🐈
今日は2月22日。
ニャンニャンニャンで『ニャンコの日🐈』
そこで我が家に半年間だけいた猫のお話を…
我が家から30分くらいのとこに地元では有名な湖があります。
夏は水遊びに。春や秋にはボートに乗ったり自転車持ち込んでサイクリングしたり…
お弁当持ってよく遊びに行っています。
その日はまだまだ残暑が残る9月の終わり頃で子供達と旦那さんは水遊び。
私はワンタッチテントの中でゴロゴロしてると、何処からともなく猫の声が…
ふと後ろの茂みへ目をやると、痩せ細り顔を怪我して真っ赤な皮膚が見えてるキジ猫が座りこんだまま鳴いていました。
何処からどう見ても野良猫でしたが警戒する感じもなく大人しく触らせてくれて、お弁当の残りの卵焼きや唐揚げをあげると余程お腹が空いてたのかガッつくように食べ、食べ終わると満足したのかゴロゴロと喉を鳴らして足にまとわりついてきました。
抱き上げるとビックリするくらいに軽く、顔の傷はジュクジュクと化膿してる感じてとても痛々しく…
よく見ると顔以外にも切り傷や喧嘩で出来た傷とは違う怪我があり…
もしかしたら猫エイズか白血病か何かの病気なのではないかと思ったり…
私の膝の上で必死で身体を擦り付け甘えてくる姿に、悲しくとゆうか… 切なくてたまらなくなってしまいました。
そのとき我が家には4匹の猫が居て『もう1匹くらい…』なんて簡単に増やす訳にもいかず
ましてや猫エイズや白血病だったりしたら他の猫にも移る可能性があるので一緒に暮らすことはとても危険だと頭の中では分かってはいるのだけれど…
この先寒い冬がやって来るのに、この痩せっぽっちな猫は外で厳しい寒さをこんな体で越せるのか?
せめてこの顔の傷たけでも治してあげられないか?
でも… でも… でも…
私は自分へ言い聞かせるように
『だってさ、家にはもう4匹いるしさ、この子がもし猫エイズだったらさ…』等々。
↑上に書いたような現状と言い訳を独り言のようにブツブツ。ブツブツ。
でも結局は諸々の事を考えると何もしてあげられない…
ごめんね。
猫ちゃん、ごめんね。
そんな何とも言えない気持ちが爆発して、テントの裏で座り込み、涙と鼻水とをすすりながら猫を抱いていたら
『今ならまだ午前の診察時間に間に合うよ』
…と。
『気になってしょうがないんでしょ。とりあえず動物病院連れてったら?』
…と、私のデカイ独り言を聞いていた旦那さんが私の背中を押してくれました!
そのときで12時ちょい。
午前の診察は12時半までなので、子供達を旦那さんに頼み、自分の着てたサマーカーデガンに猫をくるんで駐車場まで走り、車に乗ってからは膝の上でカーデガンにくるまれたまま大人しくしている猫の姿に
『よし! もうこの子は家の子だ!』
そう私の決心は固まっていました。
動物病院へと着いたのは12時半ギリギリ。
そこは我が家の猫達がいつもお世話になってる行きつけの動物病院。
猫の病気の事から、お金の事まで親身になって話を聞いて下さる本当に信頼できる先生。
先生はその子を見てすぐに
『あぁ。この痩せ方と傷の感じは白血病かな…』とおっしゃいました。
『パピコさん、この子はもうあんまり長くはないと思います。
食事療法で少しはマシになるかもしれないけど…
もし、この子を引き取るつもりなら最後を看取ってあげるという感じになると思います。
それに白血病はうつるので他の猫ちゃん達とは接触しないよう完全に隔離しなくちゃいけません』
……あぁ。やっぱりそうか。
でもね…
初めて乗るであろう診察台の上で小さく小さく丸まってる、たった1.7キロしかないこの子をまた元の公園になんか置き去りに出来ないもの…。
毎日お腹を空かせて、湖へ遊びに来た人からおこぼれを貰って飢えを凌ぐような生活。
蒸し暑くてダレるような夏の日々や、寒くて凍えるような冬の厳しい寒さに耐える毎日をもう送らせる訳にはいかないもの。
後どれだけ生きれるかは分からないけど、最後の時が訪れるまでの日々を暖かく快適な場所で穏やかに過ごさせてあげたい。
たいした贅沢はさせてあげられないけど毎日お腹いっぱい食べさせてあげたい。
あのね猫ちゃん。
世の中にはね『チュール』っていう魔法のオヤツもあるんだよ✨ 凄ぉーーく美味しいんだよ✨
それにね、毎日の晩酌用のお刺身を2切れくらい分けてあげたって、家の旦那さんは怒ったりしないから安心して食べてね😊
なんせ、その人はあなたを『家族に迎えよう』と最初に決めた人だからね🤗💕
その後、名前は『幸(サキ)ちゃん』に決定。
残りの時間を思いっきり幸せに過ごして欲しいと願い旦那さんが名付けてくれました。
そうして連れ帰った幸ちゃん🐈をまずはお風呂場に閉じ込めてから、ホームセンターへ3階建ての大きなゲージを買いに行き、夫婦の寝室にそれを設置してその日から他の猫は立ち入り禁止に。
寝る時はゲージに入れ、それ以外は寝室の部屋で1匹でのんびり過ごす生活。
夜、たまに犬の散歩に行く時に外に出してあげると、久しぶりの外の世界を嬉しそうにクンクンしながらゆっくりと歩いて散策。
そのうち私と犬の後ろを着いてくるようになって! 20分くらいの散歩コースを最初から最後まで一緒に散歩したり🎵
『もうお家に帰るよ。ほら、お家に入るよ〜』
と声をかけるとちゃんと戻ってきて大人しく寝室に。
今、考えると本当に野良猫だったのかな? と思うほど本当にお利口さんな猫でした🤗💕
たまの夜のお散歩以外は寝室から出ることも出来ないのに無駄鳴きしたりもせず、いつも静かに窓辺に寝転び外を眺めて過ごしていました。
まるで『拾ってくらてありがとう』とでも言うように、迷惑もかけず我が儘も言わず、控えめに生きてるような猫でした。
今になると、その姿がいじらしくも切なく思い出されます。
それから翌年の5月の中頃まで約半年間。
幸ちゃんは精一杯生きて、静かに息を引き取りました。
幸ちゃんの亡骸を火葬し、小さな骨壺に入ってお家に帰って来た夕方…
そのとき初めて我が家の他の4匹の猫達と対面しご挨拶をしました。
『初めまして。皆。幸ちゃんだよ☺️
やっと皆と一緒の部屋で過ごせるね。
一番日当たりが良くて、皆を眺めて一緒に遊べる場所にこれからは居ようね✨』
白血病ウィルスは物凄く強力で本当に怖いウィルスです。
同じ物を食べたり飲んだり、同じトイレを使ったり、お互いを毛繕いをしただけでもうつります。
そのため幸ちゃんは本当に隔離された生活で、他の猫達とも全く接触はなく遠くから眺める程度しかお互いを知りませんでした。
なので半年近く一緒に暮らしていたのに、この時が初めて近くに寄った瞬間だったのです。
小さい骨壺の回りに4匹の猫達が群がりクンクン、クンクンしている姿を見ていると、今まで必死で抑えていた感情が溢れだしてしまい
『ワァーーーー!!』
…大人気なくも大声で泣いてしまいました。
その週末。
旦那さんの提案で幸ちゃんの骨壺を持ってあの湖へと行きました。
幸ちゃんを見つけたあの場所で
幸ちゃんが座り込んでたツツジの木の根元を子供達と一緒に掘り、骨壺からいくつかの骨を取り出して埋めました。
『もしかしたら幸ちゃんの兄弟や仲間がここら辺に居るかもしれない。
それにこの場所が幸ちゃんにとっては産まれ育った故郷かもしれないからね。
半分だけでもここに居れたら幸ちゃんも寂しくないだろうし喜ぶんじゃないかな〜と思ってね』
……あぁ。
私の旦那さんは、やっぱり凄い人だ。
私なんて足下にも及ばない。
私や子供達や猫達。そして幸ちゃんも。
この人の大きな愛のもとで日々生かされているんだなぁ〜
そんな思いを噛みしめながら幸ちゃんを埋葬し帰って来ました。
なんて事を思い出した2月22日の『ニャンコの日🐈』
これが我が家の幸ちゃんのお話です。
幸ちゃん。
ママはいつまでもあなたの事を忘れない。
ずっとずっと大好きだよ。