記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

【ネタバレ】友が、消えた

最近は色々と忙しくて読了に1週間かかったけど、金城一紀さんの13年ぶりとなる最新作「友が、消えた」を呼んだ感想noteです。

ガッツリとネタバレ含みますので注意。

装丁からして好きすぎる。タイトルも良いし、もう全てが素晴らしい。待った甲斐がかなりある。冨樫先生のおかげで待つ事には慣れていたし。そして南方(ミナカタ)のイメージはまんまこれだった。(身長は思ったより高かったけど…)

まず読後の感想としては無論「最高だった
この一言。“推し補正“はかけていない。

そして全国の同志である”カズキニスト”は皆が同じ思いに至ったと思う。

今までの作品全部読み返そう

ゾンビーズシリーズの世界線だけあって過去作の登場人物や出来事がちょくちょく回想される。もうそこが堪らなく最高だった。

あらすじは割愛します。とにかくこの読後の興奮を綴るのみ。



消える友とは?

タイトルが公開された時からずっと気になっていた。安定の山下か、もしくは推しの舜臣か、消えた仲間を探すストーリーになるのかな。そう思い読み始める。

むしろ誰も登場しない

杞憂だった。いや、杞憂というか、むしろ誰も登場しなかった。これは完全に予想外。大学生になった南方が主人公となって物語が進むとあらすじにあったが、他のメンバーの所在や境遇は最後まで伏せられていた。これは逆に言えばこの先の続編で徐々に明らかになっていくのだろうか。そもそも続編がある事に興奮が隠せない。

それでも面白すぎた

とか言いながら今作はかなり面白かった。南方1人で充分に長編小説が成り立つ。完全に『一人ザ・ゾンビーズ』だった。それに登場人物がまた個性際立つキャラクターばかりで。おそらく志田りつランボー&ウィルはこの先もレギュラー出演するに違いないし(矢野徹もかな?)この先も回を重ねるごとに重要キャラが増えていくのだろう。

物語の軸となるテーマは“影響“

だと思った。“消えた友を探す“というベースがありそこを追う過程で南方らザ・ゾンビーズがこれまでにやってきた自己満の青春によって影響を受けた人物が何人も登場する。ただの女子高生を復讐クラブ活動者へ、ただの男子高生を薬物使用レイプ魔へ、南方はその人達の人生を自分のせいで大なり小なり変えてしまっている事を知り自己嫌悪に陥る。しかし終盤、ゾンビーズの影響を受けた1人として吉村恭子の“逆に救われた話“を聞いた南方は『良くも悪くも』という救いを見出して前を向く事ができる。ここグッときた。

基盤作りが秀逸

南方が主人公という事で、(まぁ正直今まで南方が主観で物語は進んでいた事が多かったし主人公だとは思っていたけど、)南方自身を強くするイベントが発生する。金城一紀さんは戦闘シーンの描写が天才的なので主人公を強くするだけで展開の幅がかなり広がる。そして師匠であるランボーさんという謎に包まれた退役軍人と兄弟子であるウィル。2人ともまだ素性が明かされておらず、深堀る余地だらけだ。ちなみにランボーさんは一声かければ47人くらい簡単に集まりそうだ。他にも矢野徹吉村恭子といった芸能人枠も確保しつつ裏世界のカリスマ的存在として志田が構える構図。大学生(成人)という事もありトラブルの重みも増していくだろうし、想像するだけでも絶対面白い。

要するに『新生ザ・ゾンビーズ』

って事なのかもしれない。『舜臣=ウィル』『アギー=志田』といった感じで代役となる人物が陰ながらサポートして人助けをしていく構図。となると旧ゾンビーズ達はこの先登場する事は無いのかもしれない。でも山下だけは唯一無二だと思う。そして必要不可欠。

これはプロローグ

という事で今作は今後の『新ゾンビーズ誕生』における南方冒険譚のプロローグなんだと解釈しました。勝手に。全くの的外れだとしても、どんな展開だろうと面白い事は間違いないので期待して正座で待ってます。

余談ですが…

今作で好きだった場面をいくつか。

  • 最も強い人間をウィルではなく舜臣だと認識している事。(“強さ“が単純な戦闘力だけではないって意味かもしれないけど、)

  • 偽名に山下を使った事。

  • アギーの事を親友だとカテゴライズした事。

  • 岡本佳奈子が現在アメリカにいる事。

  • 志田の台詞
    「俺は顔貌認識ソフトを書き上げる為に五千時間を使った。踊らされて搾り取られる連中はラーメン屋の行列に並んだりくだらないゲームをやったりして五千時間を使ってる。その違いだよ」


あと物凄くどうでもいいけど、右の耳たぶが無い男が私の中でずっと俳優の加瀬亮さんでした。

アウトレイジのせいだ。


また書きます✍️

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集