JTCに入って泣きながら仕事をした私が読んでよかったと思うお勧め本 15選
以前、仕事の合間に雑に呟いたら成大におバズりしてしまった、日本企業で異文化に触れながら仕事をして読んでよかった本の紹介をまとめておきます。
紹介部分は全て無料で読めます。ラスト部分はメンバーにしか読めなくなっていますが、バズによって見えたアソシエイトのCVRや売上結果についてのつぶやきです。
1. 大量のKPI,KGI,アンケート…何が知りたいの?
業績やら評価やら謎アンケートやら、とにかく何かをいつも聞かれて答えているような…?ていうか、何のためにどう指標をとるのかこの人たちわかってないのでは??「取れ!」っていわれて「取りました!」ってなってない…?と、アホの顔してナゼナゼナァゼってなった時に読んだ本です。
まじで大量に謎データを取っているわりには、定量と成果につながってなくね?と疑問符が付きまくっていた状態で読んで「あ、これです!これです!」となりました。
事例的には海外が多いので古今東西の悩みということもわかってお得です。日本がダメなんだ!という話ではなく、データや数値、定量判断というものは、非常に客観・合理的な指標に見せかけて、目的や設計思想がなくば結局ただの「お遊びや自己満足」になってしまう…という点が学びです。
2. 常に頭に鳴り響く「このクソ仕事はなんだ???」という問い
皆さんご存じブルシットジョブ。まだ日本語訳が出てない時に友達から「ぱぴちゃんこれを読んだ方がいい」と太鼓判を押されましたが、マジでその通りでした。クソが!と叫びながらページをめくろう。ページを捲るたびに「あ、このクソしってる」「このクソも!?」となるやつです。
これまた古今東西クソは一緒…ということなのですが、それでも違う点でいうと「ブルシットジョブは各国共通だし抜け穴もあるのだが、それでもジョブ・ディスクリプションという定義がある以上、”クソな仕事だけどやっとかなきゃいけないので、でもこのクソな仕事の値段は〇〇円です”」が決まっていることかなぁと改めて感じました。
ジョブ・ディスクリプションが魔法の杖では当然ないのですが、私自身もですし、ご相談でよく寄せられるのは「自分の主業務は何で、その主業務におけるレベル分けで給与や評価が決まっていくシステムになっていない」ことへの悲壮感とか倦怠感が多いってことです。なんか「できる人がやる」システムを基準にするのはやはりよろしくないですよね。
3. 全部メンバーシップ型が悪いけどお前らにジョブ型は無理
ご存じJTC勤務者のバイブル。
会社が「ジョブ型…」とか言ったら次の瞬間に「濱口さんの本読みましたか!?」と食い気味で聞くレベル。ちなみにkindleになる前に物理本をマジで上司や上役に配ったレベルで好き。定期的に読み返している。
私は曲りなりにも外資出身者かつプロジェクト型の職務を遂行してしまってきたため「ジョブとジョブグレード」がある世界観を基本としており、そもそもそれが「ない」世界を理解できてなかったのですよね。現在の会社も新規事業部門に入った結果、中途中心のキャリアが似ている傭兵部隊みたいな感じで、同じくプロジェクト型だったわけで。
なので、そもそも「全然ジョブ型概念がわからない、業務型のお仕事という名の部とかチームの秘伝のたれを継続するお仕事」形態と「階層はめっちゃあるけど定期昇給のためのアホみたいに細かくて全職種一律の給与テーブル」形式が、なんかおかしい!?なにがおかしい!?をきっちり言語化してくれているという点でも素晴らしい。
「なんか変だけど変な世界しかしらんからどうしたらいいかわからない」的な右往左往がどうして起こるのかがわかったことが非常に勉強になりつつ、ダメだ…という気持ちにもなりました。
濱ちゃん本のあれこれ①
『ジョブ型~』の本がよすぎたので濱口本を数冊舐める形になる。好きな著者の過去本を舐めるタイプなので…。こちらは「当たり前と思われている雇用状況はそもそもどんな背景・歴史でそうなっとるんか」という解説本。
濱ちゃん本のあれこれ②
会社の従業員平均年齢が45歳を超えている…?と戦慄し、JTCおぢに悩まされた私が「つまり、どういうことだってばよ???」と読んだやつ。ジョブ型でも語られる「経験(という建前の年齢・年次)が換金される」という制度と現況の解説。
濱ちゃん本のあれこれ③
濱口本と知らずに持っていた「女子のキャリア」文脈での本。だけど、JTCで「女性活躍」の名で爆誕した承認欲求やば女モンスターと遭遇してもう一度読み直して、全部メンバーシップ悪いってもう一度なった。
4.日本企業の特性って日本人の特性ですからね
ジョブ型とか組織とか考えた時に「大手企業に属する日本人特性」みたいなもんが気になってきて読んだやつ。太田先生の「承認欲求」を軸にした読み解きおもろかった。まじでバッサバッサ切っていくから超痛快です。
5. 成果がわからぬ、評価もわからぬ
わ、わ~~~~~~~(号泣)って感じの書籍説明なんですけど、中身をみてもわ、わ~~~~~~~(ちいかわ)ってなります。この本でもバッサバッサです。バッサバッサ。謙虚なフリしてめちゃくちゃ自己中なやつ多くね?という疑問にストレートに答えてもらいつつ「まぁでもそうもなるよな」という納得感と共に…。
6. もう日本企業、無理なんじゃない…?
もうどうにもならないんじゃない…?となった私が泣きながら読んで「弊社って、コト!?」となった奴。
とはいえ、外部の人と会話するとほぼ悩みが同一なので「企業固有の悩みではなく、日本企業、ひいては日本社会が作る人格が集まった場所の問題」と言えるなと気がつけたことは非常によい気付きでした。社会構造の問題、メンタリティの醸成の問題…という「そうでしょうよ」と思っていたが、明確に理解できていなかった部分に整理がつきました。
この「自社の問題だと呼べるものがほぼないが、自社特有の課題だと認識している」というのは、特に組織・人事制度設計における日本企業の課題として大きい。いかんせん、プロパー社員が9割的な世界観かつ、経営層もプロパー、たまに外部からの経営者を持ってきても、CEOになることは稀…的な状況が多くある中で、正しく課題を認識することの難しさを感じます。
こちらからすると「自明な課題になぜ対応しないの?」となっちゃうのだけれど、「自明な課題=人の能力の問題=自社社員の問題」と捉えてしまいがち(=相対化するネタを当人たちが持っていない)なため、袋小路に入り込むんやなぁ…。ExecutiveはExecutiveMBAとかにブチこむなどが必要なのでは?とか思ったり。経営者視点やマネジメント視点は一定体系化されている領域ではあるので、自力でやってきた方々に再度理論をぶち込む…というのは必要なステップな気がします。
7. 組織ってどうやってリビルドすればいいや…
「お高く止まったマッキンゼー様のご高説」かと思いきや、数々の失敗事例をもとに組み立てられた実践本だった。1ページごとに「わかる」となる。
しかし古来&トップ企業でもずっと課題として組織論は残るのね…という気持ちになるし。かつ、似たような企業課題に向き合いまくってナレッジもプロフェッショナルスキルも持ってるマッキンゼーを使う判断をしながらも、こうやって失敗したりするのだから、脳みそがたりん人間が一生懸命頑張って考えてエイヤーホイサーするのってやっぱりめっちゃ無駄じゃない???
…という気持ちになり、日本人って「適切に外部を使う」がマジで下手くそだよな。丸投げか全部内製の2択…という気持ちを深めた。
8. なぜ変われないのか……(絶望)
名著なんですが、あまりにも当時の私の心にクリーンヒットするタイトルで吸い込まれるように手にとりそして「わかる…」「賢い人の整理ありがたい…」と泣いたやつ。
著者による危機的状況で活性化する「生存チャネル」とワクワクしている時に活性化する「繁栄チャネル」の二つのモード設計とその解説がわかりやすい。生存チャネル=火事場のバカ力的なものなので、これで「やー!」と頑張ってどうにかしちゃっても、持続性がないから厳しいことになり、繁栄チャネル側を回す状況を作れないと難しいよねって話。
また過去のリーダーシップ論ではなく「人を巻き込んで循環するようなシステム環境にある組織が反映する」という点や、「人のやりたいという気持ち・感情をいかに高め維持できるか」という点については、「とにかくやれ!!!」思考に陥りがちな現場にいた人間には刺さると思う。
9. クソ野郎が無駄に偉そうで憤死しそう
立場がそこそこあってアホなやつに当たるともうおしまいなので、本当に終わり、さっさと組織から抜けるのが吉!というのはこの世の理なのですが、そうはいってもあまりのヤベぇ人間に出会うと人は「私がおかしいのでは!?」と思ってしまいがち、というバグがあります。「私がおかしいのか、世界がおかしいのか」という、セカイ系思考に陥った時に手に取って欲しい。
この本では「お前がおかしいのか、お前以外がおかしいのか」の判断指標として以下のような記載をしています。
その人物と話した後、標的になった側が萎縮し、侮辱されたと感じ、ヤル気を吸い取られるか、あるいは見くびられたように感じるか。
その人物が自分より立場が上の人間にではなく、下の人間に狙いを定めているかどうか
はい、当てはまりましたか?じゃあ読んでみましょう。
クソ野郎(著者記載)によって削られる時間も自尊心もあってはならないのです。
10. マジで消えてくれ…という人間と仕事をしたら
「見たことないアホが職場にいてマジで死ぬ」という人生初の経験からアホやバカとの関わり方…を知りたくて…。この「アホがいる」は偏差値とかExcelが使えないとかそんな簡単な話ではなく、Netfrixが提唱したブリリアントジャークの概念から「優秀さ」を取り「優秀だと自認している」という条件を付与した人間として関わりたくない最強最悪のモンスターと対峙したときに読んでほしい。
正直「そんな場所から離れる」以上でも以下でもないのですが、自分の許せない気持ちがどこからくるのか、どう対処するのか?やべーやつってどんな種類がいるん?を客観的に文字列にしてもらうことで落ち着くこともある。って感じなのですが、『低劣人間をデリートせよ!』の方が出来がいいですがタイトル勝ち。
11. 新人ちゃん!新人ちゃんじゃないか!何!??!?
書籍を読み進める中で、著者から問いかけられる質問に「いや、〇〇っしょ」と答えてページをめくると「やーい、今〇〇って思ったやつ、発想が昭和ー!お前は若者のこと全然わかってませーん!」って言われます。マジで一生やられ続けます。多少わかっても「あ、そういう背景でそのアウトプットになるんだ!?!?!?!」と昭和からは何もわからぬメンタリティが解説されたりして、め、目からうろこ…となります。本当に。
部に新卒が配属されたり、全体の新卒研修を承ったりしていた時に、全般的に感じていた「皆、素直でいい子で真面目なんだけど、めちゃくちゃ扱いずらいな!?」というモヤモヤ感を感じていたら、「これを読め」されたやつ。私も今他の人に相談されたら「これを読め」してる。すごく面白いです。
みんな「いい子、失敗したくない、決めて欲しい」がすごくあるということ。人間だれしもその感性は持っているが、「想像できないレベルで彼らの生存に関わる重大事項としてそれらの指標があること」が解説されています。すごく勉強になった。
こちらもオススメです。一緒に読んでください。
12. 外様の上様をやるにはフォロワーが必要
本体から出向して管理職をやっていく際に「認めてもらう、信頼を獲得する」に悩んで手に取り、読んだやつです。新規事業時はなんだかんだチームメイトを含めた部門全体が「出島」って感じで、プロトコルが同じ人との仕事だったのである種「自分たち主体」でできてしまったのですよね。
それが完全アウェーの場所に放り込まれることになり「本体籍、女、外資出身」といった経歴的に「鼻に就く感じ」を「仕事を一緒にする人」として見てもらうかに悩み、しかし遜りすぎるとナメられるので、どんなふうに自分を見せるべきか、振る舞うべきか、そして様々な手癖をアンラーンするかの一歩として読みました。
書籍のみならず、外部の人や先輩にアポを取って壁打ちメンターをしてもらっていた時期でもありますが、その中でも非常に役に立ったアドバイスがあり、それが「フォロワー(味方)を増やせ」でした。外資SaaS企業のマーケティング組織VPの人だったのですが「自分のところに相談がくるようになる状態になったら、それは成功だから」と言われて、愚直にやって1年後くらいかな?結構各方面から「相談なんだけど」で声がかかるようになった時に感慨深いものがありました。
私が駆けずり回って教えを請うてなんとかしたような一連のことが1冊にまとまっているので、私みたいに泣きながら先輩にアポとらなくても大丈夫です。人の気持ちに寄り添うこと、難しい時期ほど言葉を尽くすことなど、新しい場所や既存の場所でもうまくいかない時に読むと学びがあります。
とても参考になるまとめ
悲しいね。
「物事を規定する、規定した内容をわかりやすく言語化する、言語化した内容をドキュメンテーションする、それらを管理する」という辺り前のサイクルが全然できてないんすよね。鍛えられないし。求められないし。はぁ。
おまけ:バズってわかった「本を買う人は少ない」の事実。AmazonアソシエイトのCVRと売上推移を見てみよう。
最後はおまけ。バズで感じた「本を買う人ってすくねぇ~!」って言う実感をお金(Amazonアソシエイトの売上)のレポートを基に。売上データやCVRの話をしているのでこの先は有料です(なんとなく大っぴらにしたくはないという気持ち)
ここから先は
ありがとうございます。『あなたの課金は、私の課金』を標語に経済をまわしていきましょう。