この世界は本当に最悪だ。それでも生きているみんなへのメッセージ漫画「ジーンブライド」感想
まずは外側の話から。
「私の少年」を生み出した天才。高野ひと深による新作。天才。
いや~私の少年はかなり良かったよね。アラサーと小6の、恋というか、憧れや母性、色んな感情がボンゴボンゴと沸き起こる作品だったよね。
どんなモンかと手に取ってみるとま~~~~これは装丁が綺麗。私の少年も表紙とか綺麗で感動したんだけど、今作も本としての完成度、すごい!
内容書き出し羅列 簡単感想
・なるほどね、女は生きづらいよっていうツイッターでよく見るやつね。それの質が高いバージョンね。
・美人ってだけでこんなに生きづらいか?いや、確かに面倒ごとは多いかもしれない。それはありそう。でもメリットデメリットあるだろうし、そんなに怒ることか?
・相手に可愛いって思われたくないから黒づくめの格好で行くっていう精神、わからん~。仕事中にそんな相手の格好見てないよ。
・「これもセクハラになっちゃうのかなあ!」おじさんってもう流石にいないでしょ・・・いやいるか。
・「いいよね あんたらはあんたらの事だけ考えてりゃいいんだから。あたしらは あんたらの事までまで考えておかないと 死ぬかもしれないっていうのに」
・まあ~たしかにね。人口の半分が女じゃなくて、自分の事をすぐ好きになる大谷ばっかりなら怖いよなあ。「女は男の4倍不安を感じやすい」っていうらしい(なにかの本参照)から、そおれはしょうがないというか、そうなんだ・・・という感じだ。
・護身術ってそんな上手くいくか?初対面の人にパッとやられたハンドサイン見て、「助けて!」って言ってる!ってなるか?っていうご都合主義、そうはならんやろみたいなの多い。(って思ってたけど、遺伝子操作されているという事実発覚に能力が高いことが判明。それで回収しているということでいいのかな)
・遺伝子操作ということでまさかのSF!?この漫画はSFがメインだったのか!?
・SFメインらしい。生きづらい世の中×遺伝子操作系SFの合わせ技だ。
・PC上のシミュレーションで2億7千回死んで、やり直してやり直して生まれたのが主人公らしい。すごい。設定おもしろ。
・「ここから一歩外に出たら 毎日あたらしい地獄が待ってる でもその地獄には あたしがいる」かっこいい~~~それ僕も言ってみたい。でも主人公ずっと仕事中「ハァ~うんこたれがよ」って言ってるからどうなのお前それ本当に人生楽しいんか?美人に生まれたのに文句ばっかり言ってるやん。
・最後はSF要素強めで僕は好きだった。結末が「学園の闇、ぜ~んぶ解決しました!よかった!」とかじゃなくて、「学園長が女性になって、なんとなく世間体的にやんわりと良くなった感じはするんだけど全く何も解決してない」ってのめっちゃリアル。すごい。
という感じでした。
全体的な感想
【生きづらい系パート】
ストーカーとかセクハラおじさんとかはまあいるんだろうね。それはダルそう。「女は男の事まで気にして生きてないといけない」っていうのが伝わってきた。面倒なんだろうね~。
でも男の身としては「そんな気にせんでええやろ!気にし過ぎやろ!」って思わざるを得ないし、女であることのメリットも絶対にあって、なんなら主人公は超絶美人。それなのにネガってばっかりで面倒くせえなと思ってしまった。
作者は「この時代にこんなに怒っている」というのを伝えたかったらしい。そしてテーマは性加害ということで、まあ声は上げたほうがいいね。性加害にはいっぱいあって、撲滅したい!ということらしい。
あんまり深く語るのは面倒というか、ジェンダー論は興味無いんだよな。
セクハラとかストーカーとか、殆ど男が悪い事の方が多いんだけど、それって男も性欲に苦しめられてるし、女はそれを利用して稼いでる人もいて、力は男が強いけど、紛争になったら女が強いし、女であることのデメリットしか描かれてないけど、メリットも必ずあるワケで・・・解決しないよねこの論争。だからどうでもいいんだよね。
とにかく作者は性加害の撲滅をテーマとし、SF要素を絡めて漫画にしたいということだったらしい。いや~そこはすごい。本当に天才。
ただのジェンダー漫画だったらツイッターにいっぱいお気持ち表明漫画みたいなの転がってるもんね。だからSF要素が強かったのは僕は好きだったな。
【SFパート】
良かった。
遺伝子操作された人間が管理される学校。良い設定だし、4巻しかないのに1巻ではほぼSF要素が隠されているのすごい。漫画の描き方としてすごい上手いと思った。
ジェンダー語れないとか言ってたけど、SFパートも特に語ることが無いかもしれない。
【総評】
上にも書いたけど、ただのジェンダー漫画と思ってたけど、全然そんなことなくて楽しく読めた。ただの女性差別だ!っていう感じの主張が強い漫画だったらキツかったと思う。
いや、主張は強いんだけど、そこは作者がかなり考えてたところだったらしく、性加害やめろやめろ!って言うのも大事だけど、具体的すぎると普通につらくなる読者がいるし、抽象的すぎると男に全く伝わらないだろうし・・・というところでかなり悩んだだろうなと伝わった。
伝わったけど、「そうかあ~?」って懐疑的になる場面もあるから、やっぱり自分は男だなと実感してしまう。ごめんね高野先生。
あ!
最後のシーンは良かったな。毎日地獄が待ってるけど、わたしがいる。ってシーン。
拡大解釈かもしれないけど、「いろいろあるけど、人間っていいよなあ」っていうメッセージの寄生獣みたいな人間賛歌を少し感じた。いや、ちょっと拡大解釈しすぎたな。
ただ、こんな世界でも救いはある。楽しく生きよう!というのは好き。僕のモットーがそんな感じだから。
おススメかと言われるとそうでもないな。
生きづらさを感じている女性にはSF要素のせいで共感できないだろうし、
男に勧めてもあんまりハマらなさそう。
ということで中途半端な感想になってしまったけど、でも本当にそんな感じなんだよなあ。
誰かこの漫画読みたいっていう人!僕にメッセージくれたら送ります。
なんか仕事がうまくいかないストレスで、4時起きしてしまった。そして2時間ほど殴り書きしてしまった。
誰の参考にもならない感想でした!
みんなおはよう!