塾講師の給与はなぜ低いか考えてみた。
こんにちは。
みなさまごきげんいかがでしょうか?
お金の話が大好き。べーぐるです。
昨日、1年と2か月つとめたベンチャーの塾を退職しました。
大きな理由の1つは「給与」。せっかく退職したので塾講師の給与はなぜ低いのか、私なりにまとめてみました。これから転職をしたいけど業界業種が定まっていない方の参考になれば幸いです。
①学習塾のビジネスモデル
私が所属していた塾の概要はこちら。
・神奈川県にある塾
・2017年創業の小さな個人塾
・個別指導スタイル
塾は大きくわけて「集団指導」と「個別指導」に分かれます。「集団指導」は1人の講師が生徒30人くらいに一斉授業をします。たくさんの生徒を受け入れできるメリットがある一方、生徒に合わせた細やかな指導はできないため単価は安くなります。
一方「個別指導」ですと講師1人で1人~5人の生徒を個別で丁寧に指導するので、人数の受け入れには限界がありますが、単価は高くなります。
どちらも一長一短ありますね。
では、多くの塾は少しでも稼ぐために何をしているでしょう?
せっかくなので、ネットでは書いていない塾業界の慣例をご紹介したいと思います。マニアックな話だけど、面白いですよ。
1.「料金を分散させて安く見せる」
塾の料金の内訳は、「入会金」、「授業料」、「テキスト代」、「施設維持費」、「冷暖房費」、「模試代」、「季節講習代」と細かく分かれています。 つまり、大きな金額を分散させて安いように錯覚させるのです。
多くの塾では、それぞれ別資料になっているのでさらに分かりづらいです。「冷暖房費」なんてぼったくりだと思います。レストランや美容室で「冷房代もいただきます」なんていわないですもん。
しっかり料金の内訳はもちろん説明はしますが、残念なことに多くの保護者は「授業料」だけを重要視しがちなのです。
2.「季節講習費用で儲ける」
塾の稼ぎどきは、夏期講習期間です。7月末から8月末までの夏休み時期は、通常授業に加えて「季節講習費」を頂きます。ただし、少しずるいと思うのは、季節講習費は直前案内なのです。 入会時には料金は「時期になりましたらお知らせしますね」といいながら、直前期に高額の請求金額をご案内します。
安いなーと思っていたら、結構な金額が引き落とされていた、ということはよくあることです。
季節講習はイレギュラーなものだろう、と軽く考えがちですが、ここが罠なのです。春季講習、夏期講習、冬期講習の金額を合計すると、半年分の授業料になることもあります。塾は季節講習で儲けるビジネスなのです。
②一人の講師が指導できる限界
それでは、なぜ稼ぐ工夫をこらしている塾講師って、稼げないのでしょうか。
結論からいうと、理由は2つあると思います。
まずは、1人の講師が指導できる人数に限界があるからです。
例えば、1人で100人の生徒を同時に指導することはできません。
映像授業はまた別ですが、講師の仕事には、授業だけでなく、生徒のモチベーションをあげたり、生徒の性格やレベルの把握も含まれます。学校の先生をみると、いくら多くても40人が限度でしょう。
生徒の管理を怠れば、保護者から容赦なくクレームが来ます。
生徒人数を取ろうとすると丁寧さを捨てねばならず、丁寧な指導を心がければ生徒人数はあきらめることになります。塾講師のジレンマです。
③保護者が払える金額の限界
もう一つは、各家庭が教育費に使えるお金は限られている、ということです。お母さんは、住宅ローンや食費、保険料、貯蓄など、家計の管理がたいへんです。
その中で、必ず「通わせたいけど経済的に難しい」問題がでてきます。
仕方なく5科目ではなく1科目にしたり、学習塾をあきらめて無料塾に流れたりすることもあります。B to Cの業態の弱点ですが、ニーズがあれば成立するという訳ではないので、1つの家庭からいただける金額には天井があります。
うちの塾では、毎月1つのご家庭から平均4万円をいただいていましたが、10万円出せるご家庭はかなり限られます。
お客様のお財布からだせる金額が少なければ、当然塾の売上にも限界ができますし、最終的には社員の給料に反映されます。
④給与をあげるためには
私は、この経験から、稼ぐのであればお金持ちの方をターゲットにした仕事をしたいと思うようになりました。
個人ではなく、会社相手のお仕事です。
このはなしは、また今度。
それでは、したっけねー