2020年からその先の8年をどう使うか
会社を自分でやるようになってから、元旦よりも4月1日の期はじまりの方が、より切り替えの感じが高まった。年末仕事納めの感覚は毎年のように薄くなっている。2019年から2020年への移り変わりについては特にそう感じた。納まった感じがなかったし、納める気もなかった。特に個人として執筆の仕事を抱えているから、なおさらのことだ。
ただ、それでも2020年は特別な年になると感じている。取り組み方を変えるタイミングになる。この5年仮説検証とアジャイル開発を統合したプロダクト作りのあり方を練ってきた。その結実の一端を「正しいものを正しくつくる」という書籍で形にした。今後、大きな方向性は変わらないが中心に置く概念を「段階」に変えて、実践知としての体系を広げていくつもりだ。書籍「チーム・ジャーニー」はその端緒になる。
そうした知識の適用先も広げていく。国や自治体、大企業、地方アトツギなどトランスフォーメーションに立ち遅れている方面にこそ「段階」の設計とその適応の伴走をつとめていきたい。こうした方面は、まさにこれまでの日本を支えてきたプレイヤーと言える。それが今は逆境にあって、舵取りが難しくなっている。
ところで、自分が現場に関わるのを仮に50歳までと置いて、想像してみる。すると、あと8年しかない。8年といえば、長いように思えるが、それで一旦の区切りと考えると実に短い。こうした仕事についてから今現在に至る年数の方がはるかに長い。とっくに折り返し地点を越えているのだ。ちなみにこういう感覚で時間を捉えると、折り返し地点は起業したタイミングだった。今だと遅いくらいだが、私くらいの年代にはちょうど良かったのかもしれない。
さて、この8年を何に張るか? 40になってから意識するようになったのは「40には40の仕事がある」ということだ。40の仕事は30代が無理してやる必要はない。30代には30代が活躍する局面がある。40には40のつとめがある。自分の方向性を考えるとき、そんなことをいつも思っている。
とはいえ、一人の力は微力だ。速度を伴って大きな変化へと繋げるには難しい。だから、同志みたいな人たちが必要になる。「CodeZine Academy」や「正しいものを正しくつくる塾」のような場作りを始めているのは単なる内職のためではない。これまで、こうした場を現場仕事に乗せてやろうとしてきたが、上手く乗せ切れずにいた。ここに丁寧に時間を使う必要があると感じて、やり方を変えることにした。
2020年、そしてこの先のことが楽しみだ。変化とは脅威ではなく。味方なのだと思う。