“日本の賃金と環境問題:「豊かさ」の本当の意味とは”
NO.106
世界からは「賃金が上がらない国」として日本が揶揄されることがあるが、賃金の上昇だけが真の豊かさを示すものであろうか。
資本主義の果ての便利さや金銭的な豊かさの追求が、地球環境への大きな負担となり、気候変動や生物多様性の喪失を引き起こしているのは明白だ。
熱波、旱魃、増加する降水、大型の台風やモンスーン、サイクロンなど、異常気象として知られる自然災害が頻発している今、これは単なる偶然ではない。
これらの災害の影響で水や食料、資源の不足が生じ、結果として、戦争、テロ、クーデターが引き起こされるケースが増えている。
そして、この状況の真の被害者は、飢餓や貧困の中で生きる多くの人々である。
世界の1%の人々が50%の富を保持する現代。この極端な格差は、真の「豊かさ」を問うべきタイミングを示している。
そこで日本を再考する。確かに賃金の上昇は遅れているかもしれないが、社会の安定性や持続可能な生活の基盤を保持しているという点で、日本は他国と比較しても「豊か」であると評価できるだろう。
賃金のみを指標とするのではなく、持続可能な社会の形成や環境への配慮も「豊かさ」の判断基準として重要であると、私たちは学ぶべきだ。