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悪くなったから良くする、以外に注目してほしいこと

リハビリテーション、セラピストの介入というのは、大体が悪くなった部分に着目して、それをどうにか良くしようと、改善しようということに
フォーカスしますよね。

悪くなった、調子が崩れた、歯車が狂った。

だから病院に来られる。その結果薬を飲んだりつけたり、運動療法を
したり、栄養指導を受けたり、処置や手術を受けたりする。

基本的には『悪い部分を何とかする』が前提になっている気がする。

セラピストの養成校でも、基本的には悪い部分を検査や評価をして見つけて分析をして、どうすれば良くなるか、順番までつけて考える、という教育を受けてきている人が多いです。特に理学療法士は。私の養成校も当時はそうでした。今はどうかわかりませんが。

確かにその考えは正しいです。だって悪くなった部分を何とか治せば、また元の自分に戻れると思っているから。

私ももちろんこの考えを持っているからこそ、日々の臨床で頑張って患者
さんと向き合っています。患者さんも努力や行動をしていただいています。


でも、こういう考え方も経験を重ねるうちに出てきています。

何か?

「悪いところを何とかする、だけじゃ足りない」
良いところをより良くする。伸ばす。これも必要

介入していて、リハビリテーションを一緒になってサポートをしていて、
良くなる、治るばかりの病気や怪我ばかりじゃない。

そもそも加齢に伴う変化は、二次性のものは確かにどうにかすることは
できることが多い。

でも加齢による一次性の変化というのは、人間の摂理とも言えるわけで、
それに逆らってどうにかしよう、というのはなかなか難しい。

それに不可逆性の、進行性の病気だって世の中にはたくさんあります。

うちの娘は先天性の肺の疾患をもって生まれました。

それだけ聞くとすごく深刻に聞こえるし心配もされそうですが、その病気は手術で悪い部分を取れる病気だったことが幸いで、今は完治しています。

でも、生まれ持って不可逆性の病気に罹っている方もいます。後天的にそういう病気や怪我をした方も世の中にはたくさんいらっしゃいます。

脳卒中や脊髄損傷とか、ALSとかそうですよね。
もちろん、脳卒中で言えば、麻痺が良くなってほとんど気にならなくなる、という回復過程を経る方もいるので、一概に不可逆性とは言えないのですが。細胞レベルで言えば不可逆性ですよね。死んだ脳細胞は蘇らない。これが覆ることも将来的にはあるかもしれませんが。

話を戻すと、治せない、元通りにはできないことも相当数あるということです。

そうなると、悪い部分を治すとか改善する、という着目の仕方をしていると、それ以上良くならない人には何もできなくなってしまう。

セラピストの役割として、それでいいのか?

これを2年目くらいからずっと考えています。


「いい部分をもっと伸ばす」

こういう感覚を持つというのも大事ではないでしょうか。

できることをさらにできるようにする

私はその考えを持ちながら、今日も仕事をしてこようと思います。
皆さんのお仕事にも、この考えが少しでもお役に立てば幸いです。

ここまでお読みいだだきありがとうございました。

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