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また面白くなる
少なくともヨコハマ都心は、たぶん闇市からのやり直しになるでしょう。
みなとみらいのアリーナや横浜駅西口あたりの再開発事業はオリンピック・バブルには乗り遅れ、新庁舎の新築は、関内地区を中心に旧・都心の空洞化を決定づけるでしょう。
そして公費によるビジネスの横行は未だに止むことはない。為政者は、たぶん、しゃぶり尽くすつもりです。
そもそも1980年代頃の、横浜市役所の景観保全、アーバン・デザインなどの施策あたりから空間性は肥大化し、等身大に体感する街の面白さ=場所性は劣化していったヨコハマ。建物や街路の威圧感は増し、街かどの親和性や面白さは薄らいで、居心地の悪さと空虚さ、つまらなさばかりが増殖していきました。
(港南区や金沢区、港北ニュータウンなどの郊外型の住宅地も同様です)
そして、市役所の財政も悪化の一途、たぶん、これから市民や街への手当てが必要な場面があっても、市役所にはそれを可能にする財政力はないでしょう。それに市役所は必要な人材を育ててもきませんでした(有能な人は煩いんで、各種のプレッシャーをかけて追い出してきちゃいましたし)。
ヨコハマの都心性は東京に吸収されてしまうのだと思います。もちろん自律性も失います。でも、街は街です。自律性が失われるとはいっても、それで立つ瀬を失くすのは自治体=横浜市役所であり、その為政者たち。あるいは自治体予算を利権としてきた地域企業。むしろ、ヨコハマの面白さを奪ってきた張本人たちです。
ヨコハマは(当時の)貿易利権が生んだ「嘘」から出た誠な街です。
たった160年ほど前まで「海(溺れ谷を干拓した、よく水害に遭う田んぼ)」だったこの街に伝統はありません。でも、だからこそ、この街場は、誰だって「よそ者」「デラシネ」。彼らを縛る伝統はありません。
だから、宗主国からの提督のように君臨する為政者たちの勢いが落ちてくれば、庶民の時代になってゆきます。敗戦直後の闇市の時代が面白かった所以です。
そうなれば、またヨコハマは面白くなります。また美空ひばりさんのような不死鳥を生み出すのかもしれない。
つまり、鬱々とする必要はないのかもしれません。