映画 『リメンバー・ミー』 - 11月1日、2日は「死者の日」 それは生と死を分かつものを教えてくれる物語
今日の映画日記では
1時間45分につまりにつまった至極の映画『リメンバー・ミー』を見て気がついたことと動かされたことをみんなに知ってもらいたく書かせてもらいました。
歌もキャラクターも映像もストーリーもすべてが愛おしくて、何回見ても泣いてしまう作品です。
本作はメキシコで伝統的な死者の日をモチーフにしており、死者の日は、正式には10月31日から11月2日までの3日間です。各日にそれぞれ意味があり、メキシコでは次のように祝われます:
10月31日: 「死者の日」の準備として祭壇(オフレンダ)を飾り、特に子供の霊を迎える準備をします。
11月1日: 「諸聖人の日(Día de Todos los Santos)」として、亡くなった子供や未成年の霊(「エンヘリートス」)を迎える日です。
11月2日: 「死者の日(Día de los Muertos)」の本番で、大人の霊を迎え、家族全員で亡くなった人を追悼します。
作品との出会い
作品との出会いはたまたまです。
ディズニープラスで観る映画を探していて見つけた感じです。
その時はハロウィンとの違いもわからないくらいで、のちに実際にメキシコに行って死者の日を過ごすほど、この作品に動かされるとは思っていませんでした。
前置きはこれくらいにして紹介していきますね!
映画のあらすじとテーマ
『リメンバー・ミー』は、メキシコの伝統行事「死者の日」を背景に、
音楽を愛する少年ミゲルが"死者の国"を冒険する物語です。
音楽の禁止が家族の伝統とされる家で育ったミゲルは、
ある日、死者の国に迷い込みます。
そこで出会う謎の男ヘクターと共に、家族の秘密を解き明かし、
音楽の道を歩むための手がかりを探し始めることに。
色彩豊かな"死者の国"は、生と死を繋ぐ感動的な物語の舞台となり、
「記憶」や「家族の絆」という普遍的なテーマが温かく描かれています。
『リメンバー・ミー』を初めて観たとき、
物語の結末に至るまで体の水分が無くなるほど涙が止まりませんでした。
美しい映像と心を揺さぶる音楽が
"愛と家族"を心に突きつける物語を描いており
私の人生にとって特別な作品になりました。
家族や愛する人との絆や記憶の大切さを強く感じ、
観る度に新しい発見と深い感動を味わえます。
この映画は私にとって、温かく包み込んでくれる存在です。
音楽への情熱と夢を追い求める無垢な少年
主人公のミゲルは、音楽への情熱と夢を追い求める無垢な少年。
彼の成長や葛藤が物語にリアルな深みをもたらし、多くの観客が共感する存在です。そして、死者の国で出会うヘクターは、家族の愛に飢えながらも明るく陽気なキャラクターであり、物語の核心に迫る重要な役割を担っています。
彼らの掛け合いにはユーモアと感動が詰まっており、特にヘクターが見せる"愛する人を想う"切なさが、作品全体に温かい余韻を残します。
映画の演出・技術面の評価
『リメンバー・ミー』は、ピクサーならではの卓越したアニメーション技術と、文化的なテーマに対するリスペクトに満ちています。
死者の国は、色彩豊かで幻想的な世界観が美しく表現され、登場人物が"亡き家族"や"祖先"と出会う感動的なシーンの数々は、現実の家族に対する愛を再確認させてくれています。
また、テーマソング「リメンバー・ミー」が劇中に何度も登場しますが、その都度異なる響き方を感じさせます。
観客に訴えかけるテーマや教訓
『リメンバー・ミー』の伝えるメッセージは、「家族の絆は永遠であり、愛する人を想い続ける限り、彼らは私たちの中で生き続ける」というものです。
生と死を分かつものは単なる「記憶」であり、その記憶が続く限り、家族や愛する人は永遠に生き続ける。
作品を通じて、私たちは家族の愛と絆の尊さを再確認し、日常の中で人を大切にすることの意味を改めて思い出させられます。
批評
『リメンバー・ミー』は、愛や家族という普遍的なテーマを新鮮で斬新な形で表現した作品で、ピクサー作品の中でも一際輝きを放っています。
鮮やかなビジュアルと綿密なストーリー構成、さらに文化的なテーマの尊重が見事に融合され、感動的なストーリーの中に人間の本質が巧みに描かれています。
これは単なるアニメーションではなく、誰もが共感しうる「生と死」「家族の愛」をテーマにした心温まるドラマです。
個人的な感想
この作品に触れたことで、「記憶」がいかに重要なものであり、それが人と人をつなぐ無形の絆であると実感しました。
メキシコでは貧困のレベルや治安など、日本に住んでいたら考えられないことがたくさんあります。
ただそれだけ大変なことが多くても、映画で魅せるように笑顔の絶えない素敵な国です。
日本に来る報道ではほとんど伝わっていませんが、優しい人も多くて美味しいご飯や、見たことのないフルーツやアクテビティなどの、映画で描ききれていない素敵な魅力が数えきれないほどあります。
実際の死者の日の期間では、町中がセンパスチル(マリーゴールド)で溢れていて、家族みんなでお墓に眠っている家族の前で一緒にご飯を食べたり、演奏をしていました。
それってすごく素敵だと思いません?
日本ではお盆が近い文化だと思いますが、同じく亡くなった人が現世に戻ってくる行事でも国や場所によってポジティブな考え方があることに惹かれました。
家族と過ごした時間の尊さを見直し、日々の大切な人々との時間をより大切に過ごしたいと心から思えた作品です。
この作品を観るたびに新しい感動があり、自分の中の"大切な人との記憶"も温かく蘇るような気がします。
最後に
あなたには「忘れたくない」大切な人との思い出がありますか?