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塔短歌会掲載歌 2024.1
若葉集にて鍵前7首の掲載でした。なみの亜子さんより選歌後記、11月号の歌を宮脇泉さんより評をいただきました。ありがとうございました。
踊っているようにみえてもいいかもな秋の日差しを踏んだ電車で
未来から一人でもどってきたみたい セールをしてる商店街は
パーティーの隅でちいさくなっているコルクをふたつ並べてあげる
車の音が風に聞こえて秋の日に伝えたいことしばしば浮かぶ
バスを待つあいだに冷えた指先でつまんでくれたダースひとつぶ
多摩川の右岸左岸に鳴り響くサイレン朝の水を湛えて
間違ってこぼしてしまったポカリにも映っていたなこの夏の空
10月に提出した歌が1月号に掲載される。思い返せばとても暑い日々でした。まだ夏のことを歌にしている。秋のことにも言及している。その時の気持ちをそのまま歌にしているわけではないのですが、やはり10首並べようと思うとあまり気持ちの離れたものは並べたくないと今のところ考えています。
ただ過ぎてしまう日々や季節を歌に残しておけることは幸せなのだと思います。
写真とも動画とも違う気持ちを残す手段として、これからも少しずつ詠んでいければと思います。
よろしくお願いします。