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Map of The Human Heart 「心の地図」

あまりにも美しくて だからこそ哀しい哀しい戦争映画だ。

1931年、結核に冒されたイヌイットの少年アヴィックは探検家に助けられカナダの療養所へ入る。そこでアヴィックはアメリカ先住民族と白人の混血少女アルベルティンと出会う。似た者同士だった二人は友情を超え深い信頼関係で結ばれるけれど、やがて離れ離れに。それから10年、UK空軍のパイロットとなったアヴィックと美しく成長したアルベルティンはロンドンで再会。でも、戦争が、北極圏、モントリオール、ロンドンと二人に数奇な運命をしいていく…

爆撃機から、つまり上空から下を見るドレスデン空襲のシーンは、あまりに美しすぎて今も忘れられない。ときに映像詩のような作品が、その美しさ故に、返って戦争と庶民との関係を冷徹に描くものだとおもう。アヴィックも悲しい一生を送ります。彼はあの時代に生きていただけなのに…

この作品は英雄物語ではない、ひとりの兵士の物語だ。

原題「Map Of The Human Heart 」 邦題「心の地図」1992年
イギリス/フランス/カナダ/オーストラリアの共同制作監督:ヴィンセント・ウォード主演:ジェイソン・スコット・リー/アンヌ・パリロー