
塔短歌会掲載歌 2023.12
12月号では、若葉集の一番前にて、7首掲載でした。
10月号の歌をはなきりんかげろうさんに評をいただきました。ありがとうございました。
今年も良い出会いに恵まれました。来年もよろしくお願いします。
雨粒が雨粒のまま集まってどこで覚悟をしたかを話す
うたたねの寝癖のようにはねている白詰草は風を浴びつつ
涙にも似てやわらかく降るでしょうそのまま錆びてしまった線路
思い出すことにコツなどいらなくてグラスをしまう音は響いて
打ち上がる外野フライが重力に負けそうになるときの頂点
目の前のすべてが早く進みゆくスローボールのような休日
向かいから少し涼しい風が吹く夏の終わりの橋の真ん中
素敵な言葉に出会った。
「ひとえに歌を作り、考え、また作るということを繰り返し、それを継続してきたからにほかなりません」
NHK短歌1月号「短歌のペインクリニック」桑原正紀さんの言葉です。
月詠に限らず、投稿の歌も、新人賞の応募も、取られる、取られないということをつい気にしてしまいます。またあの人は取られているという邪心さえあります。あまり表に出さないようにしていますが、ぐぬぬといつも思っています。
でも気にしていても意味がないんですよね。
作って考えるしかないんだな。自分と向き合っていく時間が大切だと今は考えています。
きっと誰かが読んでくれている。そう思ってひとつひとつの歌を残していきたいと思います。