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休むを真剣に考える。心と体がうまくバランスしないあなたに贈るお休み本 9選

「休め~~~休め~~~~~~人生に休息が必要だぞ~~~~~~~」という話を折に触れしているのですが、私が休むのがうまいか下手かというと下手なのは間違いがないです。

休職も経験しているし、体調も崩すし、定期的に全てが嫌になって「国内リゾート引きこもり週間」を爆誕させたりしています。そもそも年齢も上がり、逆に基礎体力は下がっていく中で、運動・精神的ケア・休息をバランスさせないとの一文字が頭によぎります。私、家系的に全員健康・頑強・体力ある系で、自分も「そう」だと思っていたのですが、何もしていないわりには健康な気はしますが、最近ガタがきています。


最近のお休み事情と所管

最近は24年11月17日から3泊4日、引きこもりリゾートホテルステイ@小田原リゾートホテル滞在をしています。

noteを書き出して既に4年くらい経っている気がする(恐ろしい)のですが、noteは私の日記帳的な部分もあり、書いたことをすっかり忘れているけれど、たまに見返して「いいこと言ってるな」と思ったり「この人ずっと似たようなことしてない?」と自分を俯瞰的に見れるので意外と面白いです。

自分自身が「休む重要性をわかりながらも、基本的に激務世界観に脳を破壊された可哀そうな生き物で、ついついワーカホリックしていることに価値を見出してしまう」という癖を持っている自覚があります。なんでしょうね、どうしてこんなことになってしまったのか。

恐らく自宅における社会人(=父)が、午前様が当たり前の激務リーマンであり、その彼が会社・社会的地位を得た人物だったために「それが普通」という強烈な刷り込みがあるのだろうと思います。直近の家業はなく(3代前までは商売をしていたようですが)基本的には親族全員サラリーマン家庭なのですが、金融中心、たまの外れ値が新聞か製造…という家だったので「全員家にいないし、転勤は当たり前」で労働ってそういうものって思っちゃったんですよね。幼少期の刷り込みって恐ろしい。金融庁監査がある時期は父は帰ってこないので金融庁は怖い、ということだけは知っています。

40歳も近くなり「自分に激務は無理」「そんなに役職も上がれない」と諦めと受入れをしつつあるものの、諦めが悪いアホの子な私は22歳から働きだして15年以上かけてやっと「自分が自分で”普通”と思っている強度で働き続けることはできない」ということを理解し、受入れつつあります。まーだ「つつ」なのがアホであることをより鮮明にしていますね。ずいぶん時間がかかったものです。15年もかかる???って感じですが、諦めの悪い女ぱぴこ…。

そんな「休むの大事って死ぬほど言ってるわりに休むのが下手選手権代表」の私が、人生の折々で読み返している、そして人に薦めたい「お休み」に関する書籍を紹介します。

1. 休みは人生に必要な戦略である

「休むのも逃げるのも戦略である」は私も声高シュプレヒコールをしている大切なメッセージなのですが、ど真ん中それを表題にしてまとめ上げた書籍がこちら。私が書きたかったよ「戦略的休息」の本!!!と言う感じですが、すごくよい本です。「戦略」という文字と、現物がめっちゃ分厚いツラにビックリするかもしれませんが、中身はいい意味でゆるいです。

文字量が多いか?というと、文字の大きさ、行間、分量がいい塩梅でバランスしているので、脳みそをぎゅーぎゅーに絞って読まなくてはいけない書籍ではなく、さらさらと読めます。また、1ページ目の初めからじっと読むだけでなく「自分が読みたいところをピックアップして読む」という辞書的な使い方もできます。

要所要所で偉人・賢人の言葉が引用されるので(こんまりもいます)一種の哲学教本的な雰囲気もありますが「偉いヤツも言っている」という「労働は悪、休息は善」的な世界観を浴び続けると自然と「休むをうまくやる」を真剣に考えられます。

基本的に「しゃかりきに働いて資本主義世界観の中で勝ち上がる」というのはTHE アメリカ的な価値観であり、比較的「ルールに準拠して真面目である」という特性を持つ東アジア側がそれに追随し(日本はいわずもがな)、欧州は「生活のために働くなんてアホらしいと基本的に思っており、自分の人生における文化や教養を高めるための時間を重視している(ので米的世界観を見下している)」って話も、私が知る薄いグローバル地域性と合致していて面白かったです。

休息とクリエイティブな活動がなぜ必要か?はもちろんですが「そんなこと言われなくてもわかっている」けれど、うまく休めない、休みを削って「労働」への時間配分を増やしてしまう(=優先度を上げてしまう)人にとって、休みの重要性はもちろん、その休息がいかに自分たちが振り回されている「資本主義的世界観における労働生産性」に対しても大きく寄与するのかという点を、押しつけがましくなくなぞれるという点は非常に価値があるのではないでしょうか。

2. 睡眠は大事。知ってる。けれど「睡眠」によって体に起こることは知らない。

睡眠、大事ですよね。「休む」話とはセットで出てくるといっても過言ではない「睡眠」と「睡眠の質」。

私自身も不眠傾向があり、寝つきが悪く、ストレスがたまると食いしばりが酷くなって眠りの質が超低下する…という性質を持っています。眠りの質を高める、睡眠外来に行く…ということをしてみても、結局のところ「運動、入浴、入眠を整える」という「まぁ、それは、はい、知っていますけど」的な話を提示されて終わるところがあります。

この本はそういった小手先(失礼)な「睡眠の質」の話ではなく、睡眠を軸に睡眠をとっている時の人間の脳、筋肉、肌、血液…など各方面の「身体的な機能とその関係」をひたすらに解き明かしていく、学術・医学的なアプローチで淡々と「睡眠」を解剖していく本です。なので、これを読んだからといって「健康で文化的で質の良い睡眠を取る方法」的な実践方法がわかるわけではないのですが、骨の髄まで「睡眠が重要である」ということを理解させられます。

私は特に「寝つき」「入眠の悪さ」が大きな悩みです。寝つきが悪い気がするとは思っていたものの、ずっと”そう”だったので、寝つきが悪いってピンと来ていませんでした。お布団に入って30分寝れないのはザラで「寝るまでの前準備」に1時間程度をカウントしていたのですが、堂々たる寝つき悪い選手権代表でした。

今年からメラトニンのサプリを服用し、だいぶ改善されたのですが(睡眠薬を飲むよりよっぽどいいので)、そのメラトニンの分泌や過不足で起こる反応、メラトニンがいつ分泌されてどう入眠作用に作用するのかという点で腑に落ちて落ち着いた部分があります。当然この内容は論文を読めば書いてあることだったりもするんですが、論文検索して読むもだるいじゃん…本でまとめておいてほしい…となるので感謝です。

本筋とは関係ないですが、私は羊も好きなので、羊が書いてある書籍構成もかわいくて好きです。ちなみにメラトニンサプリはiherbで購入しています。私は10mgにしていますが、3~6mg程度から始めてもいいかも。

3. パートナーとの関係に必要なのも「休み」です。持続可能な関係と時間と対話。

タイトル通り、全然「休み」の話で手に取ったわけではなく、主題である「デュアル・キャリア・カップル(共働きカップル)」における人生設計における重大な転換期と乗り越えるための姿勢への興味で手に取ったら「休み」の重要さも再確認さえてくれた…という棚ぼた的なオススメ本です。

共働きの自分たちに対する「問」を提示してくれる素晴らしい書籍ですが、改めて読んでいたら「結局いかに休息と休憩を取り、相互の時間を作り出すか」の「休暇と休息」の重要性と密接につながる話だと感じました。

私は子供がいないDINKSD(Dog)夫婦であり、人間の子供の妊娠・出産・育成が組み込まれる生活とは雲泥の差があるわけですが、「犬育」は相互に素晴らしい経験をさせてくれると共に、犬の育児やケアに関する時間捻出や割合の分担、当然それがなくても家事全般の分担や、それらを含めて「2人でやっていく生活」に大きく寄与するキャリアをどう構築するか?という問題には直面します。

この本で語られる多くのカップルと同様に、相互にキャリアがある大人2人はある意味で「労働経験に基づいた合理的・効率的な活動、またはその経験」をシェアしながら「時間効率を高めることで」自分たちの人生を”うまく回す”ことを目指します。が、それでうまくいかない、転換期がきて、放置すれば破綻する…という根っこの部分には「時間のなさ」、もっと言えば「休息を取り家庭に向ける時間の少なさ」が大きな壁になることがわかります。

「自分の人生をどうする?どう生きる?」の問いに立ち戻る時、日々の生活の中で私を含めた多くの人たちは「生活、自分がしたい生活を成すためには働いて金銭を得ることが必要、だから働く」という仕組みを重視しすぎてしまっていることに気が付きます。自分がなぜそれをやっているかの目的が知らない間にスイッチしてしまい、夫婦や家族のために頑張る…ということが生活に還元されず、むしろ崩壊の原因になりうる…という事実を多くのカップルインタビューと乗り越えるためのメソッド・クエスチョンによって明らかにしています。

読みながら「やはり休みが大事ってことか…」と呟きました。様々な観点から非常にオススメの良本です。

4. 「イヤなこと」許容値はどのくらい?自分の閾値を理解し即時の解決を目指さない。

「答えの出ない状況に耐える力」の視点から、現代社会での生き方や考え方を見直すためのヒントを提供してくれます。私もあなたも恐らく「今すぐ、この状況・課題を解決するにはどうすればよいのだろうか?」という視点で物事をみていませんか。

ネガティブ・ケイパビリティとは19世紀のイギリスの詩人ジョン・キーツが提唱した概念で、「確実な答えや結論が得られない不確実な状況や葛藤、曖昧さを受け入れ、その中で耐え忍びながら洞察を深める力」を指します。VUCA時代と言われ、かつデジタル・テクノロジーの進化により「すぐに調べて、何かしらの答えを手に入られる」現代において重要な考え方です。

私は「即時性」への飛びつき欲求が強く(ADHDだしね!)、なんだろう…「5年、10年先を見据えた取り組み」という長期視点を持って活動することが上手くなく、生き急いでいるというか「3年後は破滅していて死んでいるかも」的な、妙な破滅思考が自分を支配している部分があります。未来がもっと良くなっているって、あまり思えてないというか。それは世相というよりは、自分の癖です。ここまで明確に認識できたのは最近のことです。

これには現職が強く寄与しているとは思っていて、日本企業(JTC)に所属して感じたのは「長期視点」を持っていることと、その長期視点の重要さです。米系外資が社会人基礎になっており「即時、長くても半年」というサイクルで物事の結果を出さないと死ぬ…的な思考で生きてきた人間からすると「無駄ばかりで悠長」にも見えるし、ビジネス的に考えた際には「利益を早期に出す」以上に求められることはないのですが、同時に「今日、明日ではなく、事業と会社と社員を抱える」という日本企業のスキームは(現在崩壊しかかっているとはいえ)ある種の”ネガティブケイパビリティの高さ”と言えるのでは?と思いなおしました。

自分自身、大学院に通いだしたのは「不確実で曖昧性が高く、即時の答えが出せないような問題に自分なりに取り組んで答えを出す力を欠片でも手に入れたい」と思ったからであり、新しい発見や可能性を見出す一助になればという動機でした。あとマジで心から修士号が欲しい。

「休みが必要」と言う言葉には「高速で過ぎ去る毎日の中で、腰を据えて思考したい」という意味も含まれていることが多いのでは?と思うので、一読いただくと新しい発見があるかもしれません。

5. 気持ちが弱って全然うまくいかなくて、自分って駄目なんだ…と落ち込んだときに。

少し堅めな書籍の紹介が続きましたが、ここからはもう少し「もう本当にダメかもしれなくて、でも自分がダメなのかもなにもかもわからなくて、泣いちゃうしツラい」という時にパラパラとめくって心を落ち着けるような、寄り添い系の書籍を紹介します。

『メンタルクエスト』は精神科・心療内科医の鈴木先生が記載した書籍で、今でも定期的に読み返します。今は自分に向けて…というよりは、過去の自分と似たような、かつ自分ひとりで沈んで行ってしまいそうな人に対して「どういった言葉や対応をしたらよいのか」という教科書的な使い方が多いですが、自分がど真ん中で苦しかった時期に読みたかったなと思える本でもあります。

本書の大きな特徴は、心の健康を「RPG(ロールプレイングゲーム)」のように捉えている点で、ゲームをしたことがある人ならスンナリと理解できると思います。私自身も人生や仕事はRPGゲームと大変近しい性質があると思っているので、その点でも理解がしやすかったです。心のHP(ヒットポイント)が減ってしまう原因や、それを回復するための「メンタル・クエスト(冒険)」を通じて、自己回復の方法を学び、自分自身のメンタル種別がキャラクターのように分類されており「自分はこのタイプだな~~」と理解した上で対応策を見れる点も読みやすく共感しやすい点です。

心の回復に必要なことは様々ありますが、やはり「休む」ことを恐れずに受け入れる点に触れられています。この書籍に限らず「休むこと」への罪悪感をいかに減らすかというのは、休息の重要性を理解した上で自分が実行するために必要な要素だよな~~~ということをつくづく感じます。しゃかりき働いていることは礼賛されるのに、なぜ休むことは…となりますが、まぁ資本主義奴隷制度の中で奴隷に役割以外のこと考えられると面倒だからだな…みたいな気持ちになりぱわp。

大事なことが書いてありかつ読み口がソフトでめっちゃいい本だと思うのでぜひ!!!

6. キラキラとした「充実時間」だけでは心が休まらないって知ってた?

タイトル天才だと思いませんか???いやまさに!!!みたいな。

「ケーキを食べる」「ジムに行く」「映画を観る」といった行動自体は素晴らしいのですが、盲目的に信じられている「健康で文化的で素敵な生活をしてるっぽくて、自分で自分のご機嫌を取る的な手段の手軽に元気を取り戻す方法」じゃ無理なんだけど!!!っていう魂の叫びを救い上げてくれます。

これらの「素敵な行動」を本当に楽しんで、適切な栄養素を接種して立ち直るには「不安感のない休息時間」が一緒に必要といいましょうか。往々にして素敵なものドーピングで立ち直りたいって時って、手軽で目先な解決策で解決できないレベルの話を抱えていることが多いわけです。

一見「ポジティブになれる方法」に救いを求めるものの、必ずしもそれだけで解決しない心の問題ってあるというか、この「なんだかいい感じの素敵な生活の要素」を接種することで本当に気持ちが切り替わって元気になれればいいですけど、凡そ意識的に「これら」をやろうとしているときって、ケアできないくらい心が疲れており、小手先のキラキラ・ドーピングをしてもグズグズになっていくだけっていう。なんなら糖質取りすぎて体と脳みそがよりボンヤリして終わります。私はこの方法で15キロ太りました(もっとリアルな糖と脂をドーピングしたが…カツカレーとか)

というように、無理にポジティブになろうとするよりも、現実を受け入れながら自分なりの「ちょうどいい幸せ」を見つけることが大切なわけで、それが難しいからこそ「手軽でいい感じの幸せ」に手を伸ばすわけで。要は最後は「自分が何を求めていて、どうなりたいか」って話でしかないのですが、この因果を軽い読み口で紐解いてくれます。

自分を見つめる、紐解くってとてつもなく面倒で、かつ紐解く行為は「見たくない自分のドロドロ」を見つめる作業とセットなのでしんどいのですが、それもせずに目先の手軽ドーピングキラキラお気持ちヨシヨシに依存してると最後は終わるって話ですので、適度に「息抜き」はしつつも、心が何を求めているかにちゃんと目を向けましょう。

7. ぼんやりとした不安感をバターに溶かして焼きあげよう

不眠やストレスに悩む著者が料理を通じて心を癒す過程を描いたコミックエッセイです。私も不眠にはそれなりに悩んでおり、寝れなくてう~~~~~ってなることが多いので、その「眠れない時間」にお菓子を焼いて過ごす…という習慣に励まされたり癒されたりします。人より夜が長いことで、できる楽しみもあるという気付きをくれるというか(つらいのだけれども)

お菓子に限らず料理には「癒し」の要素が多くて、材料を切って刻んでの単純作業で脳みそが空っぽになること、アウトプット(料理)ができること、できた料理がおいしければ3度おいしい…っていう、実行と成果のプロセスを獄短い間に回せる仕組みだからだと思います。ただ、私はその先の「片付け」が面倒で億劫になっちゃうのですが、この本で書かれているお菓子や深夜料理は洗い物などが少ない「ちょっとした」ものも多くあって、自分にできる範囲のものを選らんでマネすることできて素敵です。

「眠れない夜は無理に眠ろうとしないで、自分が心地よいと思うことをしてみる」ことをそっと教えて貰えることで、不眠における「また寝れなかった」と言うどんより感が軽減される気がします。手間がかかるイメージのあるケーキ・お菓子作りの時間に転換する形で提示してくれるので、休むのが下手勢、すぐ寝れない勢にとっても心の支えになります。あと、深夜に作るお菓子作りって少し「いけないことをしている」という気がして、そんな秘密を共有ししる気持ちにさせてくれます。

狼ちゃんが夜にケーキを焼いているさまも、時々はさまる「不安でいっぱいになる」様子も、それをバターに溶かして焼き上げちゃう感じも含めて、深夜のお話相手(一方的だけど)という様相でほっとする本です。

現在3巻まで出ています。私は紙を推奨します。紙の方がいい本ってあるよね。

8. 人生を閉じる最後の住処をどこに持つ?今よりずっと遠くのことを考えてみる。

特に「休み」の文脈で手に取った本ではなかったのですが、予想以上に素晴らしい本で大好きな一冊になりました。手に取ったのは24年4~5月頃、大学院で都市開発系の講義を取った関係で地方都市生活や地方移住の書籍を読んでいる中で気になって購入した…という経緯です。また、遠からず自分たちも直面する「親の老後の人生の手じまいの準備」の指南書としても大変興味深く読めます。

なぜ「お休み」文脈でこの本をおすすめするか?と言えば「人生をどう終わらせるかに向き合う様を見て、自分がどう生きるのかを考えることができ、目先の労働でいっぱいいっぱいになっている場合ではない。」ということを心で理解するからです。

著者自身が80代の両親とともに「人生の最終章」をどのように迎えるかを考え、家の整理や引っ越しを通し、家族や人生に向き合ったエッセイのため、やがて来る「両親の死や介護、自分自身の老い、最後にしたいこと」を考えさせられつつ、自分自身が「どんな風に時間をすごし、どんな風に生活することを望んでいるのか」を嫌でも考えるのです。

帯にある「本当は商店街のそばで暮らしたい」に代表されるように、自分の心からの願望、欲望、叶えたいこと…を、人生の最終局面ではなく、もっと手前から自覚して向き合いたい、かつ人生とは結局のところ「住居と住まう地域」によって満足度がまったく変わるのであろうことを、エッセイを通して理解するので、今書きながら気が付きましたが、自分の住居取得にも少なからず影響を与えていたかもしれません(時期的にはちょとズレるか)

20代~40代だとまだまだ両親も健在で健康…という状況で「終活」的な文脈の本を手に取ることは多くないかなと思いますがぜひ読んでみて欲しい書籍です。

9. 息、吸えてる?空気を取り込ませて体をほぐしてくれる文字列ってあるんだ。

丁度、先日のお休み時に持っていくためのエッセイが欲しくて、著者はもちろんですがわりとジャケ買いで買いました。だって犬、かわいい。表紙は、てらおかなつみさんのイラストです。いやぁ、かわいすぎない?欲しいんだけど…という気持ちでいっぱいです。グッズはそれなりに出ていますが、やはり犬飼いのひとりとして家に欲しい…。韓国人作家のyeyeさんのムンゲちゃんシリーズと共に、原画が欲しい2大アーティストです。

この本はHanakoで長年連載されていた「りぼんにお願い」から抜粋、再編成されたエッセイ本です。タイトルの「深く、しっかり息をして」は秀逸というか、忙しい日々の中で呼吸が浅くなる、目の前のことしか考えられなくなる…的な状況に、立ち止まるタイミングを与えてくれます。無理に「とまれ!かんがえろ!」なんて雰囲気ではなく、手に取ってページを捲るごとに筋肉の緊張が解けて、肺が広がって、自然と空気を取り込めるような、そんな気持ちになります。

私、深呼吸が苦手なんですよね。何?って感じですが、ヨガ(苦手)とか行くと、呼吸についてめっちゃ言われるじゃないですか。息を吸って、吐いて、酸素を体に送って…みたいなの。いやわかるんだけど、わからん…ってなるというか、何!?って気持ちになるんですよ。ヨガはホットヨガならできるけど、普通のヨガはなんかゆったりしすぎていてつまらない…と思ってしまって無理です。せっかちにヨガは無理。

たぶん呼吸も浅くて、しっかり息を吸って、吐いて、脳みそに酸素を送って、物事を深く考えて…という「休息」に繋がる、ゆったり行動の基礎がおろそかだと思うのです。だから睡眠の質も悪いのかもしれない…すべての物事はつながっている…。と、まぁ、そんな人間でも「このリズムが心地よい」と思わせてくれる、空気を含んで味わうように吸っていけるエッセイなんですよね。

川上未映子さんの語り口は軽快だし、取り扱うテーマも多岐にわたっており、エッセイ集らしく「気に入ったもの」だけをピックアップして読んでもいいし、最初から読んでもいいし、いくつか読んで寝かせてみて、再度向き合ってみてもいい。そんな風に自分なりに「ゆるく」時間をかけて、ゆっくりと空気を吸うように楽しむことができます。自分がせかせかしているのを自分で止められない時、休憩をはさんだ時に「何かに寄り添ってほしい時」に手に取るとほっとできるような本です。

怠惰と休息の狭間で自分の背骨を通すこと

厚生労働省の「簡易生命表(令和5年)」によると、2023(令和5)年の日本人の平均寿命で、女性は87.14歳と出ています。約87歳。そろそろ人生半分折り返し地点かな~~~~くらいに思っていた30代後半勢なのですが「結構遠くない???」というのが率直な感想です。

とはいえ、遠くなく迫ってくる「折り返し」地点。40~45歳って、キャリア的にも寿命的にもだいたい折り返し地点で、まだまだ体は動くし、引退までは先が長いし、新しいことも全然チャレンジできる。けれど、「今のまま、このままいける」と思えるごく一部の人を除いて、自分の生き方とか、働き方を少しばかり考えるタイミングなのかなと思います。漠然とした「このままでは無理そう」だなという予感との折り合い地点の探索、といった方が正しそうですが。

若年層時代はひたすら「目の前のことをやること、一定の階段を上ること、時には一段飛ばしたり落ちたりすること」を追い求めていけばよかったというか、見えるレールがありました。しかし、レールの先の分かれ目の何に自分がいるのかを振り返り、上から横から斜めから見て把握した上で、次のレールに乗るのか、道を作るのか、逆相してみて別のレールに乗るのかを決断するタイミングのようです。積み上げたものはそれなりにあれど、その貯金だけでは難しそうだねとか、ゼロリセットは必要ないけれど「どの武器」で戦っていく?の冷静なジャッジを下す時期です。

有り体の言い方をすれば「自分の程度」が知れてきた中でどう人生を生き抜くか?の戦略的な部分と、自分ができそうな範囲の見極めと、自分がしたい・ありたい形の確認の必要性に迫られています。いや、誰にも求められてないんだけど…。

まさに中年の危機(ミドルエイジクライシス)と言われればそうだろうな~と言う感じですが、本当にあったんだ!まさにそれだよ!!という感じです。

中年期特有の心理的危機、また中高年が陥る鬱病不安障害のこと

出典:Wiki 中年の危機

中年の危機の範囲に片足をつっこんだ35歳前後からは、恋愛とか結婚といった「その時は一大事だったイベント」が少し落ち着いており、パートナーを得た上で終わらせるライフイベントもの残機も少なくなってくる中で、漠然とした、しかし重要な「人生」というか、自分自身について考えることが増えたように思います。鳴り響く「このままでいいの?」という問いに対する解の探索です。

私は自分自身の「休むのが下手の休み好き」かつ「駆け抜けられるほど強靭じゃないがそこそこ健康な肉体」と「バカではないが賢くもない脳みそ」と「欲しい物質的欲求と資本主義世界観的な感性」をどうバランスさせるのがいいのか、まだ全然わかりません。が!まぁこの辺りの特性を踏まえて、自分がしたい暮らし(週3.5日正社員、年収800万、+好きなこと)みたいな生活をどう具現化するんか!?!?というのを深堀していこうとは思います。

休息になぜ罪悪感を感じるのか

キリスト教には「安息日」というものがあります。創世記の中で神が世界を作った7日目に休んだことに起因し、この日を模して「労働を禁ずる」日として設定されています。私自身は幼少期からキリスト教系の学校に通っており、日曜に礼拝があり、宗教(キリスト教)の授業があるのが当たり前の生活でした。その中でずっと「安息日」という概念を教えられていたにも関わらず、私は長らくそんなことを忘れていましたし、さらに言えば「休み」への罪悪感を一定持っていました。

その私から見ても「休みに対する罪悪感」という概念、日本において非常に強いように思います。私自身「休め休め運動」をしているにも関わらず、若年時代はどこかに罪悪感がありました。「休む」という活動にふさわしい「何か」をしなくては認められないというか、休みを丸ごとそのまま抱きしめられない。いつも「できていない」ことへの焦燥感ばかりがある。

今回ご紹介した書籍の中でも「休むことへの罪悪感」へのアプローチは複数の書籍で触れられていましたし、私も自分の配下メンバーや周囲を見回しても「休むのが下手な人」は多いと実感しています。しかし「休み」を自分に取り込んでいかないと、パフォーマンスが発揮できないことだけでなく、メンタルをやられてしまったり、フィジカルの問題を抱えたりといった重大な問題を自ら引き起こしてしまう可能性もあります。

「休みが重要!」という言説は、ここ数年でずいぶん浸透し、コロナ禍を挟んでは「体調が悪い状態でオフィスに来る」行為は蛇蝎のごとく嫌われるように(やっと)なりましたが、自分も「きつくても行くのがよい」的な思想というか、思い込みで活動していた時期もあるので、常識や当たり前がいい形で書き換わるのは好ましいです。

大事とわかっていても忘れるのが人間なので、定期的に自分の状態を振り返って「休むこと」を取り込めているかを確認し、自分自身を見直してヘルシーに過ごしたいですね。今回ご紹介した書籍群に限らず「休む」ことをうまく取り込めるためのヒントになる本は多くあるので、自分なりの処方箋みたいな何かを持てることを願っています!今回は以上です。

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