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イラストレーターになって10年経つのに、今更また「絵の勉強」をしている理由

こちらに制作過程を載せているが、久々に真剣に絵を描いている。わたしは制作に何日もかける絵も、「一枚絵」も苦手だ。でも描いている、絵の勉強をしながら。子供の頃あこがれた「絵描き」を、もう一度目指すため。

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うっかり猫イラストとかミニキャラで商業の仕事を得てしまったため、ずっとそういう絵で仕事をしてきた。10年近く。

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↑こういう絵ね。

いわゆる「通常頭身」の一般的な漫画(アニメ)っぽいイラストは、わたしに求められていないのだと思ってきた。

求められていなくてもいいや、描きたいから描こう、と思って創作漫画を描き始めた。意外と読んでくれる人がいて驚いた。当初は「こんな誰にも求められていない絵で漫画を描いたって……」と度々思っていたが、今ではすっかり、こういう絵で漫画を描くことに抵抗はない。

しかしそこで新たな問題が勃発した。「通常頭身の漫画」は読んでもらえるが、「通常頭身のイラスト(一枚絵)」は誰も見ない。ずっと「わたしの絵が下手だからだろうな」と思っていた。最近気付いたが、それは違う。

自分で言うのもなんだが、わたしは多分「絵が上手い方の部類」に入るのだと思う。じゃあなぜ誰も見ないのか。ただなんとなく絵が上手いだけで、惹きつけるものがないからだ。

要するに、「描き方」や「見せ方」を知らなかったのだ。

漫画が読んでもらえるようになったのは、「たくさん描くようになったから」と「見せ方を知っている(というより、思い出した)から」だと思う。
たぶん、小学校の頃から雑誌に漫画を投稿しまくったり、同人活動をしていたお陰だろう。

ありがとう、過去のわたし。あの頃の自分が、今のわたしをここまで連れてきた。

ここ最近はずっと、漫画を描きながら「一枚絵」の勉強もしている。というより、実は昨年くらいから「背景をちゃんと描く」勉強をしている。いや、2年前だったかな?

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わたしが今のところ胸を張って出せる「背景も描いた絵」はこの1枚くらいで、2017年に描いたものだ。でもこれも今見ると、全然「見せ方」をわかっていない。ただなんとなくうまいだけの絵。

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2019年に描いたこれも頑張った方だと思うし、2017年の絵よりは成長している気がするけど、やっぱり今改めて見ると「全然わかってない」感が否めない。

「独学でやるのが格好いい」と思っていた。そしてたくさん絵を描けば、そのうち勝手にうまくなるのだろうと信じていた。そんなことはなかった。わたしは圧倒的に「学び」が足りていなかった。

しかし「人間は何歳からでもやり直せる」と信じている(というより、心理学で学んだ)ので、わたしは37歳の今、「絵の勉強」をしまくっている。勉強して勉強して、すぐ実践している。

別に絵の勉強なんかしなくても、イラストの仕事は来る。ミニキャラ絵と動物絵の仕事だけやっていても生きていける。

それなのにわたしは、小学校の頃、中学校の頃、高校生の頃、憧れたはずの「絵描き」をもう一度目指したくてもがき始めた。大人らしくなさ過ぎて笑ってしまう。それでも、おかげで人生が楽しい。

今度完成する絵は、この記事に載せた「何もわかっていなかった」頃の2枚と、どう変わるだろう。出来上がる前からワクワクしている。
ともあれ、まずは完成させなければ。

★それから約半年後に書いた続きの記事
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伊藤巴(ともえ)@漫画家×カウンセラー
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