コーチの役割
ニューヨークライフバランス研究所の
ポジティブ心理学コーチング講座
第6回目が終了しました。
第6回からは
コーチングに取り入れていくのに
有効なポジティブアセスメントの実践が
テーマでした。
具体的には
強み診断であるVIAを用いた
強みセッションや
ウェルビーイングアセスメントです。
強みセッションとは
VIAという
ポジティブ心理学者たちが研究している
24の性格の強み診断を
コーチングに最適なAEAモデルという型にはめて
セッションを行うものです。
VIAについての詳しい説明は
以前書いたことがあるので省き
今回は
A E Aモデルについて。
大切なのは順番
A=現在から強みを見つける
E=過去から探求する
A=未来に応用する
という流れですが
この流れこそ
コーチングをする上で重要だと感じました。
まず現在は、
クライアントに自分にも強みがあるという
気付きを与えます。
ここで重要なのは
強みを押し付けるのではなく
クライアントが選び
クライアントに
『自分にも強みがあり、日々使っている』と
実感してもらうこと。
私はここで
『今の自分でも充分に
(人生を)楽しむ力(切り拓く力)があること』を理解してもらう事が大切なのではないかと
思います。
つまり
ネガティビティバイアスで
視野が狭くなっているクライアントに
今の『ある』に気付かせるという事です。
そして
過去から探求します。
これは
過去のそれぞれの体験は
クライアント自身が強みを使って
作り出していたと気づく事ができます。
つまり
自己肯定感や自己効力感につながるのでは
ないでしょうか?
最後に
強みを自分の得たい未来に対して
どのように使っていくかを考えます。
ここまでに
クライアントは『今持っているもの』
そして『過去からの自信』を得ているので
希望を持ってクリエイティブな発想に
繋がりやすいでしょう。
理想とは?
大変トホホな話ではありますが
私の理解力のなさが伺えます。
このAEAモデルについては
実は何度も講義を受けてきました。
しかし、
このAEAの順番がコーチングにおいて
大切だと実感できたのは
今回仲間と一緒に
ロバート・ディナー博士の
人生満足度尺度(SWLS)の
フォローアップの質問を行なっている時でした。
コーチ役に
『今の人生で、理想に近いのはどの部分ですか?』と問われた時です。
そして
次に問われたのが
『それらを望んだのはどういう理由でしたか?』
『どうやって手に入れたのですか?』
だったのです。
この質問、この流れ!
コーチ役が意図してなのか偶然なのか
フォローアップの質問をバラバラに
問いかけてくれたのですが
すごく面白いと思いました。
私は今まで
『理想』とは自分の思い描く『未来』だと
思っていました。
ですから
理想を人と語る時は、単なる未来を語るか
『過去の理想』からの現在をみて語る事しか
ありませんでした。
しかし
いきなり『今の人生で理想に近い部分』を
聞かれたのです。
あたかも『すでに今、理想の中にいる前提』で
質問されたのは初めてでした。
そして『望んだ理由』聞かれたのです。
正直なところ
理由を持って理想を描き
頑張って手に入れたわけではありません。
そして
実際の回答も
満足している部分を答え
その理由と手にできた原因を答えただけです。
でも、
満足なところを聞かれ
理由を聞かれるより
『理想』という言葉を使われた事で
あたかも
あらかじめ描いていた『未来』を
自分で手に入れているような
不思議な感覚でした。
コーチの役割
この
自分で描いた未来を
自分で手に入れる事ができる感覚こそ
クライアントに必要な感覚であり
コーチがクライアントに手渡すべき感覚の一つ
ではないでしょうか。
ただ理想を深堀りし、
その道を辿るのではなく
『自分なら達成できるかも知れない』という
自己効力感こそ
クライアントを勇気づけ
実際の一歩に繋がるはずです。