だちんのダメダメ日記(連載第10回)2016.12.15
あまり気にしないようにしているけど、ほんとうにくだらないことでイラついてしまうのがweb。グループであいついつも俺にだけいいねしないってことは嫌ってやがる(生意気に!)みたいなことは永遠と、またあるからこそ抑揚があることも僕わかってて、疲れて、Youtubeでモーツァルトでも聴いて見ようという気になった。ー「きらきら星変奏曲k.265」
僕は全然クラッシックを知らない。好みではないんだ。それでも寄り添う気持ちもある。意外な何かがあるかも知れないから。範疇外・趣味の範囲外から引き出されることって多いと思う。
あ、この曲は....知ってる。そしてwebの些細なことなんか忘れたよ。この曲に浸ってしまえば。
でも、長くてなんだか眠くなってきた。「なんて眠いんだ!」まるで睡眠薬ですよ♪ キラキラと、それでも飽きることなく同じフレーズが繰り返されてはバタンと閉じられるんだ。脅迫のような恐ろしい音楽だと思ったよ。
我慢できず僕は隣の部屋のベッドで寝ることにした。数時間。それでも隣からはピアノの音が流れ続けて、あーよく寝た....起きて戻ると、真っ暗なパソコンがピアノのようにまだ音を鳴らせ続けていたんだ。
おかげでYoutubeの履歴は、ベートーベン~ドビッシー~ショパン~チャイコフスキーまで睡眠学習のように埋め尽くされていて、僕が画面をカラーにした時には全盲のピアニストである辻井伸行さんのー「ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第二番 ハ短調作品18」が繰り広げられているところだった。
辻井さんのピアノは好きだ。以前にラジオで聴いて、ほんとにいいと思った。これは僕としては珍しい部類のことなので。
だけど、長くて他のことをしたいから閉じようと思ったら、パソコンがフリーズ気味でどうしても曲とホールの大歓声は鳴りやまない。
僕は強引に電源コードを引っこ抜いた。
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たいした家庭ではなかったけど、親が小学校に入学と同時に僕ら兄弟にヤマハのスタンドピアノを買い与え、個人レッスンに通わせた。
先生は若い女性で、いつもドレスなんか着て、部屋にはグランドピアノだけがドンと置いてあって確か、そこで付き添いでバイエルとかをやるんだけど、僕らはまるでピアノに興味を持てなくて、宿題さえ全然やらないやる気も才能もないバカだった。だからいまだにピアノはまるで弾けないし、大人になって、こんなダメな人生になるのであれば、親に感謝してピアノ1本でプロとかそういうことではなくても道みたいなものにしておけばよかったと思うこともある。過ぎてしまえば、そのなんの意味もないレッスンさえ、先生の肖像だけでも人生を豊かにしてくれたものだと思っている。
先生は優し気ではあったけれど、近所の友達のお母さん連中などに比べたらどこからどこをとっても一般的な愛想にかけていて、綺麗な顔立ちではあったけれど、小さな僕からしたら芸術の女とでもいうような、つきまといたくなるような魅力に欠けていた。あんな女の人と....本当に僕はそんなピアノの女性と同じ部屋にいたんだ。今では泣けてくる程、先生の存在が愛おしいように思える。僕がほんとにダメな子供。それでも先生はただ僕にピアノを教えた。なんの愚痴も文句もいわずに。僕が宿題のひとつもいつもできなくてなんの進歩もなく忘れて、ほんとうに申し訳ないほど、やる気のかけらも見せられなかった。そんな先生はほんとにまるで、芸術の鏡のように、モツァルトのように、ほんとうに、いたんだよ。いまだにクラッシックの魅力を途中でぶっちぎるような僕は、それでも先生がなんか愛しいんだ。
こんな話をするつもりでもなかった。僕が始めて音楽を好きになってレコードを自ら買いに行ったのはゴダイゴの銀河鉄道999だから、僕はもし銀河鉄道999とピアノが同時期に揃っていたら、もう少し音楽にのめりこんでピアノも練習したかも知れない....なんてことも思う。
でもほんとうにどうでもいいこと。僕がピアノといた。先生といた。そのことの方が、かけがえがないと泣きたいほど思えるね。
読んでくれた人ありがとう。写真は昨日の日記を読んでくれた人にしかわからない話なのですが、光進堂って好きだった近所の本屋さんで閉店の時に最後に購入したピアノの、それと安かったので、記念に美しいので、使うあてもなく購入した五線譜の数冊のnoteでした♪
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