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ジョン・デンバーはカントリー・サイドを歌う。 ジェームス・テーラーも名盤とされる「Gorilla」の頃は 都市を歌っていたが、後年は、やっぱりカントリー・サイドを 歌うようになったように思う。 アルバム「Before This World」の頃になると、彼は森の歌い手だ。 でも彼らのカントリー・サイドには「水気」がある。 乾いてはいない。 砂漠な感じは ライ・クーダーやニッティ・グリッティ・ダート・バンドなど 六角精児さんの「呑み鉄」で、よくフューチャーされているやつ。
「深夜食堂」は決して、料理や食事が主役のTV番組ではない。 料理や食事から始まる(あるいは終わる) 食堂の客と店主が織りなすドラマ(筋書き)が この番組のメイン・ディッシュだ。 そして、そのドラマが、いつか都会の孤独を埋めてくれる機会に巡り会えるのかもしれないという期待に繋がって、 僕は、この物語の大ファンになった。 ところが脳出血に倒れてみると、そのドラマ(筋書き)を追っていくのがシンドくなってしまった。 端的に頭がついていかないのだ。 脳出血の後というのは不快感の
世間のいうところの道徳… そういうものに従わないからといって、ただただ「わがままな」というわけではなく、世間が求める水準より、はるかにやさしい人だということもある。世間の常識に縛られるのではなく、自らの「公」を自らデザインし、実践している… この映画を見ながらそんなことを考えた。 「大阪ハムレット」 三兄弟のお兄ちゃんは、一昔前の言い方で言えば「オジン臭い少年」で、中学生なのに大学生で充分通用してしまうほど。で、間違えられて、はるかに歳上の女性と恋愛関係になる。次男坊は
1966年だから昭和41年だ。 楽曲「これが青春だ」は、布施明さんのデビュー曲 竜雷太さんをメジャーに押し上げた 青春ドラマといわれるジャンルの先駆け的な 同名作品の主題歌だ。 以下はその歌詞 今じゃ、時代がついてこないだろうと思う。 大きな空に 梯子をかけて 真っ赤な太陽 両手で掴もう 誇り一つを 胸にかかげて 怖れ知らない これが若さだ そうとも これが青春だ 嵐のなかも 君のためなら 七つの海を 泳いでいこう 誇り一つを 胸にかかげて 夢に飛び込む これが若さだ
「ウルトラセブン」。その第42話に名作「ノンマルトの使者」がある。 ノンマルトとは、僕ら人類の誕生以前に隆盛を極めた「前・地球人」。彼らは、僕ら人類の祖先に追われて今は深海にひっそりと暮らしている。 ところが人類は、その深海をも開発しようとして彼らと衝突する。もう、人類は「前・地球人」を深海に追いやった経緯をすっかり忘れてしまっていて、ノンマルトは、ただの異星人。開発を邪魔だてする悪者。しかしM78星雲からやってきたウルトラセブンは、その「過去」を察し始め、ノンマルトを殲
若い世代の方は、あの頃の「角川映画」の勢い…たぶん想像がつかないと思う。「セーラー服と機関銃」=薬師丸ひろ子さん(1981年)。「蒲田行進曲」=風間杜夫さん、平田満さん(1982年)… あの頃の大衆文化は「角川映画」以外の部分は全部、空白だったといっても過言ではないくらい。 とにかく、ものすごい情報量がマスメディアを席巻した。 テレビCMをバンバン流し、雑誌にパブリシティを展開し、原作本を本屋さんの店頭に平積みにしてメディア・ミックスな発信。すでに1977年には映画「人間
特技で円谷英二監督が参加されているから、そういう意味では特撮映画なのかもしれない。主演はフランキー堺さんと乙羽信子さん(ご夫婦役)、その長女が星由里子さんで、彼女の恋人で若き船員役に宝田明さん、脇を固めるのは、山村聰さん、東野英治郎さん、笠智衆さん、上原謙さん(加山雄三さんのお父さん)などなど、当時、いわゆるオールスターオールスター・キャストで製作された作品だ。 映画「世界大戦争」(東宝) 1961(昭和36)年10月に公開されたこの映画は、東西冷戦の中、ついに両陣営によ
メジャーな映画から「巨匠」って、もう生まれないような気がする。メジャーな映画はもっと「消費材」になっていくと思うんだ。
ときどきCSやUHF局などで「傷だらけの天使」が再放送される。 1974年からの放送、全26話。すでに伝説となっているTVドラマが、今になって観ると、出口のない「下流社会」に生きる若者たちを描いたドラマでもあったな、と。 (1974年当時は、そんなふうに観ることはできなかった) 学歴もなく、老後なんて気にする必要があるかと思えるほどに「死」は隣り合わせ。いつだって誰かに利用されながら、でも、もがきながらも懸命に生きている。ずる賢くなく、まっすぐに生きていく若者たちの悲劇と
曲名「アカシアの雨がやむとき」 アカシアの雨にうたれて このまま死んでしまいたい 夜が明ける 日がのぼる 朝の光のその中で 冷たくなったわたしを見つけて あの人は 涙を流してくれるでしょうか この詞を書かれたのは、故・水木かおるさん。1960年代の歌謡史を語る上で、外すことができないといわれている大ヒット曲(1960年発売)。藤原秀行さんがおつくりになられたメロディーも、また、この歌を唱われた西田佐知子さんの声や、感情を押し殺したようなソリッドな歌唱法も含め、どーんと悲し
2001年のその日、僕は前の晩から仕事をしていて朝を迎えていた。つけっぱなしだったテレビが、1機めが貿易センタービルに突っ込んだあたりで速報体制に入り、奥さんを起こして、ベッドの側のテレビをつけたとたんに2機めが突っ込んだ…最初は、たんなる航空機事故と思っていたのだけれど、どうもそうではないと思った瞬間、僕は、劇場版の2作目「機動警察パトレイバー 2 the Movie」を思い出していた。 「機動警察パトレイバー 2 the Movie」は1993年の作品。 物語は、とあ
1972年かぁ… 僕はまだ小学生だ。 紛れもなくターゲットは団塊の世代だろうな それにしてもこの気だるい雰囲気は何だろう… 連作のCM でも「三太郎」ほどストーリーの連続性はない。 だから、一概に「気だるい」とばかりはいえないし 「お茶目」な印象に、仕上がってるのもたくさんある。DVDが出るまで(BDがあるのかも確認)知らなかった。全く記憶にないもの多数。こんなにバージョンがいっぱいあるなんて思ってもみなかった。 (小学生だったしね) でも、BUZZさんの切ない唄い方は
下に写真は、WOWOWで製作され、2003年の2月(もう20年前か)、フジテレビのスペシャル枠で放送されたTVドラマ「センセイの鞄」DVDのジャケット。 川上弘美さんの原作も人気作ですし、漫画にも、舞台にもなっているようでだけど、僕は、このドラマ版が一番好き。久世光彦さんらしい演出、筒井ともみさんらしい脚本。オーケストラのような重厚に過ぎる感じのない、カルテットな感じで奏でられた名作だと思っている。 それにしても、まさに、この物語こそが、小料理屋か居酒屋的店舗の妙というの
1996年の公開だから、もう軽く四半世紀も前の映画になる。いわずもがなの岩井ワールド。岩井俊二監督の「スワロウテイル」。 バブルはとっくにはじけていて「空白の90年代」のまっただ中(その後、「空白の30年」になると思っていた人はいなかったろうけれど)、すでに「円」という通貨にかつてほどの迫力がなかった時代。だから「円」の強さに、内外から人々が引き寄せられてくるという設定に、ちょっと違和感があったんだけれど、岩井監督が言いたかったことは、そんなことじゃなかったんだと思っている