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映画感想文 アット・ザ・ベンチ を見た

昨日、レイトショーで彼女とAt the Benchという映画をみました。

奥山由之さんという私の好きな写真家さんが監督を務めた自主制作映画。

物語を一言で説明すると、川沿いのベンチで起こる人間模様が描かれた作品です。エピソードは1から5まであり、それぞれの物語で人々が交錯します。

エピソード1

エピソード1と5はリコ(広瀬すずさん)とのりくん(中野太賀さん)が演じるおそらく20代後半くらいの2人の話


のりくん:仕事どう?
リコ:んーー、しんどい? 人間関係とか。。


文字化するとなかなか伝わらないけれど、リコの「しんどい?」は相手に心配させないための、暗くなりすぎないような声色だった。

私も一年前にちょうど仕事を辞めたのだが、(この気持ちわかるなぁ…)と思った。

この「しんどい?」から一気に物語に引き込まれていった。

エピソード2

エピソード2では「別れてみる?」という彼女の言葉をきっかけに物語が展開していく。

この章で出てきた岡山天音さん演じる「ライダーの格好をしているけどライダーじゃない彼」には身をつまされる思いだった。

私がライダーの格好をしているわけではないのだが、「あなたがやることの一つ一つが私の寿司桶に寿司を置いている」という彼女(岸井ゆきのさん)の言い分は、私も、というか横に座っている私の彼女にとって凄く共感できることだったと思う。


この物語の中で寿司とは「外で食べるのにスーパーの寿司はなくない?」という彼女の言い分から、ちょっと気になる彼氏のマイナスポイントを表している。

つまり「いちいち言うほどでもないけど溜まりに溜まって、別れよっかなと思うきっかけになる物事」。

これが作中でいうところの「寿司」である。


彼の行動や言動で不満のネタは彼女の寿司桶に溜まっていく。そんな溢れた寿司桶を見てついに彼女は思うのだ。「別れてみる?」と。

きっと誰もが経験していて、共感できる話だと思う。

他のエピソードも良かったよ

エピソード3は姉(今田美桜さん)と妹(森七菜さん)の姉妹の話。自分を止められない姉と、姉を想っているが感情的になってしまう妹。狂っても、理解できなくても、それでも断ち切れない姉妹の絆が描かれていて、どんな状況になっても家族のことは信じたいし、理解したいよなぁと思った。

エピソード4,5については、他のエピソードに比べるとなかなか個人的な共感という意味では弱くなってしまったけれど、どの部分もいい映像といい役者さんで見どころがありました。


意外と過去にベンチの写真を撮っていた私

2025年おすすめ映画第一弾は「At the Bench」です!

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