比喩的に、死体になる
時々、スイッチが切れて何にもしたくなくなり、仕事に行けなくなる。
朝起きたときに、「ああ、今日はだめだな」と思うともう本当に駄目になる。
この状態を比喩的に死体、と呼ぶ。
とりあえずコーヒーは淹れる。
飲みたいと言うより習慣だ。
仕事に行けるときは持って行く用のお茶も淹れるけれど、薬缶に水をくむ段階でその水が汲めない。
ほんの数十秒、蛇口の下で待つだけのことが出来ない。
同時に弁当のおかず(前の日に冷凍庫から出してある)も用意(レンチンするだけ)するのだけど、それも苦行だ。まぁ、自分の中で出かけないことになっているからやる必要はないのだけど。
朝ドラを観たら出かける用意が段取りだけど、それ(顔を洗う、コンタクトを入れる、歯を磨く)が出来ない。
ベッドで本を手に取る、編み物を始める、ぼんやりテレビを見る(若しくはラジオをつける)。
仕事場に電話をするまでは何とか過ごして、そのあとは何もしない。
買い置きを殆どしないので、お腹がすいたら買い物には出かけるけれど、部屋着(UNIQLOのステテコとTシャツ)にパーカを羽織るのが限界。ちょっとだけ櫛を入れて財布だけ持って。
それすら面倒ならケータリング。
人間じゃないので何でもありなのだ。だって死体だから。
SNSに死体宣言をし、所定の人にお知らせしたらそのあとはぼんやり酒を呑み、昼寝をし、無為に1日を過ごす。
一日で済むこともあれば一週間続く事もある。
仕事が立て込んでいて、危ないときにはほぼ発動しない(時々おかしくなる)けど、誰とも口をきかず、シャワーも浴びず、ひたすらぼんやりする時間。
一念発起して朝シャワーを浴びた時点で疲れてしまってアウトのこともある。
そして週末のバイトには行けたりする。
我が儘病と言われたら言い返せないけど、決まった時間に決まった事をするエネルギーって、無尽蔵じゃないのだ。
先週は死体だった。
今週はやばい仕事があるから死体脱出しなければ。
鶏肉も焼いた。卵焼きも焼いた。
やれば出来る子。