「整合を取ろうとしてみる」ことで、必要な「変化の段階」に気付ける
先日の「シン・正しいものを正しくつくる」でコンセプトにおいたのは「整合を取る」ということだった。
左に仕様、右にソフトウェア。
左に仮説、右にプロダクト。
左に人材モデル、右側に育成施策。
左右の整合を取る、取れるように左側を見出し、あるいは右側の実現に注力する。得てして、左が整っていないのに、右側だけを思い込みや深く考えずの取り組みだけで進め、期待外れになる。だからといって左側が大事だからと莫大な時間を投じたところで、正解に辿り着けるわけでもなく。やはり結果は遠いまま。
仮に左と右、それぞれを捉えることができていても、肝心の整合合わせが本当にできるのか、どうやっていけば良いのか、わからないような難題もある。「左に理想の組織像、右に組織変革」なんて描いたところで合っているかどうか分からない。
だから、整合を取ることと同じくらい、「整合を取ろうとしてみる」ことに価値がある。整合を取ろうとしてみてはじめて、左側の不備、右側の無理筋が分かってくる。左右をどう変えていくのか、最終ゴールまでの道筋は見えないにしても、最初に踏むべき段階だけは少なくとも具体化できる芽もあらわれる。
例えば、たどり着くべき「新たな組織としてのあり方、その姿」について確信をもって描くことはできないにしても、最初に踏むべき段階は「業務のデジタル化」なのか、「デジタル人材育成」なのか、それとも「事業創出」なのか。一歩目を講じることはできる。
つまり、左右整合の難解さは「時間軸」で解決する。From-Toの2軸で段階を捉え直す。
対象領域が「組織変革」という大上段のものに限ったことではなく、プロジェクトや、プロダクト作りにおいてもこの考えはあてはめることができる。いかにして、ユーザーの欲するプロダクトにたどり着き、ビジネスを確立できるか。PSF-PMFの概念はまさしく段階に該当する。
事が上手くいかないのは、どこかに「バグ」があるからだ。左右整合の像を描き、段階の展開に取り組もう。