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[ネタバレしかない] Children of the Sun レビュー

値段:1700円
リリース日:2024年4月9日
クリア時間:2.2時間
実績:6/21 意欲的に達成は目指してない
日本語対応:テキストはそもそもあんまりないが、完璧翻訳

怪しい仮面を被ったキャラを左右に操作して弾を撃つだけという、ゲームを開始した直後からかなりピーキーなゲームだという印象が伝わってくる。

全く前情報無しで始めたので、一発の銃弾が敵に当たると再発射できて、全員を一発で倒すとステージクリアー!という、ある意味昔のアーケードゲームのようなシンプルイズベストゲームで結構びっくりした。

一発の銃弾で全ての敵を倒すというから、敵が一直線に立っててそこを探すとか、トライガン的に跳弾で倒すゲームなのかと思ったら、なんと再発射できる。つまりは一筆書きゲームだった。

一筆書きで全員殺す!

なので、正直なところゲームを始めて数ステージは、「ほんとにこれ、面白いのか…?単純すぎない…?」と思っていたのは確かだった。

・一筆書きだけ…ではない!

しかし、徐々に単なる一筆書きに要素が付け加えられていく。

途中に壁があったり障害物があると普通に失敗するし、敵も動き回るものもいる。敵ではなく鳥を撃って空中で方向転換することもできるし、車の給油口やオイル缶を撃つと爆発して、敵を巻き込むのと同時に方向転換ができる。が、これは画面全体が爆発で見えなくなるので結構諸刃の剣。

更に弾自体の能力が強化され、途中でスロー状態になりかなりの角度で曲げられるようになったり、弱点を撃って殺すと360度どこでも再発射できるようになったり、遠くから加速するパワーショットなど使えるようになる。あえて空中に発射して周りを見渡してから狙いを定めるという、超能力バトルめいた使い方も可能。

狙い通りに一筆書きできるとかなりの爽快感。でもSteamレビューで何人かが書いてたように、クリア後の軌跡画像だけではなく弾視線で発射後から最後の1人にぶち当たるまでリプレイできたりしたら更に面白かっただろうな。

敵やオブジェクトはマーキングすることもできる。敵の場合はちゃんと数や敵の種類も表示されるので便利。最後の一人が見つからなくてヤキモキするのもまたおもしろい。が、敵の数が多い、難しいステージだと結構つらい。

ステージのやり直しは楽だし、敵のマーキングも残っているのだが、鳥や車などのオブジェクトへのマーキングは残ってくれないのが地味に不便。

・敵も一筋縄ではいかない

最初は頭どころか指先でもどこでも撃たれたら死ぬ貧弱兵士だけだが、盾を持ってるから前面は無敵なもの、アーマーを着ているからパワーショットで遠くから撃って加速しないと絶対に倒せないものなど、厄介な敵が徐々に増えてくる。極めつけに銃弾を弾き返すバリア敵すら出てくる。

ステージも広い野原やせいぜい森林だったのが普通に建物の中に敵が配置されたり、車に乗って動きながらパトロールする敵なども出始めて、敵がどこにいるかもわかりにくくなってくる。

ほとんどのステージは物陰から一発撃つものだが、たまにミニゲームだったり、車で追いかけながら移動する敵の車を全部撃つという高難度ステージがあったり、変わり種もある。車のやつは当たり前だが車も並行して動くのでかなりしんどかった…

・実績

実績にもなっているステージ内ミッションがあり、大体ステージのサブタイトルみたいになっていることを実践すると達成できる。ガソリンスタンドにたくさん車が停まっているので、それを全部破壊すると「火の海」というサブタイトルになって実績解除、みたいな。

列車の間を通す…んだと思う(未達成)

他にも走っている列車の間を通って行くとか、狭いモーテルの部屋の中を移動するとか、かなり難易度の高いものもある。

ただクリアに必要ではない。クリアポイントに加算されるだけ。そして結構難しいので自分は積極的にはやらなかった。

・ストーリー

ストーリーはなんだかよくわからない。たぶんChildren of the Sunという宗教団体に復讐する主人公の話。子供の頃にここで育てられて殺し屋に仕立てられたのか?とにかく教祖のヒゲサングラスをぶっ殺すお話。

たまに幕間にストーリーが入る

まあ、ストアページを読み直したら全部書いてあったけど…

ゲーム中ではテキストでの説明はほとんどなく、ぶつ切りのマンガみたいになっててよくわからん。とりあえず血まみれでオシャレで目がチカチカする。

でも、最初は怪しい仮面を被ったアサシンが敵を皆殺しにしていくだけだと思って淡々と遊んでいたが、ステージが進んでストーリーが少しでも分かってくると徐々に主人公の女の子に共感して、敵どもを残虐に殺してやるぜー!という気分になってくる。

・イライラ棒

難易度が上がってくると、爽快感はどこへやら、結構イライラすることも増えてくる。移動する車を撃つなんてまだ序の口だった。

超能力を持つのは主人公だけかと思ったら、カルト側も普通に能力を持ち出して、空中浮遊+バリアという、なかなかの反則技を使い始める。そしてアーマーと混じり、だいぶイライラ棒状態。

アーマーを確実に倒せる距離というのがいまいちわからず、かなり遠くから加速して倒す必要がある。狙ったときの照準に今なら倒せるよみたいなマークを出してほしかった。ギリギリ行けるか!?カーンと弾かれて終わり、というのが頻発していた。

そしてバリア野郎!こいつがまたしんどい。バリアに一度弾を当てないと解除されないのだが、一定時間経つと何もなかったかのように普通に張り直される。

最終ステージなんかバリアだらけ

こいつを倒す方法としてはバリアに当てて方向が変わった先にいる敵を倒してから方向転換して攻撃するか、弱点攻撃をして方向転換パワーを溜めた状態で攻撃するのどちらかしかない。

そしてここが厄介なのだが、どうもスローにしている間も時間はそこそこ早く流れるらしく、それも含めると一度当てて180度方向転換してスローで狙いを定めて、とやっているだけでバリア復活まで割とギリギリになる。更にSteamdeckやコントローラーでやっていると、マウスと違って方向転換が結構ゆっくりになる(感度を上げると細かい調整ができなくなってしまう)ので、180度方向転換がかなり鬼門。

なのに最後の2ステージでは狭いエリアにバリアとアーマーがたくさん配置していて、遠くからアーマーを倒し、行き掛けの駄賃にバリアを攻撃してその先にいる敵をギリギリ倒して急いでバリア野郎に攻撃して… でもアーマーはそもそも弱点がないから方向転換パワーが溜まらないし… 一筆書き爽快ゲームかと思ったらなんでこんな時間ギリギリリソースもギリギリな管理ゲームになっているんだ…!

でもまあ、ラストステージの綱渡り感はちょっとやり甲斐があって楽しかった。広くて見やすいエリアだと解放が色々あるので楽しいゲームである。逆にラストステージひとつ手前の峡谷ステージがかなり苦しかった。

最後の軌跡はもうわけわからんことに

・まとめ

というわけで、ゲームクリア自体は2時間ちょいでできてしまうが、かなり濃密なプレイを楽しめる。ストーリーもなさそうに見えて濃いし、ゲームプレイも最初はただの一筆書きかと思いきや要素が追加されてなかなかやり甲斐が出てくる。

クリア時の弾の軌跡を保存できるという謎機能があったり、コンボキルしたりヘッドショットや爆発巻き込みなどのテクニカルな殺し方をすると点数が高く、それで他のユーザーとハイスコアを競えるというスコアランキング機能があったり、各ステージに特別な条件を満たすと実績解除になったりするが、あくまでもオマケであり、本編は一直線。

ランキングで他のアサシンと競え!

最初の方の簡単なステージや、とんでもない距離からスカーンとヘッドショットを決められたとき、車や爆発物で敵を巻き込むステージはかなり楽しかったものの、最後の方のステージは正直なところ早くクリアさせてくれ… という気持ちになっていた。

実績やハイスコアやりこみをする気は一切ない。一度体験しただけで十分であり、そこまで最高!おもしろい!というゲームではなかった。が、「このゲームでしか味わえない体験をする」というインディーゲームの大事な要素だと思っているものはしっかりと味わえたので満足。

オススメと言えるかどうかは… うーん、ちょっと難しい。無条件でオススメではない。Steamレビューはオススメにはしておいたけど… やっぱり人を選ぶな。

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