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線の恋病

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この小説書くのが一番頭使ってる気します最近笑 なるべく色々な描写挟みたくてやるけど難しい…… なんとか面白くなれ〜〜笑
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線の恋病 第9話

僕は麻里さんと別れ、町へと戻る細い地下通路を登る。通路の中は狭苦しい空間に対して、不均衡なくらいの渋滞が続いている。

スマホの画面に目を遣る。どうやら少しだけ遅刻しそうだ。

暫く待っていると、ぞろぞろと渋滞は上へ上へと進み出した。
一度進み出すと止まらない。まるで喉の奥に溜まる吐瀉物を吐き散らかすかの様に人々は溢れ出て行く。僕も紛れて町に出る。

町に出ると、店灯りの隙間から覗く赤や緑の装飾が

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線の恋病 第5話 

線の恋病 第5話 



 バスが五条通りを早々と走り過ぎて行く。横に座る学生が座り疲れた腰を私に寄せてくる。私は画面が見られぬ様、右手をそっと窓際奥に移す。スマホ画面を通りに横たう銀杏並木が山吹色に染める。手の中、山吹色の絨毯をいくつもの男達が行き交ってゆく。
 男達は必死に自分をアピールする。他の男達に負けない様に。そんな男達のアピールを私は無感情にザッピングしてゆく。それは、物語の中の王族にでもなってしまった様

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