連作『オレンジのフリスビー』(たにゆめ杯3 個人賞)
2022年5月-6月に開催された「たにゆめ杯3」にて個人賞(鶏肉は人生で賞)をいただきました。
10首の連作で既発表の歌を5首まで入れて良いというレギュレーションだったため、半分をうたの日で発表していた歌、未発表を半分という割合で作りました。
個人賞に選んでいただいた街田青々様ありがとうございました。
またこのような短歌の発表の場を用意された主宰の他人が見た夢の話様に感謝申し上げます。
連作『オレンジのフリスビー』
改札で抱き合う人をみています鳩がもうすぐ邪魔しにいきます
ややこしい話はそっと横に置きややこしそうな顔だけ作る
大袈裟な苛立ちを顔に寄せてから無料案内所の前を過ぐ
温暖化食い止めなければならぬのに36度8分の微熱
掌底を打ったら決まる位置に来たカレーを持ったウーバーイーツ
モザイクをかけてもわかる寝坊した人を写したストリートビュー
モナ王の袋の中の霜を食む開けてはいけないアルバムみたいに
真上から見下ろす街に僕はいないいつも通りの街の生活
公園で飛ぶオレンジのフリスビーもう少し見てそれから帰ろう
遠くでは回っていない観覧車父に手紙を書こうと思う
鈴木ベルキ
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