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正しいものを正しくつくる

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書籍「正しいものを正しくつくる」に関するマガジン。 https://beyondagile.info/ https://www.amazon.co.jp/gp/product/4…
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2024年10月の記事一覧

週に1回ミーティングを開いたらアジャイルなのか?

 気づけばすっかり隔世の感だが、アジャイルが当たり前になってきている。と書くと、言い過ぎでは?と思われるかもしれないが、出発地点に居た者としては真面目にそう感じている。当時の時間をともにした同朋ならば、きっと同意してくれるだろう。かつてから比べれば、アジャイルは遠くにまやってきた。  そして、仕事柄も踏まえて「アジャイルに取り組んでいるんですが」という枕詞も毎日、いや毎時間のように聞いている。アジャイルに取り組んでいるが上手くいっていない、そもそも上手くいっているかどうかわ

スクラムマスターは「学び上手」を目指そう

 アジャイルとは学習活動のことだ、とするならば、スクラムマスターやアジャイルコーチは学びのための先導役ということになる。チームがより良く学んでいるか、学ぶための状況づくりができているか、に着目する「学習の番人」にあたる。  とすると、学びのためのアクティビティ、プラクティスに関する引き出しを持っておく必要がある。いかにしてチームの学びを促すか、道具を揃えておくことだ。もちろん、それはただ「知っている」という状態のことではない。知っていて、使い方を分かっていて、すぐに道具を取

「アジャイル」の何が難しいのか?

 「アジャイルをやろうとすると、組織のこれまでの規則や考え方と合わないところが出てくる。だから、アジャイルを取り入れるのは難しい」  という反応を得ることは少なくない。もう10年も20年も前からこの声はある。それでいて、なお、いまだにある。そう考えると余程のことであると思えてくる。アジャイルが革新的すぎるのか、それとも組織が病的なほど固まりすぎているのか。  アジャイルという営み自体がこれまでのあり方とはあまりにもかけ離れている、というのは確かにそうだ。例えば、「職能横断

仮説キャンバスは全体に対するセンター、芯

 このところ、またこの言葉を繰り返すようになっている。 「まず、仮説キャンバス作りましょうか」  仮説キャンバスを作るところから話は始まる。正確には、"話を始める"。キャンバスを書こう、話はそれからだ。  20枚、30枚のプレゼン資料を読み解くことに時間をかけるよりも、仮説キャンバスをさっそく相手と一緒に作ったほうが早い。何しろ相手は、テーマに対する20枚、30枚分の知識がすでにある。  こちらからは要約の仕方(これが仮説キャンバス)を提示できれば、ベストな協業が始め