痛々しい。でも、その痛々しさには覚えがあった。自分がイケていないことは分かっている。けれど、その事実と向き合うことも、その事実を誰かに指摘されることもしんどい。そうして楽な方へ、辛くない方へと逃げていれば深く傷付かなくて済むけれど、どこかで必ず向き合わなければならないタイミングがやってくる。その時どう向き合うか次第で、今後歩む人生が変わっていく。打ちのめされて、追い詰められて、どん底まで達したからこそ這い上がり始める雪子。今ある自分を受け入れて、そんな自分だからできることを模索して、そんな自分にしかできない何かを磨いていく。自分を認められることの難しさと大切さを丁寧且つドープに映し出し、目にする者の心を揺さぶる力作です。