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猫島で釣りキャンプ

以前野営した時の記事で、とーとさんから釣りに挑戦してみては?とコメントを頂いて、釣りを始めてみよう、とずっと思ってたんです。

最近の釣り事情ってどうなの?と調べてみると、アジングなどライトゲームがお手軽で楽しめるとのこと。

しかも。ダイソーでロッドもルアーも売ってて、ジグだのワームだのルアーだの、なんなら活かしバケツまで揃ってるんで、ダイソーグッズのみで釣りに行けちゃうらしい。

でも、さすがにダイソーロッドとルアーはすぐ錆びるので、もうちょっとだけ出してエントリーモデルのやつ買っとけ、と何かで見たので、もうその通りにAmazonで購入。

揃えてから気づいたんです。
とーとさんが言われてたのは渓流釣りのことだった、と。

・・・しゃーない、切り替えていこう。


北九州は岸壁だらけなので、工場とかの立ち入り禁止区域以外ならどこでも海釣りできます。
なんなら紫川でも下流域は可能。シーバス狙いの人をちらほら見かけます。

「すぐそこで釣りできるじゃん。釣りキャンプ行く前に練習していけば?」
と妻がせかしてきます。

違うのよ。ファーストインプレッションは楽しくなければ趣味にならないのよ。
キャンプもそう。最初の思い出が辛かった人は趣味になってないし。
ぼくは初めてのソロキャンプが氷点下5℃で、何もかも凍ってる!ハイボールもシャリシャリ!と楽しすぎて趣味になりました。


ようやく。2日間晴れ予報。
待ちに待った、この日が訪れたぜ。

問題が一つ。船に乗りこむために荷物をコンパクトにしなければ。

いろいろ考えて、かさばるコットやテーブルは置いてきました。
荷物は厳選したつもり。なのにこの量。

コンパクト、とは。


小倉駅のすぐ北にある市営渡船乗り場から藍島を目指します。

船に乗りこむと、この日にふさわしい名前のビールをプシュ。
島に公衆トイレは一つしかないそうなので、珍しく炭酸系で持ってきたのはこれだけ。
今日はグビグビいくわけにいかんのですよ。


藍島に行く前に、馬島を経由します。

馬島って何もないそうだけど、韓国人カップルが降りていきました。
小倉行きの船は今日はもう無いはずだけど。大丈夫なんかな。


藍島へ到着。

港を出ると矢印がありました。
ビーチへ向かいます。

北九州は岸壁ばかりで砂浜はどこにもない、と以前書きました。
藍島にありました。なんならここ、小倉北区です。
お詫びして訂正します。


ビーチが見えてきました。
こちらは南西側。北東にもプライベート感漂うビーチがあります。
明日にかけて5mの北風が吹く予報なので、風を遮る岩場のあるこちらに張ることにします。


持ってきたのはツーリングドームST。
暴風雨にも耐えてくれた相棒です。
砂地だろうからサンドペグを用意しようか考えてましたが、どうせ流木がその辺落ちてるだろうし木ペグ作ればいいか、と思い直しました。

でもその心配は無用でした。草が生えてることもあり割と効いてます。
でもガイロープまできっちり張っておきます。


設営中に「にゃーん」と声がしました。
これが島猫か。

さっそく占拠されました。
ぼくより先に中に入るのずるい。

ここは岩のおかげで陽だまりで風を遮って、ちょっと暑いくらい。
設営中は蚊にめっちゃ刺されました。これは想定外。

猫は暑いのが嫌らしく、ずっと日陰で涼んでました。


設営を終えて焚き火用の流木を集めてると、もう夕マズメの時間帯。
急いで釣りの準備。
堤防へ向かいます。


初心者なので根掛かりやライントラブルする未来しか見えてませんでしたが、いきなりヒット。カサゴです。
これがビギナーズラックか。

アジ釣りたいなぁ、と粘りたかったのですが、日が落ちると急に寒くなってきました。
薄着で来ちゃったので撤退します。続きは朝のマズメ時に。


寒いので盛大に焚き火。
傍らでご飯の準備。米をしばらく浸水させます。

ご飯が炊けるまでの間、ししゃもを焼いて酒のあてに。

併せるのは、達筆すぎて読めないやつ。
頂きものです。秋田のお酒らしい。ありがとうございます。
すごく飲みやすくて芳醇。うま味と甘みがすごい。
ダメだよ、こんなのすぐ空いちゃうよ。


なぜ縦で撮ったし

きのこの炊き込みご飯。
美味いけど、どうもパンチが足りないし酒に負けてる。

そうだった、猫にクレクレじゃまされてたからだ

鮭焼いてほぐして入れるの忘れてました。
焼きあがるまでに、大人用ちゅーるを。

猫にもちゅーるあげたんだけど、動画になってた上におじさんのデレてる声が入ってて公開できません。

酒盗は悪魔の食べ物ですね。
酒がどんどん無くなってしまう。


大人用ちゅーるは、きみにはまだ早いのだよ。
しかもどうせ猫舌だからアツアツ食べれないでしょ?

でもニャーニャーうるさいのでししゃもと鮭分けてあげました。
捕食者がいるので、全然落ち着いて食べれない。

ほんとは、ぬる燗にして、イカ炙って、しみじみ呑んで、八代亜紀は沁みるよねーって呑みたかったのに。台無しなのよ。

明日の朝は早いので、とっとと就寝準備。
外に出してちゃまずいものを幕内に入れていきます。

油断してるとこれ。
フライパンについた魚の油をペロペロ。
すいませんちゅーるあげるんで勘弁してください。


翌朝。5時半に日の入りですがすぐ起きれる自信はなかったので、4時のアラームで目覚めます。

外気温は15℃。予報通り。
心配してた風は影響はありませんでした。岩場のおかげか。
インナーテント内は体温だけで5℃上がります。中は快適。
フライシートは結露でびっしょり。想定内。

寒さ対策にメリノウールインナー上下、インナーダウンに、外はイナレムレインスーツ上下。足元はワークマンのケベック。雪山でも行くんか。
手元はネオプレーンの釣りグローブ。もはや万全の態勢。
早朝のふきっさらしの堤防でもぽっかぽか。むしろ、ちょっと暑い。


空が明るくなってきました。
釣果は、まさかのカサゴ爆釣。カサゴしか釣れてません。
10匹クーラーボックスへ。小さいクーラーなので他はリリース。狙ってたアジは釣れませんでした。

合間に根掛かりやらライントラブルやら。
キャストがへたくそで、どこに飛んでくかわかりません。
誰もいない釣り場でよかった。釣りキャンプ最高。

釣れるとやっぱり楽しいので、どうやら趣味になっていきそうです。
キャスティング、練習しないとね。


日の出と共に、港から漁船が出航していきます。
お日さまを浴びるとおなか減ってきました。
充分釣れたしもう満足。浜に戻ります。


戻る途中。こっちは東側の浜辺。

西側の浜辺。
一応、関門海峡なんですよね。すごく凪いでます。


あれ、STがなんかかっこいい

テントに戻ると、猫はいなくなってました。


見てたんかよ、ってタイミングで戻ってきました。
ねぐらがどこかにあるんでしょうね。


お前も腹へってんだろ、ほら、ちゅーるやで。

そしてまたテントに居座ります。
相棒感すら感じます。


朝ご飯は、オイルサーディンのペペロンチーノに酒盗を添えて。
見た目はアレですが超うまかったです。

そしてまた、ニャーニャーうるさいの。
大人用ちゅーる、塩分多いからダメだって。
食べるラー油も入ってるんだって。

抵抗しながら落ち着かない食事。

あらかた食べて、底がこびりついてんなーと、ヘラを探してる隙に
やられました。メスティンに顔突っ込んでる。もうダメだ。

仕方ないのでヘラでこそぎ落して、食べやすいようにしてあげます。
お腹壊しても知らんよ。


もう、我が物顔でいらっしゃる。
この人間、ちょろいと思ってる。


でもかわいいんですよね。
この生き物、自分のかわいさよくわかってるんだよなぁ。


気になってたんですけど、左耳がカットされてます。
ぐぐってみると、不妊手術を受けたメスらしい。

ぼちぼち撤収しながら猫とじゃれてると「こんにちはー」と背後のビーチから女性の声が。うわびっくりした。

「そのままそのまま。良かったら写真撮らせてもらえませんか?」
どうぞー、好きにしてください!
「良かったらインスタに上げても大丈夫ですか?」
顔が映らなかったら大丈夫ですよ!恥ずかしいので!

なんかいいカメラお持ちで。島在住のインスタグラマーの方でした。


カメラのことや猫のことなどを伺ってると
「猫の島って有名になって、観光客が大勢来られるようになって、どの猫もすごく人懐こいでしょ?エサをあげちゃうので猫が増えちゃって。島の人が困るので去勢手術をすることになったんです。今は猫が減って、観光客の方もずいぶん減りました」

・・・そうか。お前も人間のエゴの犠牲者なんだな。
生きてる人間が、一番怖いね。


女性が「また島に来てくださいねー!」と帰られた後、ちょっと脱力。

平和な島だもんね、しょうがないよね。
切ないほど、青い空が広がってやがんのよ。

しばらく横になって、重い腰を上げてまたぼちぼち撤収します。
呑まなきゃやってらんねーわ。少しだけ残った日本酒を一気に飲み干します。
潮風が心地いい。


撤収終わった頃、浜辺に来たカップルが「かわいいー!」と騒いでます。
あぁ、ぼくの相棒が、浮気してる。

かわいいからしょうがないか。また来るから、さよならは言わないよ。


船の待合室で。オスの猫が「撫でて」と背中を向けてきます。
一匹ずつしか見ないから、それぞれ縄張りがあるのかもね。

浜辺猫に振られた傷心を癒してくれます。
ありがてぇ。


ここから見える大きい波止場のほうは、ガチ勢の皆さんで賑わってました。
こっちのほうがよく釣れるらしいんですが、ぼくはキャンプしたかったので浜辺に近いほうを選びました。


カサゴは持ち帰って全部唐揚げに。
ぼくの料理の腕だとこれが限界。頭とかヒレは刺さるんで全部落としちゃいました。
普通に美味かった。揚げものは正義。


今回のキャンプで、キャンプは手段にしていいかな、と思いました。
何か他に目的があって、それにかこつけてキャンプする、っていう。

目的にしちゃうキャンプも、もちろん楽しいんですけどね。


残り11月と12月はいろいろたてこんでるんで、年内のキャンプは最後かなぁ。
でも、久しぶりに存分に楽しめたので満足です。


次回はもう冬になっちゃいますね。
寒空の下でハンモック泊なのか、薪ストでぬくぬくおこもりなのか。
おこもりだったら「おいおい日和ってんなー!」と笑って頂ければ幸いです。

ではまた次回。

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