🇯🇵日経平均40,000円突破も先週比ではマイナス(1週間まとめ 3/4〜3/8)🇺🇸🗞️
🇯🇵日本株
日経平均株価は最高値である40,472.11円を付けたが、日銀の早期マイナス金利解除観測と米国・欧州の利下げ観測に伴い、円高が進行。これにより株価の鈍化が見られ、40,000円を割って今週を終えた。
また、週末の米NVIDIAの反転急落に伴い、米半導体株市場全体もつられて急落。来週は、半導体株主導で上昇してきた日本株市場にも大きな影響がある可能性があるので注意したい。
⭕️日経平均:39,688.94円 先週比:-0.56%
⭕️TOPIX :2,726.80円 先週比:+0.64%
⭕️10年国債利回り:0.730% 先週比:+2.00%
⭕️ドル円:147.087円 先週比:-2.01%
○ドル円チャート
🗞️🇯🇵日本の投資ニュース
⭕️毎月勤労統計調査
○現金給与額(前年比)
結果:2.0%
予想:1.2%
前回:1.0%
○実質賃金(前年比)
結果:-0.6%
予想:-1.5%
前回:-1.9%
給与総額は7ヶ月ぶりの高水準。所定内給与は1.4%増。実質賃金のマイナス幅は13ヶ月ぶりの水準に縮小。給与の増加とインフレ率が22年3月以来の低水準に鈍化したことで実質賃金が改善された。春闘で高めの賃上げが期待できれば、夏頃には実質賃金がプラスになる可能性もあるとのこと。
⭕️連合、春闘賃上げ要求は30年ぶりに5%上回る-日銀正常化後押し
日本最大の労働組合の全国組織である連合は、今年の春闘における加盟労組の賃上げ要求が1994年以来、30年ぶりに5%を上回った。平均賃金方式での賃上げ要求は5.85%。昨年の4.49%を上回った。今年の目標も「5%程度」から「5%以上」に引き上げ、物価高を念頭に昨年を上回る賃上げの実現を目指す。昨年の平均賃上げ率は3.83%と30年ぶりの水準。
金融緩和正常化に向けて、賃金と物価の好循環が強まっているかの確認作業を進めている日銀にとってプラス材料。
⭕️日銀の3月か4月のマイナス金利解除、一部の政府関係者が容認姿勢
市場はすでに早期マイナス金利解除への織り込みが進んでおり、異次元緩和からの政策正常化に向けた環境が整いつつある。政府関係者は、日銀がマイナス金利解除後も緩和的環境を維持する方針を明確化する中、実施のタイミングが日銀の判断に委ねるとしている。時期は3・4月どちらを選んでも構わないというのが共通スタンス。
また、18・19日の日銀決定会合で少なくとも一人がマイナス金利が解除が妥当と表明する可能性が高いと時事通信が報道。
⭕️1月の実質消費支出3年ぶり大幅低下、日銀正常化を前にくすぶる不安
実質消費支出は前年同月比6.3%減となった。マイナスは11ヶ月連続で、市場予想(4.1%減)よりも悪化。前月比では2.1%減少。暖冬で電気・ガス代が減少したほか、ダイハツ工業などトヨタグループの生産・出荷停止の影響で自動車購入が減少したことも下押し要因。
賃金の伸びが物価上昇に追いつかず、実質的な購買力低下でGDPの5割以上を占める個人消費が振るわない状態が続く。
🇺🇸米国株
⚪︎今週は全市場ともマイナスで終えた。
パウエルFRB議長の発言で年内の利下げが確実視され、市場には好感だったが、半導体株と悪い決算の銘柄を中心に売りが加速。これまで好決算で上昇していた銘柄も利益確定売りにより株価全体が下落した。特に半導体株は大陰線かつ出来高をつけての下落のため来週の相場に大きな影響を与えそう。
⭕️S&P500:5,123.69ドル 先週比:-0.26%
⭕️NASDAQ:16,085.11ドル 先週比:-1.17%
⭕️ダウ平均:38,722.69ドル 先週比:-0.93%
⭕️ラッセル2000指数:2,086.9 先週比:+0.73%
⭕️2年国債利回り:4.492% 先週比:-0.95%
⭕️10年国債利回り:4.079% 先週比:-2.83%
⭕️ドル指数:102.738 先週比:-1.10%
⭕️VIX指数:15.05 先週比:+7.27%
⭕️強欲指数:71 GREED 先週末:77 EXTREME GREED
○S&P500 日足チャート
○S&P500 ヒートマップ(3/8)
○🇺🇸利下げ時期の期待
🗞️🇺🇸米国の投資ニュース
⭕️🇺🇸ISM景気指数(非製造業)
結果:52.6
予想:53.0
前回:53.4
雇用が大幅悪化したものの、「活動/生産」と「新規受注」(8月以来の高水準)は改善された。サービス価格は1月から鈍化したものの物価上昇は継続。
⭕️🇺🇸雇用情報
○新規失業保険申請件数(3/2までの週)
結果:21.7万件
予想:21.6万件
前回:21.5万件
○失業保険継続受給者数(2/2までの週)
結果:190.6万件
予想:188.0万件
前回:190.5万件
○4Q非農業部門労働生産性(前期比年率)
結果:3.2%
予想:3.1%
前回:3.2%
○4Q単位労働費用(前期比年率)
結果:0.4%
予想:0.7%
前回:0.5%
⭕️🇺🇸1月貿易収支
結果:-674億USD
予想:-635億USD
前回:-622億USD
貿易赤字、昨年4月以来で最大。輸入が1年ぶりの高水準だった一方で、輸出額はほぼ変わらずだった。輸入額で増加したのは、PC・半導体・自動車・部品。
⭕️パウエルFRB議長証言まとめ
・利下げまでそう遠くなく、今年中に開始予定
・利下げが遅すぎるリスクを十分に認識している
・政策金利のサイクルはピークである可能性が高い
・労働市場は依然として比較的逼迫している
・今年の利下げ回数は景気次第
・コア・インフレ率のさらなる鈍化を見込んでいる
・住宅不足は大きな問題となっている
・逆に商業用不動産が冷え込んでいるのも問題
・移民が経済成長に貢献した(移民政策については自分の仕事ではない)
🇺🇸FRBパウエル議長が年内利下げを示唆し、🇪🇺ECBラガルド総裁が政策緩和の実施を示唆したことにより、世界的利下げの流れによる期待感で株価上昇。🇺🇸米国債利回りは低下した。
⭕️雇用統計
【非農業部門雇用者数変化】
結果:27.5万人
予想:20.0万人
前回:22.9万人
【失業率】
結果:3.9%
予想:3.7%
前回:3.7%
【平均時給】
⚪︎前年同月比
結果:4.3%
予想:4.3%
前回:4.4%
⚪︎前月比
結果:0.1%
予想:0.3%
前回:0.5%
【労働参加率】
結果:62.5%
前回:62.5%
雇用者の動きは活発だが、インフレ状態での時給の伸び鈍化は痛い。失業率は2年ぶりの高水準での4%台が見えてきており、内訳を確認すると「恒久的な職を解雇された人」が増加傾向。転職活動が活発化するも就職に難航する人が増加すれば経済へのダメージは大きくなる可能性。結果を受けてドルは全面安。
⭕️Apple、EUから18億ユーロ(2940億円)の制裁金-アップルストア規制を乱用
欧州委は、アップルが自社のプラットフォームでスポティファイなど音楽配信の競合他社を締め出した疑いがあるとして調査しており、アップルに対し、音楽配信アプリがユーザーにアップルストア以外で安価なサービスがあることを通知することを妨害するのをやめるように命じた。制裁金の規模はアップルの想定を上回った。アップルはEUの決定を不服として上訴する意向。決着には何年間にも及ぶ可能性あり。
⭕️アップルのiPhone、24年初めの中国販売24%減ーシャア4位に後退
iPhoneの中国における販売台数は、今年最初の6週間で前年同期比24%減少。中国で最も売れているスマホは、市場の格安セグメントをターゲットにした中国の「Vivo」。ただし、中国市場全体の販売も7%減となっているため、近い将来の販売台数回復には疑問符。ファーフェイは「Mate 60 Pro」の好調等で販売台数64%増となり市場シェアを9.4%から16.5%に伸ばした(シェア3位)
⭕️NVIDIA、時価総額で世界3位に浮上ーサウジアラムコを抜く
Microsoft、アップルに続き世界3位に浮上した。AIブームの追い風で、年初から株価は66%上昇。
対するサウジアラムコは年初から5%下落。OPECとOPCEプラスの自主減産に加え、サウジ政府の追加での保有株売却の可能性が株価の重し。
⭕️テスラ、2月の中国出荷台数は約1年ぶり低水準ー株価7%超の下落
2月のテスラ上海工場からの出荷台数は6万365台で前月比16%減 前年同月比19%減。
中国では春節(旧正月)期間中は自動車販売が低迷に加えて、世界のEV市場の減速が加速している。中国のBYDも12万2311台と前年同月比37%減。
⭕️クレジットカードなど米家計債務の金利負担、住宅ローンに匹敵
米商務省経済分析局の統計によると、米国の家計は現在、クレジットカードカードローンや学生ローンなどの負債に対し、住宅ローンとほぼ同程度の利息を支払っているとのこと。
住宅ローン以外の年率換算で5734億ドル(約86兆円)
住宅ローン金利の年率換算は5783億ドル
この2つの金利が同水準であったことは、1970年代まで遡るデータでは例がない。ほとんどの期間で住宅ローンの負担は約2倍。原因は、2008年以降の低金利でローンを組んだか、コロナ禍初期のさらに低い金利で住宅ローンを組んだこと。一方でクレカの一般的な金利は20%を超えている。消費者の債務不履行の波が押し寄せるのではと懸念が生じている。
💰その他指数
⭕️WTI原油:77.85 先週比:-2.46%
⭕️金先物:2,186.2 先週比:+4.52%
⭕️ビットコイン:68,078.00 先週比:+9.71%
○ビットコイン大幅上昇一時7万ドルを突破。
○金価格「3ヶ月ぶりの市場最高値更新」
上昇要因
・米利下げ観測
・新興国のドル離れ
・個人の金買い
・米大統領選に注目が集まり、安全資産の金に資金が流入
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