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【チベット語アウトプット日記】ツェワン・ノルブの歌詞翻訳②

つづき

歌詞の翻訳つづき

二行目 སྐྱིད་པོ་ཟེར་རེའི་ཁྱིམ་ཞིག་ཡོད།

སྐྱིད་པོ་は形容詞「楽しい、うれしい」

ཟེར་རེའི་は昨日の日記に書いた通り、中国語訳から拝借して「〜と言われる」

ཁྱིམ་は名詞「家」

ཞིག་はい、また出た謎単語。
これは後でまたじっくり検証していこうと思う。

ཡོད།はウチの存在動詞「ある、いる」

と言うわけで、二行目のསྐྱིད་པོ་ཟེར་རེའི་ཁྱིམ་ཞིག་ཡོད།は、
「楽しいと言われている家がある」

三行目 ཕ་མ་ཟེར་རའི་གཉེན་ཞིག་ཡོད།

ཕ་は「父」、མ་は「母」、つまりཕ་མ་で「両親」

ཟེར་རའི་は、既出3度目、「〜と言われる」

གཉེན་はオンライン辞書では「Relatives」と出たので「親戚」なんだろうけど、これだと詩的じゃないのでまぁ「家族」でいいんじゃないかな。
チベット人にとって親戚は家族のようなものだから…知らんけど。

ཞིག་謎単語

ཡོད། ウチの存在動詞「あるいる」

三行目のཕ་མ་ཟེར་རའི་གཉེན་ཞིག་ཡོད།は、
「両親と呼ばれる家族がいる」

四行目 བྱམས་སྐྱོང་ཟེར་རེའི་དྲིན་ཞིག་ཡོད།

བྱམས་は「愛」、སྐྱོང་は「維持する」とか「保持する」とか。
なんのこっちゃいと思っていたら、བྱམས་སྐྱོང་で「慈愛」だそうな。

ཟེར་རེའི་ 既出4度目、「〜と言われる」

དྲིན་は英語だと「Kindness」だけどより近い日本語に訳すと「恩恵」の方がしっくり来るのでは。チベットだし。

ཞིག་ 謎単語

ཡོད། ウチの存在動詞「ある、いる」

と言うわけで、四行目のབྱམས་སྐྱོང་ཟེར་རེའི་དྲིན་ཞིག་ཡོད།は、
「慈愛と呼ばれる恩恵がある」

今日のまとめ

『故郷に帰る』
故郷と呼ばれる場所がある
「喜び」と言われる家がある
両親と呼ばれる家族がいる
そして、「慈愛」と言われる恩恵がある

マイ翻訳

とここまで意訳も含めて訳してみた。
これら最初の4行は文の作りが同じだったので、一気に訳せた。
謎単語は残ったものの…
最後にこの謎単語を掘り下げてみたい。

謎単語 「ཞིག་」について

ツェワン・ノルブの歌は日本語訳にされたものは一つも探せず、ただ中国語訳にされたものがいくつか存在する。
私が見つけたYouTubeの動画で、歌とチベット語歌詞、中国語訳がついたものがあったのだが、これは親切にもチベット語の単語一語一語に中国語の訳が付いている。それによると、この謎単語ཞིག་は「一(漢字の1)」という訳が付いてた。

しかし、歌詞全体の訳にはそれらしき単語は出てこない。
日本語で言うところの「ある◯◯」(ある日、ある所に)的なものなのか。

と思って改めて手元のチベット語オンライン辞書をひいてみると、決定的な記述があった。

ཞིག་
(1)particle indicating "a" [often untranslatable]
(以下略)

Tibetan-English Dictionaly

なぜ私はこの記述を見落としていたんだろう…
これが答えじゃん…

つまり、この謎単語ཞིག་は英語で言うところの冠詞で、特別訳す必要はないということ。
これまで歌詞に出てきたこの謎単語を「ある」と訳して見てみると、

ཡུལ་ཞིག་ =(ある)場所
ཁིམ་ཞིག་ =(ある)家族
གཉིན་ཞིག་ =(ある)家
དྲིན་ཞིག་ =(ある)恩恵

まぁ〜〜〜なんてスッキリしたんでしょう!!!
よくよく思い出してみると、中学生の時から英語が苦手で和訳の問題とかでも一生懸命「a」とか「the」を辞書でひいてたもんなぁ…あの頃から変わってないのか私…

と言うことで、こんな感じで地味ぃに役を続けていきます。
ここまでは同じ形式の文の繰り返しだったので、次回からはまた翻訳のペースが下がることでしょう。

それではまた!
མཇལ་ཡོང་།

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