短い詩のいいところ
まど・みちおの詩「くまさん」を読んで、
笑いたいような、泣きたいような、喜ばしいような、羨ましいような、
なんとも言えない気持ちになった。
あたたかいものがじんわりと広がる感覚があった。
気づいたときには好きだった。
詩は短く、すぐに暗誦できた。
覚えようとせずとも覚えてしまった。
以来、毎日ふとしたときに頭の中で暗誦している。
その度に「じんわり」も再現するのが嬉しい。
そうか、詩の暗誦ってこれが嬉しいのか。
貰った手紙を手帳に挟んでおいで、何度でも読み返すように、
詩を暗誦できれば、それを読んだときに浮かんだ情景や生まれた感情を、
いつでも蘇らせることができる。
短かければ、覚えるのも簡単だ。
人類が数千年前から知っていたであろうことを、
今更発見して何を喜んでいるんだ、と思いつつ、書きたくなった。
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