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夏休みが1ヶ月あったら
社会人になると、特に会社勤めでは長期の休暇は取りづらくなるもの。1週間でも仕事の調整や引き継ぎが大変なのに、これが1ヶ月ともなると、ほとんど休職するくらいの強い意志を持たないと、なかなか実現にこぎつけることはできない。
そういえば、子供の頃の夏休みは1ヶ月だった。"宿題"という足かせはあったものの、始まるのが待ち遠しくて待ち遠しくて、休みに入ったら毎日何をして遊ぼうかワクワクしていたものだ。
いま突然1ヶ月間休みなさい、と言われたら何をするだろう。
土日のお休みだけでは足りないな、と感じているもの、今だったら「パンの作り方の研究」。
パン作りを始めて1年半、ほぼ毎週なんらかのパンを作っているのだが、困ることといえば、思い通りのパンができなかった時に、レシピや手順を調整してもう一度作ってみる、ということがしづらいこと。
何パターンか試してみて原因を特定したいところだが、週1回となるといったい何週間かかることか。その間ずっと同じパンを作り続けることになるので、それはさすがに奥様が許さないだろう。
たまには違うパンがたべたい!、と。
それ以外では、離れて暮らす老いた母のもとで、彼女の終括のための身の回りの整理などをお手伝いしてあげることだろうか。
2年前に父が亡くなってから、実家の荷物はほぼ手付かずの状態。仕事道具などもう使わないものもそのままだし、衣類などの父しか使わないものも残ったまま。
整理するのはそれなりに大変なことだから手が付けられないのか、それとも父との思い出がなくなっていくのが耐えられないのか、このことについて、母とじっくり話したことはないのだが、そろそろちゃんと向き合わないといけないタイミングなんだろう。
さて、ほかには?
旅行にも行かないし、時間のかかる趣味があるわけではないので、改めて考えるとこの程度しか思い浮かばなかった。
浮かんでくることといえば、意識的に時間を取る工夫をすればいつでもできることばかり。普段どれだけ時間をムダにしているのかということに、改めて向き合うことになってしまった。
休みが少ないから、ということを言い訳にするのではなく、今使える時間をどううまく使っていくのかを常に考えようとすることが、逆に長期の休みが手に入った時にそれを有意義に使う姿勢につながってくるのではないだろうか。
さて、あなたは夏休みを1ヶ月もらえるとしたら、何をしますか?
この投稿は、ことばと広告さん主催のメンバーシップ「書く部」の企画、「#夏休みがもし1か月あったなら」をもとに執筆しました。