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世相

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時計の針が進む、そのスピード。20年前にはIPhineはなかった。つまり、この20年はただの20年じゃなかったんだ。どの世代だって、今に合わせて、自分の認識をアップデイトできてい…
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#不時着に備えよ

そんなもんなんだ

川本三郎さんの著作「向田邦子と昭和の東京」(新潮新書/新潮社)に、こんな一節がある。序章が始まってすぐのところ。 しばらくあって… と。 うちのオヤジも「東京を壊したのは空襲じゃぁねえ、オリンピックだ」が持論だったけど(ここでいう「オリンピック」はもちろん1964年開催の東京オリンピック)、この国に継がれてきた生活文化を殺したのは、やっぱり「テレビ、冷蔵庫、洗濯機」を「三種の神器」などと呼んだ、あの高度成長期だったんだと思っている。 僕は1961(昭和36)年の生まれ

金の卵

中学校、あるいは高校までを故郷で過ごして、でも、それで大都市に出てきてしまえば、彼が生まれた家や地域に直積されてきたキャリアからは切り離されてしまう。つまり、都会でのキャリアを一から積んでいくしかなくなりる。もちろん都会暮らしには初心者だ。しかも、戦後の都市においてはコミュニティの存在も希薄。新参者を迎え入れてくれる度量にも乏しいものがあった。 彼らは故郷での経験しか持たず、都会に出てきてからも、実質的に「会社の中の人間関係」にしか経験を持たない。様々な人々が様々な慣習と常

組織ワーク

横浜市の東戸塚にある「フォートンヒルズ」は約6.2ヘクタールに総戸数888戸という、かなり大型の集合住宅。 森との共生をテーマに、民間のデベロッパーである藤和不動産が開発したが、建築や空間、ランドスケープなどのハードだけでなく、居住者が入居した後のライフデザインやコミュニティ・デザインにも、真剣に留意したレアな物件。「藤和不動産50年の歴史を見ても、また、不動産業界全体を見回しても、従来の『マンション販売宣伝戦略』の常識を完全に打ち破る、まさに画期的な試みであった」(小田豊二

生き延びようとしてしまうから

GPSな人工衛星「みちびき」の精度は誤差6cm、5Gな容量のデータ通信も実用化されて、開業医だって危ないし、土建な工事、農作業もAIとロボットが担う時代になる。軍事的な行動も、現場はロボットやドローン。つまり、兵士いらずな時代になると、もう行き場がない。「みんなで呼吸を合わせて頑張らないと」という時代は完全に終わりになっていく。どんなに遅くとも、僕が高齢者になっている頃(今、僕は59歳になるところです)にはそうなっているはずだ。 そんな時代になると「みんな」が塊になっている