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「いじめられやすい人」とは?【ぱりこラジオ第7回】

毎週金曜20時にSpotifyで配信している「ぱりこラジオ」。
こちらは日常で気になる素朴な疑問や悩みを、心理学や私自身の経験をもとに解説していこうという番組です。

ビックリするほど文字版のアップが間に合っていません(先ほど第10回をSpotifyにアップしました……)。
文章派のかたはのんびりお待ちください。ながら聞きができるかた&早く次の話を知りたいかたは音声版をぜひお楽しみください。

さて第7回は2月16日(金)にアップしました。
こちらの再生ボタンを押すとここで直接聴けます。
今回は今までで一番長いです(15分越え)!
 ↓

Spotifyに移動して聴いたりコメントしたりしたい方は、下記リンクからどうぞ!↓

※聴く前の注意事項について記事を書きました!↓

そして今回も「音声を聴くのが苦手、文字で読むほうが楽」という人のために、文字版もご用意いたしました。
※前回分を先に読みたいかたはこちらから↓

それではどうぞ!

◆Q.いじめられやすい人とは?

今回のテーマは「いじめられやすい人とは?」です。

このテーマについて話す前に、まず大前提としてお伝えしたいんですけど……私はいじめられる人よりも、いじめている人のほうが心に問題を抱えていると考えています。

私の好きな漫画、「ミステリと言う勿れ」2巻にもこんなセリフがありました。

“欧米の一部ではいじめてる方を病んでると判断するそうです
いじめなきゃいられないほど病んでる
だから隔離してカウンセリングを受けさせて癒すべきと考える
日本は逆です”

田村由美. 「ミステリと言う勿れ(2)」. 小学館, p.30.

また、別の漫画「いじめ探偵」1巻ではこんなセリフもありました。

“特殊詐欺グループが逮捕された映像が流れて——
その中に私が関わったいじめ事件の加害児童がいたんだ。
(中略)
“いじめ成功体験”を持ってしまった子どもは、いずれ人生の道を踏み外してしまうんだよ。”

榎屋 克優, 阿部 泰尚.「いじめ探偵(1)」.小学館,p.186.

さらに「いじめ相談の現場から いじめられっ子を子供に持つ両親のためのいじめへの具体的対処法」という電子書籍の中にも、このような一説がありました。

“ノルウェーのダン・オルウェーズという、いじめなどを専門に研究している学者によりますと、ノルウェーでは、いじめ加害者の人は24歳までに60パーセントがなんらかの軽犯罪の加害者になっているという統計を発表されていました。”

小野田 真里子.「いじめ相談の現場から いじめられっ子を子供に持つ両親のための、いじめへの具体的対処法」.p.531.

……これは漫画や本で言っていたからそうだという訳ではなくて、実際、私のカウンセリングにも、元いじめられていた人だけじゃなく、元いじめていた人も来るんですよ。

私の目から見ても、いじめられていた人よりいじめていた人のほうが、心の問題が深く回復しにくいように感じています。

ですから私は、いじめを受けた人は、受けた後に精神的な問題を抱えることはあっても、「最初から精神的な問題があるから、いじめを受けるわけではない」と考えています。

精神的な問題を抱えているのは、いじめをする側の人です。

前置きが長くなりましたね。
それでは、ぱりこラジオ第7回、スタートです。

* * *

私は正直言って、暴力や恐喝行為などの酷いいじめは見たことがありません。

ただ小学校低学年から3年生くらいの頃、お家のかたの仕事の関係で体や衣服に独特の臭いがついてしまい、そのためにバイ菌扱いされていた同級生はいました。

今でも覚えていることがあります。

小学校の掃除の時間って、教室中の机をいったん後ろに下げるじゃないですか。最近の小学生は知りませんけど。

その時、同じクラスの男子や女子が、その子の机を「バイ菌がつくから触れない」とか言っていたんですね。で、いつも、その机の持ち主本人が机を下げるんです。

私はその風習と、その子たちがまごまごしているせいで掃除がいつまでも終わらないことにめちゃくちゃ腹が立って、思いっきりその机を掴んで後ろに下げました。

そうしたら言われるんですよ、「伊藤さんがバイキン触った〜!」とかって。
私は「くだらないことを言うな、いいから早く掃除して」と言ったのですが、いつまでもバイキンバイキン言うので、「はい、これでいいでしょ!」と机を持った両手をパンパンとはたいて埃を落とすような動作をした気がします。

未だに、あれでよかったんだろうかと思うんですよね。
だってそれって、結局は私もその子の机がバイキンまみれだということを認めているみたいじゃないですか。

バイキン扱いをされていた子は、何も言わず、遠くで申し訳なさそうにしていた記憶があります。私は正直言って、当時それにも腹が立っていました。

このエピソードを振り返ると、「いじめられやすい人」って何も反抗しない人、嫌なことを嫌だと言わない人、仕方ないと飲み込んでしまう人なのかな、と思います。
いじめられやすいというか、エスカレートされやすい人ですね。

さらに言うと「過剰に優しすぎる人・迷惑をかけまいとする人」だと思います。

あの子は机を平気で触った私に助けを求めることもなかったので、おそらく、親や先生にも相談はしていなかったはずです。自分が助けを求めたら迷惑をかけてしまう、騒ぎになってしまう、という思いで誰にも助けを求められなかったんじゃないでしょうか。

おそらく私が引っ込み思案でやさしすぎる性格だったら、あの子の机を触った時点で私もいじめの対象になったでしょう。でも私は、その後もいじめられることはありませんでした。

こんなことを言うといじめられていた過去のある人に怒られるかもしれませんが、実は私その後……小学校高学年から中学生くらいの時、「自分がいじめの対象になって、いじめている奴らに反撃できないか」と画策していたことがあったんです。

年齢が上がるにつれ、子供の頃ほどハキハキ喋らなくなってきたし、表情も暗くなったし、瓶底メガネだったし、いつも教室で読書をしたり漫画を描いたりしているオタクだったし、勉強もそこそこできたしで、「これはいじめの標的として最適だろう」と思ったんですよね。

でも、誰も私に殴る蹴るのいじめをしてきませんでした。だからいじめられやすい理由に、外見的特徴や勉強ができるかなんて関係ないんだと思います。
実際、その時のクラスには、生まれつき体に欠損があって勉強ができる子がいたのですが、誰もその子をいじめていませんでしたし。

いじめをする人はそもそも集団でないと何もできない人が多いので、個人の力は弱いんですよ。そのくせ危険察知能力に長けているので、私のような人間には危険を感じて来ないのです。

ただ、私は「無視」はされました。
といってもクラス全員から無視されていた訳ではなく、ある日突然それまで仲良くしていたグループの人達が無視してきただけですが。ついでにそのボス的な女子が繋がっている女子もなるべく私に関わらないようにしなくなりましたが、その程度です。

だから私は大人になるまで、「ドラマや漫画で見るような酷いいじめじゃないから、あれはいじめではなかった」と思っていたんですよ。

しかしこれも冒頭で言っていた書籍に書いてあったのですが、いじめの形態にはコミュニケーション系と暴力系があり、「孤立させる・悪口を言う・無視をする」というのは“コミュニケーション系のいじめ”に当たるそうです。

初めて「あれはいじめだったのか!?」と思いました。

私は自分の経験から、コミュニケーション系のいじめに遭いやすい人は、「何か飛び抜けてしまっている人」だと考えています。
で、さらに、その飛び抜けた能力に自分で気づいていない人・認めていない人なんじゃないかなと。

めちゃくちゃ可愛い子が「私なんて全然ブスだし〜」って言ってたら、ちょっとイラッとするじゃないですか。謙遜が皮肉になるやつです。

そういえば私のカウンセリングに来られる方でも、コミュニケーション系のいじめに遭う人は、たいてい自分の何か飛び抜けた部分に無自覚です。
「すごいですね」と言っても「そんなことないです、大したことないです」って言っちゃうし、できない部分ばかりみて「これができないから自分はダメなんです」ばっかり言ってる。

めちゃくちゃ可愛い子が「私なんて全然ブスだし」と言っていて、さらに「みんなみたいにバリバリ働く能力がないから本当に私はダメ、専業主婦やるしかないんだよね」とか言っていたら、今すぐ結婚したいバリキャリ女子をだいぶんイラッとさせる気がします。

嫉妬からいじめをする人も多いですしね。

私はいじめの専門家じゃないので、どうしたらいじめがなくなるのかはまったく分かりません。実際に起きているトラブルを解決するには、専門家に相談して、しかるべき手順でやったほうがいいと思います。冒頭で言った「いじめ探偵」も、実際に存在するらしいですよ。

けど、心理カウンセラー的な見方をさせてもらうと、いじめられている側の人は「もっと自分の能力や魅力に気づいたほうがいいんじゃないかな」と思います。

私がかつて同級生に無視をされていた時も、私は「自分には何も取り柄がない、自分なんか早く死ねばいいのに」と思っていました。
さっきのめちゃくちゃ可愛い専業主婦と一緒で、周りの人はアッタマにきたんでしょうね。「そんなに色々持っているのに何言ってんだ」と。

今なら分かります。私、めちゃくちゃ色々持ってますよね〜(笑)。

最初に言った通り、心理的なケアをして更生するべきはいじめる加害者側のほうだと私は考えています。しかし、じゃあいじめられている側は何もしなくていいかというとそうじゃなくて、自分の価値を改めて見直すべきだと思うのです。

殴られて当然、罵られて当然、無視されて当然の人間なんかこの世にいません。
自分は助けを求めてもいい人間なんだ、何かを持っている人間でそれに無自覚だから、やっかまれていじめられるんだ、というのはもう少し分かっていてもいいんじゃないでしょうか。

今回は熱が入ってだいぶん長い話になってしまいました。
ひどいいじめを受けた訳でもないのにこんなテーマで話していいのかと思いましたが、少しでもどなたかの何かのお役に立てていれば嬉しいです。

さて次回のテーマは初心に帰って「恋愛で失敗しやすい人とは?」です。

それではお届けしたのは、漫画家カウンセラー・伊藤巴でした。
ごきげんよう、さようなら。

※次の回は2月23日(金)20時に配信済みです。↓

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