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【歌詞分析】「ロストフの14秒」も劇的だが、最高の「乃木坂の17分間」

ワールドカップの毎日の熱い戦いが繰り広げられている中、
ステキな楽曲がこの世に爆誕した。

乃木坂46の5期生楽曲「17分間」

1.歌詞

歌詞全体は、毎朝の登校のバスを舞台に、いつも見かける他校の女子に恋をした男子を主人公に、青春の心模様を描いている。

①君を好きな僕

「グレイの制服 見たことあるけど 手がかりのない恋は運命の悪戯か」ということから、
どこの学校に通っているのかもわからない、つまり、まだ会話もしたことがないのだ。
ただ、毎朝同じバスに乗っているし、髪型が変わっていることまでわかるくらい、見つめている。
まだ話したことがないのだが、「告白まで Count down!」という歌詞からも、毎日見ている中で募りに募った恋心は、彼をアタックさせようとしている
※ここでもあえて、情報社会の今日でも、降りるバス停や制服から調べたりしないところに、この主人公のピュアさを見ることができ、より一層もどかしさが生まれ感情移入ができる。

②秋元先生の生み出す新たな言葉

歌詞の細部でも「大好きだI・N・G」という秋元康先生が新たな表現をまた世に送り出している。
INGとすることで、現在も大好きな度合いがより進行していることを示している。


③ただ、秋元先生はなぜ「17分間」という分数を選んだのか。

いつも同じバスに毎朝乗っている彼女。彼の方が後から乗車する。そこから17分間乗った先のバス停が彼女の降りるバス停だ。
「誰かの陰で君を見失っても 同じ空気吸っていられる」というくらいで朝のバスは混雑している。そこから考えると割と都会のバスであろう。
彼女と過ごせる17分間、東京の都会のバスなら1駅1分として17駅、長い区間でも5‐6駅だろうか。
曲先であれば、たしかに歌詞の音数として、音圧の維持としても17がベストという選択かもしれない。

君と僕が一緒の時間

2.青春のにおいがプンプンする曲調

そして曲調自体も、乃木坂らしさもありつつ、AKBのエブリデイカチューシャ時代のような、明るい青春を描いたアイドル楽曲テイスト
「僕の(大事な)夢の(持ち時間)」の掛け合い
「声は掛けられないけど」の振り付けもとても美しい。

3.とにかく5期生の魅力が見えるMV

①11人の思いを乗せた歯車

MVでは、各メンバーのかなえたい夢を、一人一人が記していく姿が描かれる。一人一人の夢が乗った歯車が、最終的に組み合わさり回り始める
ここには、「一人として欠けては回らない、5期としての一体感」というメッセージ性のある象徴的なシーンだ。
そして、華やかな衣装でのラストのサビへと駆け抜けていく。

②11人のありのままの姿・関係性

さらに、今回のMVでは特に「役として演じる」というシーンよりも、メンバーの普段の素の姿・関係性を打ち出したシーンがメインとなっている。
乃木坂工事中などで徐々に一人一人の個性が形作られてきている中で、ファンにとってはメンバー間の自然体の関係性を垣間見ることができる素敵な映像だ。

③11人の思い

そしてMVは、曲自体の終了後、映像内でそれぞれのメンバーが思いを記した歯車が映る。
ここでも際立つのは5期メンバーの11人で頑張っていくことへの思いも見ることができ、デビューして間もない彼女たちの内に秘める思いに触れることができる。

おしゃれなロゴだわさ

④【謎】一度も現れないバス

ひとつ、興味深いのは、今回はバスが舞台であるのに、一瞬たりともそのバスを映し出さないことだ。
特にバスでのシーンでの思いを描く歌詞であり、バスをロケとして使うというのは一番い思いつくのだが。
歌詞で歌われる「グレイの制服」「ポニーテール」は現れる。あえてバスを描かないところにも、聴き手に曲から想像をさせるという工夫なのだろう。


ということで、とても素敵な曲であり、MVである『17分間』。
自分たちの曲として表現できる喜びを感じてとれるメンバーの表情やダンス。

過去の5期生曲のセンター、井上和・菅原咲月の両センターが後列に回り、これだけのフロントメンバーを持ち、表現力も兼ね備えることを証明する。
ひとつのアイドルグループとしても成り立ってしまいそうなくらい、5期生のメンバーの厚みを感じさせる、そんな1曲である。


まだお聞きでない方は、是非3回は流して「17分間」は超えていただきたい。







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