インサイドセールスのスキルを23に分解してみた話
初めまして。
イネーブルメントアドベントカレンダーの12月18日担当(土曜特別枠)のベーグルです。普段は電話で新規営業をしています。
今回は、アドベントカレンダーにお呼びいただいたきっかけでもある、第一回New IS Hero'sで優勝させて頂いたお話をご紹介しようと思います。
「New IS Hero's」とは、ざっくりいうとインサイドセールスのプレゼン大会です
一応、インサイドセールスとは何かというと、少し違いますが、コールセンターのテレアポのようなイメージです。
アポイント(商談)を取るまでをインサイドセールス、受注までをフィールドセールス、というように営業過程を分業したアメリカ式の職種です。
その際に発表したのがこの「戦闘力スカウター」というものです
インサイドセールスのスキルを23に分解した教育ツールになっています。
今回はこれができた背景と、どのように教育に活用できるのか、ということをお伝えいたします。
まずは経歴から。
未経験でISを初めて、新人教育をすることになり、「戦闘力スカウター」という教育ツールが生まれ、様々な場で発表することになりました
先に、僕の所属する会社を紹介します。
つまり僕の仕事は、「この時間だけ働いて欲しい!」という求人ニーズある企業を探して電話をし、アポイントをとることになります。
例えば、金曜日のよるに洗い場で人が欲しい飲食店とか、楽天セールで発送業務が立て込む物流企業、とかが該当します。
ちなみに僕タイミーでめっちゃ働いてます。
そんなタイミーのISは何が大変かというと、まずリストが大変です。決められた業種はなく、繁忙期にスポットでの人材希望ある企業であればアポイントが成立するため、業界が決まっていません。
また、タイミー活用による効果が1つではないため、トークでのメリット訴求も業界や企業に合わせて変える必要があるため、トークスクリプトも一辺倒にはいきません。
ですので、僕が入社した当初は個人の成績に大きな乖離がありました。
トッププレイヤーがなぜアポ獲得がたくさんできているのかすら、言語化されていませんでした。
そこで、戦闘力スカウターが生まれました。
これは、その人がアポ獲得できるスキルを点数化したものです。
一応、私の戦闘力は89.5です(100点満点)
上の円グラフは点数比重を示したものです。
100点中、リスト作りの要素が約半分の48点分を占めており、
トークは33点の比重になっています。
僕がつきっきりで教えていた新卒のH川さんの戦闘力は、当時わずか30でしたが、今では75まで成長。余裕で一般人のレベルを超えました。
一方、アルバイトのM山さんはまだ48.5。
85点以上がトッププレイヤー、60点以上がミドルプレイヤー、35点以上がビギナーなので、まだビギナーの域を脱しておりません。
ここで面白いのが、戦闘力の数値と、実際に獲得できているアポ数には相関関係があるということです。
そのため、戦闘力の数値はただの数字遊びではなくなります。
アポ数を増やすために、戦闘力をあげよう。そのために今月は23あるスキルのうち、これをできるようにしよう!と、教育にも使えるのです。
結果、チーム全体の底上げがされ、全員がトッププレイヤーになることができました。
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「でも待って。23の項目はどこからでてきたの?」
「どうやって相関が出るように設計できたの?」
次にこちらの疑問に回答していきます。
上記は、戦闘力スカウターが出来上がる前、一番初めのドラフトです。
これは何かというと、アポイントが獲得できた音源を20ほど、僕が自分の耳で聞いて、自分の手で地道に特徴を書き出した表です。
右から2列目の「成功要因」に今では「リスト」とか、「トーク」とか入っていますが、初めはここすら不明確なまま、とにかく現地現物を数聞いて、何がアポ獲得の要因なのかを探っていきました。
細かくみてみると、例えば上。
展示会で名刺交換したの携帯電話もメールも音信不通だったが、会社の代表番号に電話したら担当の方がいてアポにつながった例です。
こちらは、諦めずいろんな角度からアプローチをかけるマインドがアポ獲得に寄与したと分析し、「マインド」が大事だと結論づけています。
もう一つでは、冬場は化粧品の使用量が増える(男性の僕にはわからない)ことから、化粧品を取り扱う物流業社も繁忙期であると仮説しリスト作りをした結果、仮説が当たってアポにつながっています。
ここでは、仮説(架電リスト作り)の精度がアポ獲得に寄与したと分析し、「リスト」が大事だと結論づけています。
上記を繰り返した結果、「トーク」「マインド」「リスト」の大分類と、そこに紐づく小分類が生まれました。これをさらに細かく仕上げて完成形、となりました。
本で紹介されているスキルとかではなく、実際にタイミーで獲得できたアポイントの分析を元に作られたものなので、戦闘力の数値とアポ数も相関がある、というわけです。
最後に、インサイドセールスの皆さんが明日から使える技を2つご紹介します。
スキルその2「検索技術」です。
右側の評価基準が1〜3となっています。例えば、取締役の名前をネット上から探せるなら評価「1」を白いマスに入れ、intitle検索やinurl検索で企業特定ができるのであれば、評価「3」となります。
「intitle検索」は聴き慣れない人も多いと思いますが、Google検索のプログラミング命令、みたいなものです。
上記の場合は、「会社概要というタイトルのページに、"コールセンター"もしくは"従業員数"が含まれている検索結果を表示しなさい」という意味になります。
これは、フランチャイズ(FC)展開している加盟法人のホームページを探したり、特定の業界用語が事業内容となっている企業を探すときに便利です。
フランチャイズ展開している加盟法人は、基本的には独立した1つの企業ですので、ホームページも本部に集約されてるわけではなく、バラバラにネット上に存在することが多いです。
ですので、会社概要のページでブランド名と「フランチャイズ」の2点を含むホームページを一覧で表示させることで、網羅的にフランチャイズ企業を探せるわけです。
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また、右側では、「流通加工」という物流業界の専門用語を活用した検索をしています。流通加工というのは、例えば大量のタオルをひたすらポリ袋につめて値札シールを貼るなど、作業ラインに流れてくる商品を配送できる状態に整える業務のことを言います。
物流業、という検索では広すぎる場合、このように業界用語を指定したintitle検索をすることで、物流企業の中でも袋詰めやシール貼りに特化した企業を簡単に探すことができます。
もう一つ、13番目のスキル「枕詞」です。
営業の方は誰しもクロージングに苦労すると思いますが、クロージングの際、先方の心理的ハードルを下げるための言い回しをたくさん言えるようになりましょう、というものです。
これは5つ以上のフレーズがいえてると評価「3」としています。
以上のような「戦闘力スカウター」を実際に教育ツールとして活用する際は、「習得時期」の項目がありますので、「初週」・「初月〜3ヶ月」・「3ヶ月目以降」という3つの順番に従ってスキルを磨いていきます。
例えば、上の図でいくと、「今は大体"初週"の項目は評定2以上達成できてるので、来月からM山さんには"初月〜3ヶ月"の項目を進めてもらおう。まずは現在の評定が1~2である赤枠の項目から取り掛かろう」という感じです。
まとめです。
以上のような取組を行うことで、スキル格差のあったインサイドセールスチームが今では格差なく、チーム全体の底上げに成功しました。
皆さんのお役に立てる情報が少しでもあれば幸いです。
詳しくは下記にも書いておりますので、ご興味あればご覧ください!
メリークリスマス!
最後に 橋本さん(@hashimoto_pres)、この度は貴重な機会ありがとうございました!