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正しいものを正しくつくる

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書籍「正しいものを正しくつくる」に関するマガジン。 https://beyondagile.info/ https://www.amazon.co.jp/gp/product/4…
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2022年9月の記事一覧

目標だけあっても、見えていることしか分からない。指標を置く意味を知ろう。

 よく話を聞いてみると、「目標はあるが、指標がない」という状態はたまに遭遇する。目標はあるが、指標は置いていない・追っていない、はて、なんのこっちゃ?  目標と指標は違う。結論から言うと、 つまり、目標とは目指すもの。指標とは計測するもの。  目標を定性的に捉えるのではなくて、定量的にも捉えようという話? いや、定性か、定量かは、基準や観点の「具体」をどう表すかの違いであって、ここで言いたい目標と指標の分けとは異なる。目標にも指標にもそれぞれ定性と定量の2軸が存在する。

「勘が良い」とは、「捉えるべき他者とは誰なのか」が見えているということ。

 適切なタイミングで、適切な行為やアウトプットを生み出す、このケイパビリティはどこから来るのか考えてみたい。いわゆる「勘が良い」とか「筋やセンスが良い」という言葉が当てはまりそうだ。  結論から書くと「誰が見えているか」に依るのだろうと思う。私達の仕事は常に誰かがいて成り立つ。それはチームメンバー、同僚であるし、顧客やユーザーも勿論範疇に入る。上司や関係者といった外周の人たちもいる。まとめていうと自分以外の他者であり、彼・彼女たちが見えているか、ということになる。  他者

自分から「自分」という主語を引き剥がして、観ることができるか

 仕事柄アジャイルについて話すことが多いわけだが、その反応には様々ある。伝統的な組織で話などをさせて頂くと、ある種のステレオタイプ的なコメントが返ってくることがある。  アジャイルといえばスプリントを繋いでいき、回転をイメージとして抱きやすい。その様はまさに、動的で、ともすると慌ただしく、くだんの足が地につかない感覚を想像するのだろう。その気持ちは分かる。  分かるので、そうですよね、ちょっと難しさがありますよね、といった具合で受け止めてきている。ただ、こうしていただく反

2つの時間帯を使い分けて、「あいまいさ」をマネジメントする

 想像すらついていないところに、私達が辿り着くことはできない。掲げたビジョンが指す状況、状態がどのようなものか。もし言語化できないとしたら、私達は本当のところどこへ向かいたいのか分かっていない。  今までにはない方向へ踏み出すのだとしたら、その先の具体的なイメージを持つことは難しい。明確なありたい姿を表現することができない。だからこそ、探索的な活動が必要ではなかったの?  そう、分からないからこそ探索が必要で、その重要性についての理解は明らかに増している。ひところに比べる